そこそこ走れるようになってくると、またもや「新しい自転車が欲しい」病が再発。
自重の軽いロードバイクが欲しくなってきたのだ。
自重の軽い自転車がいかに楽なのか。
それは折り畳み自転車DAHON K3に初めて乗ったときに痛感した。
本体が軽いと漕ぎ出しが楽ちんで車輪がちっこくても快適な走りを堪能できる。
「これは楽だ」
と思った。
DAHON K3は8kgほどしかなくコンパクトでそこそこスピードも出る。
欠点はコンパクトで軽すぎなので鍵をかけても盗難されるんじゃないかと不安になることだ。
だから13.5kgもあるTR-1は、重くて走らないんじゃないか、と勝手に思い込むようになっていた。
この頃からWEBで「クロスバイク ロングライド」とか「クロスバイク 100km」とかを検索するようになった。
ロードではなくクロスバイクで遠乗りする人がどれほどいて、果たしてそれは可能なのかどうか、ということが気になっていた。
他人のことを調べても仕方がないかもしれないが、気になったのだ。
自分自身、実家との往復40kmほどは走れるようになってきたが、坂道ではやはりヘロヘロしている。
ときに片道1時間以上かかることもあった。
途中、ロードバイクに乗ったニイちゃんネエちゃんに抜かれることも少なくない。
やはりクロスバイクはスピードも出ないし長距離走るのは不適切なんだろう。
だから「新しいロードバイクを買って」とおもちゃをねだる幼児のようにカミさんにぼそぼそと言ってみたが無視され続けた。
このクロスバイクはスピードは出ない。
クロスバイクは長距離には不向き。
というのは今回100kmを走ってみて言い訳に過ぎないことがわかった。
要は脚力。
自転車のエンジンは自分自身なのであるからにして、基本的に体力と筋力を養わなければいくら高級な自転車に乗っていてもスピードも距離も出せない。
ついでに適度な精神力も要るのかも知れない。
そんな当たり前のことを認識することが重要であることに気づくまで随分とかかった。
そのことが実は自転車での遠乗りを楽しむための精神的な最重要事項なのだろう。
それでも「ロードバイク買って欲しい」のは言うまでもない。
で、実家との移動はラッシュアワーには自動車では1時間程度かかることも少なくない。大阪市内方向の国道は渋滞が数箇所で発生してノロノロと動かないのだ。
この時間、自転車で移動すると渋滞が関係ないばかりか、体力も脚力もついてきて最短45分から50分で到着できるようになった。
この頃、富田林の寺内町でアート関連のイベントが有り、
「よっしゃ、これに自転車で観に行ってみよう」
ということにした。
富田林と自宅は約30kmほど離れていて、往復60km。
途中には泉北の丘陵群が数峰ありそれぞれの坂道は楽ではない。
車で通ることは少なくないが、車でも結構な傾斜であることがわかる坂道だ。
でもこれにチャレンジして、片道1時間半から2時間のペースで走り、帰宅して坂道でヘロヘロになった。
帰宅当日はシャワーを浴びたあとバタンキューしてしまうおまけもついた。
しかし、その後日。
いつもつらい思いをして走っていた山道を苦もなく上がれたのだ。
えらいもんである。
富田林への往路は堺の実家を経由したので道はそんなに険しくなかったが、帰りは泉北ニュータウンのど真ん中を突っ切ったので超えた丘陵は6つあまり。
そのときにヘロヘロになって上り下りした坂道が脚力になって還元されていたのだ。
この体験が自転車を楽しむという考えに新しいステップを与えてくれたのであった。
つづく