「浜岡原発停止要請」に菅直人もたまにはまともなことをやるようだ、と思っていたら読売新聞ネット版によるとじ「エネルギー事情などを十分に考慮したものではなく、政権維持のための人気取りで発表したふしがある」というようなことが書かれていた。
危うく、騙されるところであった。
震災後、私は東海道新幹線に乗るのがどうも気持ち悪く、いつもの東京と大阪の往復には飛行機を利用するようになった。
走っている間に地震が発生し、脱線転覆でもしたら話にならないと思ったからだ。
今回の地震でも、新潟県中越地震でも、新幹線が脱線して人が怪我をしたり死んだりした例は発生していない。
「これこそ日本の技術がすぐれているからだ」
という意見があるものの、私はそうとは思わない。
多分、運が良かっただけなのだ、と考えてしまうのだ。
というのも、16年前の阪神大震災では山陽新幹線の高架橋が落下。
たまたま始発前の5時46分に発生した地震だったので、列車が走っていなかったから事故にならなかったわけで、もし営業時間内に発生していれば時速300kmで走る列車がそこで脱線、転落。
間違いなく大惨事になっていたはずだ。
そこへいくと飛行機は運行中も停止中も地震に直接の影響を受けることはほとんどない。
飛行中の飛行機の場合は、着陸先に問題が出るかも知れないが、最悪の場合北朝鮮を除く近隣の外国へでも飛べばいいわけで、脱線することも転覆することもない。
とりわけ東海道新幹線は盛土方式の高架が多くて、地震で崩れでもすれば洒落にならないのだ。
で、もう一つ心配だったのが、静岡県の浜岡原発。
最近知り合ったばかりの清水市にある取引先の営業担当の人が、
「原発が心配ですよ。なんといってもプレートの境目に乗っかってるんですからね」
と心配そうに言っていたぐらいだから、事態はよろしくないこと間違いない。
だからこそ、浜岡原発の停止要請は正しいと思ったのだった。
でも、人気取りを意図しているというのがホントなら、やっぱり浜岡原発の前に民主党を停止させねばならないと思ったのだ。
それはさておき、原発は必要か?
という議論がほとんどなされていないのはどういうわけか。
原発を停止するのは容易いことだが、停止させてエネルギー不足になることは論外だ。
原子力発電の割合は極めて高く、例えば関西電力の場合は半分近くが原子力。
浜岡原発のように「敦賀も美浜もみんなみんな止てんか」と要請されたら、関西の人々は次の日からロウソクで生活しなければならなくなる。
原発が安全かどうかの技術的問題はさておき、21世紀初頭の現在に於いて、原子力発電所はなくてはならない存在だ。
これを否定する人は、明日からへっついさんでご飯を炊いて、七輪で秋刀魚を焼いていただきたい。
原発なしでは十分なエネルギー確保はできないわけだし、現状では代わりになるような強力なエネルギー発生装置は存在しない。
となると、やはり大阪府の橋下知事が掲げるような、
「原発の廃止を考えたエネルギー政策、技術の育成」
が先決であり、段階を経て原発から別のエネルギーへ転換していくことが重要だ。
もともと原発は核融合や光エネルギー、地熱エネルギーなどの次世代発電方法の開発と一般化に向けた「中継ぎ」であったはずだ。
そのことをいつの間にやら忘れてしまい、次世代エースの登場がなかなかなので中継ぎがマウンドで踏ん張り続けてる、というような情けない野球チームのようになってしまっている、というのが現状なのだ。
尤も、原発の代わりに出てくるのが、関西球団の久◯田投手のようだと、ちょっと困りますが....。
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