萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:標高千八百の桜

2016-05-01 23:53:10 | 写真:山岳点景
あさき春に



山岳点景:標高千八百の桜

五月初め標高1,800メートル、一見はまだ枯野。



けれど東斜面の森、山桜は咲きだしていました。



交わされる枯枝はざま、木洩陽に透ける薄紅。



枯色の森で小さな薄紅は輝きます。



日照時間の長い南斜面、落葉松が芽吹いていました。



けれど北斜面はどの木も芽は見えず、それくらい山は南北で気温+日照の差が大きいです。
そのため遭難時はどちらの斜面でビバーク=緊急露営するかで生死も分かたれます。



森の足もと、陽だまり曙菫アケボノスミレが咲いていました。
花の赤紫色×少し閉じたハート形の葉が特徴です。



樅モミの実生が育っていました。
深い雪にも耐えたんだなあーとなんだか見惚れます。



桜も冬の寒さ無くては花色が出ません、人も苦労を超えた笑顔のほうが綺麗なんですよね、笑



長い冷厳を超えた春四月、凛と優しい標高1,800メートルの花です。


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撮影地:山梨県某所

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