祝う真白、浄雪の燈
文学閑話:予祝、豊年の雪×万葉集
新しき 年のはじめに 豊の年 思るすとならし 雪の敷れるは 葛井諸会
あたらしき としのはじめに とよのとし しるすとならし ゆきのふれるは ふじゐのもりあい
新しい年のはじめ、豊かな年の徴として雪が降り敷くのだろう
新雪は米のよう真白で、白く積もるほど豊作になると寿ぐ予祝のようで
あまりメジャーではない歌ですけど、新年×雪の歌として好きです。
『万葉集』第十七巻に掲載の歌ですが西暦756年1月に宮中、天皇の住まいで雪掻き奉仕をした返礼の宴で詠まれました。
原文は、
新 乃婆自米尓 豊乃登之 思流須登奈良思 雪能敷礼流波
万葉仮名はただ音を当てているワケではなく、音×意味で字選びしている傾向が見られます。
この歌は「米」「豊」「登」とありますが、古来からある正月に豊作を祝う行事をイメージさせます・この豊作は米=五穀の王がメインだからです。
この令和でも宮中行事として皇室の祭には、米にまつわるものが多く現存しています。これらの祭が民間にも伝承されているのが春祭り=田の神迎えや、秋祭り=収穫感謝祭です。
雪が降った昨日今日、ここから善き年へとなっていけたらいいなあとコンナ歌を載せたくなりました。
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