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萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚169

2014-08-01 01:00:12 | 雑談寓話
雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚169

正月3日、花サンと山中湖へ出かけたんだけど、

From:御曹司クン
本文:なんでいきなり帰るんだよ?そんな怒るなんて田中さん誘ったから?
   俺と田中さんが一緒してもおまえに怒る権利なんて無いだろ、俺だって自由にデートしていいじゃん?
   おまえが俺のこと本気で好きでつきあってくれてるんなら怒られて当り前だって思う、それなら俺だって謝るけど。

っていう正月2日のメールに嫌な感じした通り、田中さん=花サンは傷ついていた。
細い手首は古傷に新しい傷またつけられて、それは心の傷そのまんまで哀しかった。
御曹司クンと花サンは年越@山下公園を一緒した、その時が原因だってすぐ解ある。

今日は1日ずっとこの話になるかな?

そんな予想と車に戻って、
ファミレスでも行こうか考えていたら花サンが言った、

「ゆっくり話したいな、缶コーヒーでも良い?」
「いいよ、笑」

ってワケでコンビニ行って熱いモン買って、
ついでに甘いモン買って花サンに渡したら笑ってくれた、

「あんまん良いね、冬っぽい、笑」
「ちょっと甘すぎるけどね、笑」

なんて笑いながら食べてコーヒー熱いの飲んで、
そしたら花サンが話しだした、

「あのね、御曹司サンと山下公園のカウントダウンに行ったんだけど、そしたら他に好きな人がいるって言われちゃって…なんかガックリきて、」

イキナリそこ話してくれるんだ?
っていう一足飛びにまず訊いてみた、

「花サン的には御曹司クンとオツキアイし始めてたんだ?」
「ちゃんと言われたわけじゃないんだけどね、」

ちょっと笑って缶コーヒー啜りこんで、花サンは話してくれた。

「好きだよって言われてはいたのね、休日とか会いたいって言われてゴハン一緒してて。そういうのトモさんが異動してからなんだけどね?
メールもいつもくれてるしクリスマスイヴも一緒しからホントにつきあってるみたいに想ってて…でも違うみたい、私が勝手に想ってるだけで、」

聴いていて御曹司クンの言訳も聴こえる気がした。
好きって言ってもつきあおうなんて言っていない、そう御曹司クンは言うんだろう?
そんな予想とコーヒー飲みながら座ってる車内は重たい空気じゃない、それでも哀しいまんま花サンは言った。

「それでね、山下公園でカウントダウンしてるとき彼メールしてて、文面ちらっと見えて訊いちゃったの、私じゃない人と一緒に来たかったのって。
隣にいるのお前なら良いのにって文章が見えたけど、私じゃない誰かと一緒にいたいのって訊いちゃって。そしたら本命は他にいるよって言われてね。
それでまた訊いちゃった、私のこと一番好きだからつきあってるんじゃないのって。そしたら困った顔されて黙られちゃって…年越にこんな恥ずかしいね、」

年越カウントダウンでこんなこと言われたら凹むだろう?
友達仲間、恋人同士、周りみんな楽しそうに浮かれて一緒に新年を祝っていて、
それなのに自分だけ隣は誰かにメールして、他の誰かと一緒にいたかった言われたら嬉しくない。

これじゃ花サンは傷ついて当り前だ?

そう思いながら大晦日、あのメールに返信をしなかったのは正解だと思った。
こんな御曹司クンの遣り口は好きじゃない、その対象が自分の友達だったことが尚更に苛ついた。

花サンには「他に本命がいる」って言う事で気を惹きたい、
自分には花サンをダシにすることで告白させたがっている、

なんて意図は言うなれば二股っぽい?
そう考えると滑稽で可笑しくて、だけど笑っている場合じゃない。
だって現実に花サンは手首を切ってしまった、それは死ぬ目的じゃ無くても苦しんで傷ついている。

じゃあ今なにを自分は言ったら良いんだろう?そして御曹司クンとこれからどうする?



第77話「決表7」読み直したら校了、Favonius「少年時譚30」もう少し加筆校正します、
この雑談or小説ほか面白かったらバナーorコメントお願いします、続けるバロメーターにもしてるので。
で、バナーここんとこ減ってるので連載を減らすかもしれません、ドレを続けてほしいとかありますか?

取り急ぎ、



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