よっちゃん農場のドタバタ日記

「よっちゃん農場」の日常。
 ~いち農家から小さなブランド作りの奮闘記~~

ざんねん。

2011年06月03日 | Weblog

まだまだキチンと形にはなっていないとはいえ、
海山ネットも動きだし、協力してくれるという声も頂き、
昨日は取材もして頂いた。

我々の考える復興は「営利目的」がキチンとあっての経済復興が大事。という考え。
それは私らの実感から来るものだ。

生活の基盤、それは良いも悪いも無く、お金があると精神的に余裕ができる。

私も、家庭の事情で多少なりともお金には苦労して来た時期がある。
やりくり下手は自分でも分かっているけれど、それでもお金が無いと精神的にかなり追い込まれる。
言うは易しで、それは本当にキツい事だ。
「余裕がなくなる」
外出する時に、財布に千円一枚の時と、2万入っている時では全く心持ちが違うでしょう!?
例えの善し悪しは別にして、お金は大事なもの。
今我々が接している人たちは、何にもない。全部失ったから。
だからなおさら、お金は大事なもの。


家が残り、生活は出来ている私たちが「なんとかしてあげたい」と、
強烈に思う沿岸部の方々に対する提案も、何かをあげたりという形は取れないから、
「同じ田舎モンだ!そこに海も山も区別はねぇっちゃ!あるモン工夫して、ちゃんと商品作りして、一緒に稼ぐべ!」
それが基本。
ベースが残っている我々と新しい知恵。ある意味では大いなる活性化の始まり。



少しでも助けてあげたい、と、震災の影響で遅れていた作業に雇用を始め、
気持ちを通わせられるようになって出て来た本音。
「仮設が建って来て、ふるさとに帰れるかも!?と嬉しい気持ちはある。
 けれど戻ったところで仕事があるわけじゃない。買い物も遠い。
 すべてゼロから立て直さなくては…。不安ばっかり」
状況は日毎に変わり、メディアでは好転し希望の光が見えて来た様に書かれてるけれど、
リアルな現実の話、気持ちに接するとドンドン現場と紙面の内容が乖離してってるような気がする今日この頃。

だからその足がかりになる事、大事なお金を稼ぐということを、
小さくとも手助けしたいと始めたのが我々の活動。
それが、我々の出来る支援かなーと、ずっと考え、悩んで来た。
当然みんなが好意的に見てくれるものではない。
見た目には「何かをしてあげる」だけの方が、相手の感情を一切考えなくていいし、やりやすい。

けれどもそれは「支援なの?」と疑問に思う自分が居るから今の活動がある。
範囲はちっちゃいかも知れないけど、後々に繋がるような縁を作りたいとの想いもある。

その中で試行錯誤を繰り返し、ようやく形になってきたある商品について、
今日ちょっと納得出来ない話になった。

とある方の書いた本を参考に、避難者の方々が作った商品がある。
それをキチンと販売してあげて、お金として返してあげたい。

それで、本を書いた方に、商材として扱いたいという旨をご相談し、
我々の活動、想いの中身を聞いて頂いた。
この時期を利用して暴利を貪ろうという気持ちはなく、著者の方に納得出来る形の協力を仰ぎ、
避難者の方が堂々と仕事で稼いでもらい、僅かずつでも今後を考える余裕を作ってもらいたいとの一心で。

商品とはいえ、皆がそれぞれの家庭で必ず一度は目にしてきたもので、
「え!?これに特許があるの!?」
と、私自身もびっくりした。それぐらい一般的な素材を、制作方法を使っている。
ポイントになったのは制作過程を参考にさせてもらった…という点。
それでも特許あるので、筋として話をさせてもった。


原価として、作ってくれた避難者の方にお金を支払い、
その仕組みづくり、また海山ネットとしても活動費として利益を頂き、
出口として販売してくれる小売店にも利益が落ちなければ、サイクルとして回らない。

経済復興。やり方は色々だと思う。考え方も色々。
ダメだ。許可出来ない。営利活動はダメの一点張りの返答。

こんな時期だから何でもかんでも支援協力してよ!なんて考えは毛頭ないし、
それは協力出来ないと言われれば、それ以上押せる話でもないから諦める。特許だから。
それでも、
「1000万払ってくれたら、好きなようにしていいよ!」
と言われる方が納得出来るくらい、話が噛み合なかった。残念の一言。

商品は趣味の類いのもので、その作り方の本を出版しているのに、

「本に載っている通りのものは、私、もしくは私の講座を受けた人にしか作れない!」

「作ってみたって!? 私は30年以上やってるんだから、それが"半端モン"だと見なくても分かる」

「勝手に作って楽しんで、仲間同士で良い悪いなんて評価し合うのはやめてよ! 」

とさんざん言われてしまい、しまいには

「す、すみません…それではなんで本売ってるんですか?」

と、尋ねたら電話切られちゃった


 私は今でも納得出来ない。
 世の中は広い。
 それでも、良い勉強になったと割り切るしかない… ! … ? …


 う~~む…