前回からあっという間、二ヶ月に一度の新聞ばっぐ会議in東京。
今回はオブザーバーとして元高知県知事・橋本大二郎さんも参加、という濃厚さ。
四万十の動き、東北での動きをそれぞれ報告しあい、それぞれの在り方への認識共有まで議題に上がったところで今回は終了。
また、今回は 北の国から でお馴染みの倉本聰さんの舞台公演の際に新聞BAGをお取り扱い頂けそうだという話を頂いていたので、
関係者のY田さんのご出席頂いて話を伺いました。
倉本さんは新聞ばっぐに大変興味をもっておられるようです。
実際に買っていただいたり、公演で使うということの前に、興味を抱いたその心のままにまず触れて楽しみたい。
とっても大事なことなので、11月にチーム四万十&チーム東北で北海道・富良野を尋ね、
現地に居らっしゃる方々と交流しながら新聞ばっぐに触れる時間をつくろう、と、決めました。
Y田さんのコトバでとても印象に残るものがありました。
「住んでいる人たちの速度に合わせて」
これは、この三年半、私達なりにものすごく考え時に悩んできた部分を見事に言い表したコトバだなと思いました。
海山ネットの最大の目的は、自分たちの出来うる範囲の中で被災地の人の復興、自立支援をすること。
当初からですが、中にこもって誰かを支えるというものではなく、新聞ばっぐを中心に商品づくりをし、
それを販売することで折手の沿岸部の方々の収入を得つつ、メッセージを伝えていこうという活動。
代表の曽木さんや私の立ち位置としては当初から、外から頂くたくさんの声に対応するポジションで
活動を伝え、商品を発信して「仕事」という形で関わる海山のもとにもってくるというのが仕事。
これまでやってきた中で一番考えて悩んできたのがこの「速度」というもの。
「現地の動きをわかってないじゃん」
と言ってしまえば簡単な選別で終わるけれど、もちろんそういう内容の対応で終わるのもあるけれど、
継続して仕事を作っていくという上で、
どうにか今の地元の呼吸をわかってほしい、つたえたい。
その上でぜひお互いに共感し合える形を見出してチカラにもし、仕事にしたい。
そう考えてきました。
一方でたくさん生まれてたくさん消えていった事例の多くは「やってくれるなら任せるよ」と委ねてしまったことが原因かと。
その時の収入だけを考えればそれでもいいかもしれない。
でもそれじゃあ続かないよ、と思ってしまう。
今日の会議で梅原先生もおっしゃいましたが、新聞ばっぐというものを通じて関わってきた者がそれぞれに考えて
一本とはいわないまでも確かな線になっているのはそこんところの苦しい部分を一生懸命考えてきたから。
東北で2011年から仮設の方々にさえ「商品として通用するものを」というラインを堅守してきた事によって得た仕事や信用が作ってきた
ものはまた違う意味で自分たちで作ってきた価値観だし、それが海山ネットの目的を維持することにもつながっている。
例えばチーム四万十がこういっているから乗っかっちゃおうよ!というのはありがたい状況だし、楽なこと。
でもそうだけに委ねなかったから、お互いの、全体の価値の奥深さが作れているのも事実。
これからも、もっと考えなくてはならないし、気をつけなくてもいけない、忘れてもいけない
「住んでいる人たちの速度に合わせて」