よっちゃん農場のドタバタ日記

「よっちゃん農場」の日常。
 ~いち農家から小さなブランド作りの奮闘記~~

道の駅研修:陸前高田へ行って来ました。

2012年09月19日 | 自営業



思い起こせば震災から何日か後、道の駅の社員の方々と南三陸~石巻へ行って、とっても疲れて帰って来ました。

あの時を思い出す一日でした。


春の部会の時に「研修でどこに行きたいか?」と皆様に伺ったところ、

「今回は被害が酷かった沿岸部をぜひとも実際に見たい」

という意見が多かった。それで今回の研修は私も訪れていなかった気仙沼・陸前高田へ行きました。

出荷組合の生産者なので平均年令は65歳を超えるお年寄りも多く、
車で走れば数時間の場所とはいえ「足がなく」、離れた場所の人たちと同様、
テレビや雑誌でしか見ていない人が多かったからでしょう。



車中より。
松林が美しかった気仙沼の「大谷海岸」
キレイな海岸線はすっかりなくなっておりました。












陸前高田。
南三陸と似たような感じ。商業施設や病院など、鉄骨のガッチリした建物以外すっかりまるごと街がなくなってました。


軌跡の一本松があった場所に行きました。

偶然にもかろうじて難を逃れたボランティアガイドのおじいちゃんがいらっしゃり、お話を聞くことが出来ました。
もともと観光ボランティアをしてらしたそうで、その経験もあるのとは別に、

「天災の恐ろしさ。その被害の甚大さ。観光でもなんでも実際見に来てくれるのは大歓迎。
 
  それならば、自分が生で体験した経験を出来るだけ、ありのままに聞いてもらうことで、

   対岸の火事、ではなく自分の今後のために役立ててほしい」

という想いが根底にありました。
以前、ふとやってきたツアーバスの一行と遭遇した時、
添乗のバスガイドさんの説明がなんとも真実とかけ離れ、やっぱり地元の事は地元の人間が語る場を、という必死さがありました。

手には震災前のこの街の写真がありました。
それを見た時、どれだけ沢山のモノがここから消え去ったのかがわかり、一同、なんとも言葉にならない時間でした。







昼は復興レストラン「マイウス」にて。
ここは元々が併設される陸前高田ドライビングスクールの食堂。
震災時には炊き出しの拠点のひとつになり、その後は復興作業に来る方々の為にもと一般開放しレストランとして運営されています。

食事をしながら東北村の仲間でもある満福農園Hさんの話を伺いました。

ここも陸前高田ドライビングスクールが運営する農園であり、
免許を取りにくる人に農園の手伝いをしてもらうという面白いプログラムをやってたり、
被災者の働き場として雇用にも力を入れています。
マイウスにも食材となる野菜を納入しています。

海山ネットに通ずるところがあり、今は「今あるもので、出来る価値づくり」を念頭に活動しています。
それがゆくゆくは、なにがしかの今の助けになり、また、今後この場所がふるさとだからと帰ってくれる人にとっての価値になれば、、
というHさんの精一杯の言葉が耳に残りました。

ちょうど食事中だった、合宿免許の講習と農業手伝いセットのプログラムに参加する若者にも話が聞けました。
彼は福井の出身ですが、
「やっぱりこんな大惨事が起こり、自分も被災地を見ておくべきだ」
と感じて陸前高田を選んだそうです。

実家は農家らしく、
「やっぱり農業に興味ある? 将来は農家を継ぐ?」
という質問には
「いや、、、今んとこは考えてないっす!」
とキッパリ。。。若い(^^♪から今はしょうがないか。











その後は復興直売所などを数件周り、気仙沼へ。

ここも女川を彷彿させる被害の多さ。

どこもそうですが、今は復旧・復興とか「新たにどうするか?」という未来よりも、
地盤沈下による浸水区域が広すぎて、工事して車両が通る道を確保する、というのに一生懸命の印象。
その段階。

良くも悪くも、
一部を切り取っての報道に敏感にならず、ぜひとも現地を実際に見る機会を作って、
来れる人はぜひとも現地に来て、実際に見て感じる事が必要だと思う。

失ったものの大きさも、
これからまた復旧、復興する道程がどれだけのものになるか、
私もよくわかってないのが正直な感覚。
だからそれをちょっとでも沢山の人達に感じて欲しいと思います。

今は技術も発達して、スカイツリーみたいな凄いのも作れる時代。
けど、
やっぱり道路一本作るのにはそれなりの時間と労力が必要なのは間違いないのも真実。

そんな"いろいろ"なものがギュッと詰まった街がまるごと消えちゃった・・。

書けば軽いけれど、それを目にした時に感じる「ズドーン」とくるこの感じ。
これはやっぱり一年前に感じたのと変わらない。

起こったことは、とてつもなく、重い。







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