仕事の道楽化

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唾面自乾

2020年04月10日 | 修養
 仕事をしていると、様々な屈辱を味わうことがある。

 理不尽な体験をすることがある。

 そんなときは、決まって鍵山秀三郎氏の言葉を思い出す。

「唾面自乾」である。

 鍵山氏は、次のように解説している。

 「唾面自乾」とは、たとえ顔に唾をかけられても、自然に乾くまで拭かないという意味です。人生には、様々な屈辱を味わう場面があります。そんなときは、心を乱すことなくひたすら耐えることです。

 鍵山氏も様々な屈辱を味わい、その度にこの「唾面自乾」という言葉を繰り返し口にしたことだろう。


 鍵山氏の場合、取引先の会社再建を手伝ったことが原因で、いわれなき災難に遭遇したそうである。6人のヤクザに無理矢理連行され、約25時間半監禁された。しかも、その間、恫喝され屈辱的な罵声を浴びせられ、灰皿や花瓶を投げつけられ、カミソリで何カ所も服を切られたそうである。

 それでも動じなかった鍵山氏に向かって、ヤクザは氏の顔面に唾を何回も吐きかけた。それでも滴り落ちる顔面の唾をぬぐわず、乾くまでひたすら耐えたとのことである。



 以前、私も、保護者から、次のような暴言を吐かれたことがある。

 「なんでそんなに上から目線でものをいうのか」

 「同じ事を何回もいわせるな」

 ・・・等々である。いずれも強い口調で。

 学校の教育活動について説明をしたときのことである。

 向こうの要求に沿わない説明をしたことが理由であるが、理不尽な要求だったため、できない理由をいうしかなかった。

 同僚を守るためには、近くにいた同僚ではなくて、自分が言う必要もあった。


 その後に繰り返し自分が口にしたのは、

 「唾面自乾」という言葉である。

 鍵山氏の体験に比べれば、自分のは本当にたいしたことは無い。

それでも嫌な体験であることは変わりはない。

 理不尽な体験をする度に、鍵山氏の「唾面自乾」を呪文のように唱えて耐えることにしている。

 その上で、どうやったら解決できるかをじっくり考えるようにしている。

 我慢するだけではなく、「返し技」も考え、どうすれば改善するかも考えるようにしている。 
 
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