今日の「お気に入り」は、「閑吟集」から若菜摘みの歌。
・いくたびも摘め 生田の若菜 君も千代を積むべし
・菜を摘まば 沢に根芹や 峰に虎杖(いたどり) 鹿の立ち隠れ
・木の芽春雨降るとても 木の芽春雨降るとても なほ消え難きこの野辺の
雪の下なる若菜をば 今幾日(いくか)ありて摘ままし 春立つと言ふばかり
にや三吉野の 山も霞みて白雪の 消えし跡こそ道となれ 消えし跡こそ道となれ
( 木の芽が萌え出る春雨が降っても、まだ消えにくいこの野辺の雪に
埋もれている若菜を、あと幾日たったなら摘めるだろう。でも、
さすがに春が来たというだけで、吉野の山々に霞がかかり、
白雪も何時しか消えて、その跡に黒々とした道が現われていることだよ。)
浅野建二校注「閑吟集」(ワイド版 岩波文庫)所収
・いくたびも摘め 生田の若菜 君も千代を積むべし
・菜を摘まば 沢に根芹や 峰に虎杖(いたどり) 鹿の立ち隠れ
・木の芽春雨降るとても 木の芽春雨降るとても なほ消え難きこの野辺の
雪の下なる若菜をば 今幾日(いくか)ありて摘ままし 春立つと言ふばかり
にや三吉野の 山も霞みて白雪の 消えし跡こそ道となれ 消えし跡こそ道となれ
( 木の芽が萌え出る春雨が降っても、まだ消えにくいこの野辺の雪に
埋もれている若菜を、あと幾日たったなら摘めるだろう。でも、
さすがに春が来たというだけで、吉野の山々に霞がかかり、
白雪も何時しか消えて、その跡に黒々とした道が現われていることだよ。)
浅野建二校注「閑吟集」(ワイド版 岩波文庫)所収