今日の「お気に入り」は、ヘルマン・ヘッセの「時おり鳥がなき」という詩です。
時おり 鳥が鳴き
風が小枝を渡り
犬が遠い農家で吠えると
私は黙って じつと耳をすます
すると私の魂は戻つてゆくのだ
忘れられた千年の昔
鳥や 吹く風が
私と似て 私の兄弟であつた時まで
私の魂は一本の樹に
一匹の獣 ただよふ雲となり
その変つた見なれない姿で 帰つてきては
私に問ひかける ああ それに
どう答へたらいいのだらう?
富士川英郎訳
作家の中野孝次さん(1925-2004)が、その著書「わたしの唐詩選」(文春文庫)の中で紹介されている訳詩です。
時おり 鳥が鳴き
風が小枝を渡り
犬が遠い農家で吠えると
私は黙って じつと耳をすます
すると私の魂は戻つてゆくのだ
忘れられた千年の昔
鳥や 吹く風が
私と似て 私の兄弟であつた時まで
私の魂は一本の樹に
一匹の獣 ただよふ雲となり
その変つた見なれない姿で 帰つてきては
私に問ひかける ああ それに
どう答へたらいいのだらう?
富士川英郎訳
作家の中野孝次さん(1925-2004)が、その著書「わたしの唐詩選」(文春文庫)の中で紹介されている訳詩です。
