今日の「お気に入り」。
「 いかにも戦前は戸ごとに日の丸の旗をたてた。三大節をはじめ国民の祝祭日には必ずたてた
から、俗に旗日といった。
白地に赤く日の丸染めて、ああ美しや日本の旗は――とうたった。日章旗の意匠は単純明快
で世界に冠たるものだと当時はいった。それが一変して今は忌むべきものとなったのは、そ
の旗のもとで将兵の多くが死んだからだというが、どこの国の旗も歌も血に染まってないものはない。
フランスの国歌の文句のごときは『血ぬられたる旗はあげられたり進め祖国の子らよ』と
アジっている。
〔Ⅳ『白地に赤く日の丸染めて』昭60・11・7〕」
(山本夏彦著「ひとことで言う‐山本夏彦箴言集」新潮社刊 所収)
「 いかにも戦前は戸ごとに日の丸の旗をたてた。三大節をはじめ国民の祝祭日には必ずたてた
から、俗に旗日といった。
白地に赤く日の丸染めて、ああ美しや日本の旗は――とうたった。日章旗の意匠は単純明快
で世界に冠たるものだと当時はいった。それが一変して今は忌むべきものとなったのは、そ
の旗のもとで将兵の多くが死んだからだというが、どこの国の旗も歌も血に染まってないものはない。
フランスの国歌の文句のごときは『血ぬられたる旗はあげられたり進め祖国の子らよ』と
アジっている。
〔Ⅳ『白地に赤く日の丸染めて』昭60・11・7〕」
(山本夏彦著「ひとことで言う‐山本夏彦箴言集」新潮社刊 所収)