今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「 話しあいという言葉を、私はきらいだというよりむしろ憎んでいる。なぜかというと話しあいなんて、
出来ない相談だからである。
あの五・一五事件のときの首相犬養毅は『話せば分る』と言ったが、青年将校たちは言下に『問答無用
撃て』と命じた。犬養の話を聞いて万一理が認められたら、犬養は殺せなくなる。ひいては革命はできな
くなる。故に左右を問わず革命家は、いくら話しあおうと言われても応じてはならないのである。かろう
じて聞くふりすることだけが許される。
〔Ⅱ『問答無用なことがある』昭57・2・4〕」
(山本夏彦著「ひとことで言う‐山本夏彦箴言集」新潮社刊 所収)
「 話しあいという言葉を、私はきらいだというよりむしろ憎んでいる。なぜかというと話しあいなんて、
出来ない相談だからである。
あの五・一五事件のときの首相犬養毅は『話せば分る』と言ったが、青年将校たちは言下に『問答無用
撃て』と命じた。犬養の話を聞いて万一理が認められたら、犬養は殺せなくなる。ひいては革命はできな
くなる。故に左右を問わず革命家は、いくら話しあおうと言われても応じてはならないのである。かろう
じて聞くふりすることだけが許される。
〔Ⅱ『問答無用なことがある』昭57・2・4〕」
(山本夏彦著「ひとことで言う‐山本夏彦箴言集」新潮社刊 所収)