山と音楽紀行、最終編はakahanamizuki邸訪問です。春日山城跡散歩を終えて、清々しい気持ちのままお宅のリビングに通していただきました。philewebの日記から開放感溢れるリビングルームを想像していましたが、予想以上オープンぶり。まさしく、お子様が走り回れる家を実現されていました。SP奥のスクリーンの向こうは中庭です。リスポジの後ろ側も庭ですからふんだんに自然光が入ってきます。午前から夕方まで陽の変化も感じながら、音楽を聴かせていただきました。散歩で乾いた喉を、美味しい麦茶で潤しつつ、サウンド交流がスタートしました。
akahanamizukiさんは、ここ数年でヴィンテージオーディオに舵を切られました。嘗てはLINN KlimaxDS/K、B&W siganature diamond、そしてアンプはアキュフェーズのセパレートC-3800、A-45という、現代のハイエンド品を使われていました。もう上がりとも思えるようなラインナップですが、それだけで頂上とならないのがオーディオの難しさ、面白さです。どんなオーディオシステムを組むか、これは正解のない旅のようなものです。聴いてきた音楽、今後聴く音楽、交流で知り得た仲間、自身の志向、資金・・・岐路はいろいろありますね。いずれにせよ最後はご本人が決めるものですし、選択は尊重されるべきと思います。
お洒落なリビングルームの裏側を見せていただきました。オーディオ機器とレコード収入スペースになっていました。これは男の部屋ですね。ドイツの香りもします。武骨な機器群をリビングルームに置かない(置けない)のは、どのご家庭でも同じですね(笑)。
akahanamizukiさんのメイン音源はデジタルではなくアナログです。核となるプレイヤーはEMT930stです。カートリッジはTSD-15を使われていました。躯体の頑強さがいかにもドイツといった風情です。訪問先でトーレンスを聴く機会はそれなりにありましたが、EMTは初めてかもしれません。
こちらが、真空管フォノアンプklangfilm 6S Ela 2145. Eladyn-Steuerverstarkerです。元は劇場用のマイクアンプだったそうです。CDプレイヤーの出力も受けられるようにしてあり、プリアンプ的な位置づけです。左右独立のモノラル・アンプです。
フォノアンプから出た左右独立の信号は、そのままパワーアンプZeissIkonDominal-L(左右独立で2台)に受け継がれます。真空管も新品をドイツから取り寄せたそうです。現在でも入手できるのが素晴らしいです。手前の台のアッテネーターで音量を調整します。
最下流はSiemensStudioMonitorです。モニターSPのことはよく分かりませんが、オーストリアのスタジオで使われていたそうです。ユニットはお馴染みTANNOY Monitor Red(15インチ)です。導入当初は音に愕然としたそうですが、朗らかに鳴っていました。
akahanamizukiさんのメイン音源はアナログレコードに移行しましたが、CDはリビング壁面に設置されたB&OのBeosound9000で再生します。LINN KlimaxDS/Kは去りましたが、洗練されたデザインの本プレイヤーは残りました。というわけで、この日はファイル再生無しです。
時間が無くなって今回は聴けなかった電蓄です。次の機会にお願いします。
一緒に音楽聴いたり、うたた寝したり、庭で遊んだり・・・優雅な時間を過ごすハナちゃん。
午前中から夕方にかけての長丁場でしたので、途中、近所のお蕎麦屋さん「にのみや」で昼食をとりました。人気のお店で行列も覚悟とのことでしたが、タイミング良く待たずに入れました。味よしボリュームよしの「天ぷらせいろ」、美味しくいただきました。
全てではありませんが、聴かせていただいた音楽を紹介します。今回の訪問ではヴィンテージ機器も去ることながら、akahanamizukiさんの選曲が楽しみでした。昨年12月にお越しいただいた際に、様々なジャンルの曲をかけましたが、大抵の曲に音でなく音楽にまつわる話が入って時間が押したことを憶えています。これまで様々な音楽を聴かれてきたことがよく分かります。私の知らない音源をきっと紹介いただける、という予感と期待ですね。音源の種類ではデジタル→アナログ、ジャンルではソウル→クラシック→ジャズ→クラシックの流れで沢山聴かせていただきました。
メインの音源がアナログに移行しても、昔から好きで聴いてきたジャンルから離れるわけでありません。akahanamizukiさんにとってソウル、ブラック・コンテンポラリーはそんな分野の一つです。私は70年代から80年代にかけてくらいが精一杯ですが、90年代以降もしっかり追われていました。
続いてソプラノ歌手、森麻季の『日本の歌~花は咲く』から「落葉松」です。お子さんの卒業式での合唱に感動されて、この曲への想い入れが高まったと聞きました。akahanamizukiさんらしいですね。
時代を超えて様々なピアノを聴かせていただきました。モーツァルトの幻想曲はハ短調のK.475に行きがちですが、改めてニ短調K.397の物憂げな雰囲気とメロディの美しさに惹かれました。ミケランジェリの名盤はakahamizukiさんがオーディオの方向を変えるきっかけとなった1枚です。実際、CDと比較をしましたが、CDの方が希薄な印象でした。再生方法というより、マスター音源からのデジタル化の過程の問題と思われます。マルセル・メイエ(フランス)、アリシア・デ・ラローチャ(スペイン)は往年の名ピアニストです。私は存じ上げませんでしたが、ネット時代の昨今、音源の入手のハードルは下がっているようです。
akahanamizukiさん一押しの音源が続きます。コンドラシンの交響組曲『シェエラザード』はCD音源を持っていますが、もっと聴き込んでおけばよかったと反省。オケ系は左右の分離がよく広がりも十分と感じました。浅学を露呈しますが、エルナ・ベルガーの存在も初めて知りました。
クラシックは更にご用意があったようですが、時間の経過を鑑み、ジャズへ移行しました。ヴォーカルを中心に聴かせていただきました。サラ・ヴォーンは「Lullaby Of Birdland」が有名ですが、アルバム全体が素晴らしいですね。クリフォードブラウンのトランペット、沁みました。『Sinatra At The Sands』はフランク・シナトラとカウント・ベイシーオーケストラとの共演。私の好きな「Shadow of your smile」他、シナトラのトーク、会場の雰囲気含めて楽しめました。アニタ・オデイはakahanamizukiさんが横浜にお越しの際の、当方の課題曲としておきます(ありがとうございました)。
サウンド交流の締めは、大御所二人とバッハの組み合わせでした。グリュミオーは存在こそ知っていましたが、聴く機会が殆どありませんでした。akahanamizukiさんが「弾き切る」という表現を使われています。とても熱いヴァイオリンソナタでした。
再びミケランジェリ登場です。ブゾーニ編曲の「シャコンヌ」です。ヴァイオリンのイメージが強いので、ピアノで聴く「シャコンヌ」は新鮮でした。48年録音ですから、貴重な盤を入手しましたね。モノラル盤で音質は決していいとは言えませんが、音楽の芯を感じます。
帰りの新幹線から逆算して、近所の居酒屋にて感想戦です。流石は日本海の近くです。ボリューム満載の海の幸に、冷えたビールと日本酒を合わせて談義を続けました。こちらはakahanamizukiさんは常連のようで、お店の方とも親しく話されてました。嘗てはKYLYN(キリン)さんもここで一杯やったそうです。
akahanamizukiさん、終日、ありがとうございました。散歩と音楽と食事とお酒を堪能いたしました。ヴィンテージの先入観は持たないようにして臨みましたが、実際、聴かせていただいた音は極めてオーソドックスという印象です。以前のシステムの音は最早聴くことは叶いませんが、例えばデジタルに限っては案外同じような音だったのでは、と想像しました。一方で、往年の音源を求めて音楽を楽しむ、ここ数年のakahanamizukiさんの取り組みを直に見ることができました。志向や路線は私とは異なりますが、今後も音楽愛好家としてのお付き合い、よろしくお願いします。
感想戦の後は、奥様の運転で上越妙高駅まで送っていただきました。車中、話が盛り上がっていたのは記憶しているのですが、4日間の疲れとお酒の酔いが加わり睡魔が・・・。失礼しました。
上信越、山と音楽紀行、これで区切りです。
akahanamizukiさんは、ここ数年でヴィンテージオーディオに舵を切られました。嘗てはLINN KlimaxDS/K、B&W siganature diamond、そしてアンプはアキュフェーズのセパレートC-3800、A-45という、現代のハイエンド品を使われていました。もう上がりとも思えるようなラインナップですが、それだけで頂上とならないのがオーディオの難しさ、面白さです。どんなオーディオシステムを組むか、これは正解のない旅のようなものです。聴いてきた音楽、今後聴く音楽、交流で知り得た仲間、自身の志向、資金・・・岐路はいろいろありますね。いずれにせよ最後はご本人が決めるものですし、選択は尊重されるべきと思います。
お洒落なリビングルームの裏側を見せていただきました。オーディオ機器とレコード収入スペースになっていました。これは男の部屋ですね。ドイツの香りもします。武骨な機器群をリビングルームに置かない(置けない)のは、どのご家庭でも同じですね(笑)。
akahanamizukiさんのメイン音源はデジタルではなくアナログです。核となるプレイヤーはEMT930stです。カートリッジはTSD-15を使われていました。躯体の頑強さがいかにもドイツといった風情です。訪問先でトーレンスを聴く機会はそれなりにありましたが、EMTは初めてかもしれません。
こちらが、真空管フォノアンプklangfilm 6S Ela 2145. Eladyn-Steuerverstarkerです。元は劇場用のマイクアンプだったそうです。CDプレイヤーの出力も受けられるようにしてあり、プリアンプ的な位置づけです。左右独立のモノラル・アンプです。
フォノアンプから出た左右独立の信号は、そのままパワーアンプZeissIkonDominal-L(左右独立で2台)に受け継がれます。真空管も新品をドイツから取り寄せたそうです。現在でも入手できるのが素晴らしいです。手前の台のアッテネーターで音量を調整します。
最下流はSiemensStudioMonitorです。モニターSPのことはよく分かりませんが、オーストリアのスタジオで使われていたそうです。ユニットはお馴染みTANNOY Monitor Red(15インチ)です。導入当初は音に愕然としたそうですが、朗らかに鳴っていました。
akahanamizukiさんのメイン音源はアナログレコードに移行しましたが、CDはリビング壁面に設置されたB&OのBeosound9000で再生します。LINN KlimaxDS/Kは去りましたが、洗練されたデザインの本プレイヤーは残りました。というわけで、この日はファイル再生無しです。
時間が無くなって今回は聴けなかった電蓄です。次の機会にお願いします。
一緒に音楽聴いたり、うたた寝したり、庭で遊んだり・・・優雅な時間を過ごすハナちゃん。
午前中から夕方にかけての長丁場でしたので、途中、近所のお蕎麦屋さん「にのみや」で昼食をとりました。人気のお店で行列も覚悟とのことでしたが、タイミング良く待たずに入れました。味よしボリュームよしの「天ぷらせいろ」、美味しくいただきました。
全てではありませんが、聴かせていただいた音楽を紹介します。今回の訪問ではヴィンテージ機器も去ることながら、akahanamizukiさんの選曲が楽しみでした。昨年12月にお越しいただいた際に、様々なジャンルの曲をかけましたが、大抵の曲に音でなく音楽にまつわる話が入って時間が押したことを憶えています。これまで様々な音楽を聴かれてきたことがよく分かります。私の知らない音源をきっと紹介いただける、という予感と期待ですね。音源の種類ではデジタル→アナログ、ジャンルではソウル→クラシック→ジャズ→クラシックの流れで沢山聴かせていただきました。
メインの音源がアナログに移行しても、昔から好きで聴いてきたジャンルから離れるわけでありません。akahanamizukiさんにとってソウル、ブラック・コンテンポラリーはそんな分野の一つです。私は70年代から80年代にかけてくらいが精一杯ですが、90年代以降もしっかり追われていました。
続いてソプラノ歌手、森麻季の『日本の歌~花は咲く』から「落葉松」です。お子さんの卒業式での合唱に感動されて、この曲への想い入れが高まったと聞きました。akahanamizukiさんらしいですね。
時代を超えて様々なピアノを聴かせていただきました。モーツァルトの幻想曲はハ短調のK.475に行きがちですが、改めてニ短調K.397の物憂げな雰囲気とメロディの美しさに惹かれました。ミケランジェリの名盤はakahamizukiさんがオーディオの方向を変えるきっかけとなった1枚です。実際、CDと比較をしましたが、CDの方が希薄な印象でした。再生方法というより、マスター音源からのデジタル化の過程の問題と思われます。マルセル・メイエ(フランス)、アリシア・デ・ラローチャ(スペイン)は往年の名ピアニストです。私は存じ上げませんでしたが、ネット時代の昨今、音源の入手のハードルは下がっているようです。
akahanamizukiさん一押しの音源が続きます。コンドラシンの交響組曲『シェエラザード』はCD音源を持っていますが、もっと聴き込んでおけばよかったと反省。オケ系は左右の分離がよく広がりも十分と感じました。浅学を露呈しますが、エルナ・ベルガーの存在も初めて知りました。
クラシックは更にご用意があったようですが、時間の経過を鑑み、ジャズへ移行しました。ヴォーカルを中心に聴かせていただきました。サラ・ヴォーンは「Lullaby Of Birdland」が有名ですが、アルバム全体が素晴らしいですね。クリフォードブラウンのトランペット、沁みました。『Sinatra At The Sands』はフランク・シナトラとカウント・ベイシーオーケストラとの共演。私の好きな「Shadow of your smile」他、シナトラのトーク、会場の雰囲気含めて楽しめました。アニタ・オデイはakahanamizukiさんが横浜にお越しの際の、当方の課題曲としておきます(ありがとうございました)。
サウンド交流の締めは、大御所二人とバッハの組み合わせでした。グリュミオーは存在こそ知っていましたが、聴く機会が殆どありませんでした。akahanamizukiさんが「弾き切る」という表現を使われています。とても熱いヴァイオリンソナタでした。
再びミケランジェリ登場です。ブゾーニ編曲の「シャコンヌ」です。ヴァイオリンのイメージが強いので、ピアノで聴く「シャコンヌ」は新鮮でした。48年録音ですから、貴重な盤を入手しましたね。モノラル盤で音質は決していいとは言えませんが、音楽の芯を感じます。
帰りの新幹線から逆算して、近所の居酒屋にて感想戦です。流石は日本海の近くです。ボリューム満載の海の幸に、冷えたビールと日本酒を合わせて談義を続けました。こちらはakahanamizukiさんは常連のようで、お店の方とも親しく話されてました。嘗てはKYLYN(キリン)さんもここで一杯やったそうです。
akahanamizukiさん、終日、ありがとうございました。散歩と音楽と食事とお酒を堪能いたしました。ヴィンテージの先入観は持たないようにして臨みましたが、実際、聴かせていただいた音は極めてオーソドックスという印象です。以前のシステムの音は最早聴くことは叶いませんが、例えばデジタルに限っては案外同じような音だったのでは、と想像しました。一方で、往年の音源を求めて音楽を楽しむ、ここ数年のakahanamizukiさんの取り組みを直に見ることができました。志向や路線は私とは異なりますが、今後も音楽愛好家としてのお付き合い、よろしくお願いします。
感想戦の後は、奥様の運転で上越妙高駅まで送っていただきました。車中、話が盛り上がっていたのは記憶しているのですが、4日間の疲れとお酒の酔いが加わり睡魔が・・・。失礼しました。
上信越、山と音楽紀行、これで区切りです。