横浜は連日の猛暑で、まるで梅雨が明けたような日々が続いています。6月以降を振り返ってみても、雨が降ったという印象が薄いです。九州の豪雨とは逆の方向ですが、これも異常気象の表れと思われます。さて、そんな梅雨の晴れ間に、趣の異なる二つのピアノ鑑賞に行ってきました。一つはN響の定期演奏会です。大野のデーンちゃんさんが行くはずだったのですが、ご都合が悪くなり、ご厚意でチケットを譲っていただきました。もう一つは地元、町田市成瀬のアートスペース・オーで開かれた児玉麻里さんのリサイタルです。こちらはベルウッドさんのお庭です。今回は家内と足を運びました。
N響の定期演奏会は6月24日でした。午前中は仕事があったため鶴見の職場から渋谷へ移動し、NHKホールを目指しました。渋谷の雑踏、若者の多さは時代を経ても変わりませんね。妙な懐かしさを感じながら、公園通りを上っていきました。実はN響の定期演奏会は今回が初めてです。
デーンちゃんさんのお目当ては勿論、河村尚子さん。定期演奏会へは5年ぶりの登場です。冬の大仕事が終わって、解放感の下で聴く尚子さんのピアノを、さぞ楽しみにされていたことでしょう。少し申し訳ない気もしましたが、代打で行って参りました。この日はオール・フランス・プログラムで、デュティユー、サン・サーンス、ラヴェルの構成でした。河村さんの出番はサン・サーンスのピアノ協奏曲2番です。普段、ピアノ協奏曲はベートーヴェン、モーツァルトを中心に聴いているので、サン・サーンスのピアノ協奏曲の存在は、正直、この演奏会で知りました。5つあるピアノ協奏曲の中でも2番は特に人気があるようです。
3階席でしたので、小柄な尚子さんがさらに小さく見える状況でしたが、デーンちゃんさんに成り代わってしっかり目と耳に焼き付けてきました(笑)。初めて聴く曲でもグイグイ来ますねぇ。ダイナミックな演奏は2月にチューバホーンさんのお宅で聴かせていただいたラフマニノフで予習済です。サン・サーンスのピアノ協奏曲2番は全般にメロディが美しい上に、動と静のコントラストがつきます。体を擲って弾く尚子さんとN響の一体感も素晴らしかったです。尚子さん×フランスの組み合わせは珍しいようで、私のような俄かファンはともかく、本来のファンの方も十分満足したのではないでしょうか。
デーンちゃんさん、貴重な機会をいただきありがとうございました。今度は、少し小さめのホールで、尚子さんの演奏を聴き(見に?)に行きたいと思います。10月にはいくつかチャンスがありそうです。うーん、その頃にはデーンちゃんさんは冬籠りでしたか。
7月2日は児玉麻里さんのベートーヴェン プログラムでした。会場のアートスペース・オーはいわゆる音楽ホールではなく、絵画、陶芸、音楽など多目的の芸術空間です。狭いスペースではありますが、直球勝負の音楽鑑賞を楽しめます。喩えると、演奏家の自宅に招かれて演奏を聴く感じでしょうか(勿論、そんな経験はありませんが)?企画自体は90年代初めに始まっており、都合209回目のコンサートでした。嘗てはアルゲリッチ/クレーメル/マイスキーが揃って出演したこともあります。拙宅から至近距離の成瀬で、このような場があると知ったのは、オフ会等でお世話になっているベルウッドさんのお蔭です。
児玉麻里さんは、妹の桃さんとの連弾(チャイコフスキー)のCDで知りました。麻里さん自身は大阪で生まれた後、6才で渡欧し、以後はフランスを中心に活躍されました。ここに来て日本でも演奏や録音にも取り組まれているようです。今回はベートーヴェン プログラムということもあり、嘗てピアノを弾いていた家内も関心が一致。オーディオへの理解は依然さっぱりですが、音楽まで立ち位置を広げれば、円満も可能というわけです(苦笑)。ベルウッドさんとは特段約束していたわけではありませんが、予想通り会場入りされていました。何と3連戦だそうです。毎度のフットワークに脱帽です。
プログラムは19番、20番、8番「悲愴」そして休憩後に29番「ハンマークラヴィーア」という構成でした。ベートーヴェンのピアノソナタは番号が後の方になると曲に深みが出る印象ですが、弦楽四重奏のような難しさが無いので、私の場合、全集聴くならまずはピアノソナタとなります。前半は会場の音を確認しながら穏やかな演奏で、ウォーミングアップ気味だったでしょうか。休憩後は、一転、渾身の演奏となりました。ピアノ演奏の難しさのことはよくわかりませんが、この曲はかなりの難易度のようですね。そういったことも知らずに、至近距離で麻里さんが放つ生音を浴びていました。
こちらのピアノは、ヤマハグランドG3Aです。リサイタル終了後、主催者側の許可をいただき撮像しました。芯もありますが、どことなく円やかさを持った音でした。実はオーディオ投資より家内向けのピアノ投資を考え始めました(アップライトです)。先般、銀座のヤマハにも足を運んだばかりですが、ベルウッドさんからは表参道のカワイも教えていただきました。ピアノを選ぶプロセスも楽しめそうです。
ベルウッドさんが帰られた後、しばし居残ってサイン会に臨みました。併せてペンタトーンのハイブリッドSACDを購入しました。購入したのは「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集」です。この日、演奏された曲は入っていませんが、家内の好きな17番「テンペスト」が入った盤にしました。
というわけで、本格的な夏を前に、ピアノ三昧の梅雨となりました。真空管使いとしては、夏の本格化=オーディオ一休みの構図ですが、たまには部屋を冷やして、ゆったりとピアノを味合う、そんな夏休みもありかと思っています。
N響の定期演奏会は6月24日でした。午前中は仕事があったため鶴見の職場から渋谷へ移動し、NHKホールを目指しました。渋谷の雑踏、若者の多さは時代を経ても変わりませんね。妙な懐かしさを感じながら、公園通りを上っていきました。実はN響の定期演奏会は今回が初めてです。
デーンちゃんさんのお目当ては勿論、河村尚子さん。定期演奏会へは5年ぶりの登場です。冬の大仕事が終わって、解放感の下で聴く尚子さんのピアノを、さぞ楽しみにされていたことでしょう。少し申し訳ない気もしましたが、代打で行って参りました。この日はオール・フランス・プログラムで、デュティユー、サン・サーンス、ラヴェルの構成でした。河村さんの出番はサン・サーンスのピアノ協奏曲2番です。普段、ピアノ協奏曲はベートーヴェン、モーツァルトを中心に聴いているので、サン・サーンスのピアノ協奏曲の存在は、正直、この演奏会で知りました。5つあるピアノ協奏曲の中でも2番は特に人気があるようです。
3階席でしたので、小柄な尚子さんがさらに小さく見える状況でしたが、デーンちゃんさんに成り代わってしっかり目と耳に焼き付けてきました(笑)。初めて聴く曲でもグイグイ来ますねぇ。ダイナミックな演奏は2月にチューバホーンさんのお宅で聴かせていただいたラフマニノフで予習済です。サン・サーンスのピアノ協奏曲2番は全般にメロディが美しい上に、動と静のコントラストがつきます。体を擲って弾く尚子さんとN響の一体感も素晴らしかったです。尚子さん×フランスの組み合わせは珍しいようで、私のような俄かファンはともかく、本来のファンの方も十分満足したのではないでしょうか。
デーンちゃんさん、貴重な機会をいただきありがとうございました。今度は、少し小さめのホールで、尚子さんの演奏を聴き(見に?)に行きたいと思います。10月にはいくつかチャンスがありそうです。うーん、その頃にはデーンちゃんさんは冬籠りでしたか。
7月2日は児玉麻里さんのベートーヴェン プログラムでした。会場のアートスペース・オーはいわゆる音楽ホールではなく、絵画、陶芸、音楽など多目的の芸術空間です。狭いスペースではありますが、直球勝負の音楽鑑賞を楽しめます。喩えると、演奏家の自宅に招かれて演奏を聴く感じでしょうか(勿論、そんな経験はありませんが)?企画自体は90年代初めに始まっており、都合209回目のコンサートでした。嘗てはアルゲリッチ/クレーメル/マイスキーが揃って出演したこともあります。拙宅から至近距離の成瀬で、このような場があると知ったのは、オフ会等でお世話になっているベルウッドさんのお蔭です。
児玉麻里さんは、妹の桃さんとの連弾(チャイコフスキー)のCDで知りました。麻里さん自身は大阪で生まれた後、6才で渡欧し、以後はフランスを中心に活躍されました。ここに来て日本でも演奏や録音にも取り組まれているようです。今回はベートーヴェン プログラムということもあり、嘗てピアノを弾いていた家内も関心が一致。オーディオへの理解は依然さっぱりですが、音楽まで立ち位置を広げれば、円満も可能というわけです(苦笑)。ベルウッドさんとは特段約束していたわけではありませんが、予想通り会場入りされていました。何と3連戦だそうです。毎度のフットワークに脱帽です。
プログラムは19番、20番、8番「悲愴」そして休憩後に29番「ハンマークラヴィーア」という構成でした。ベートーヴェンのピアノソナタは番号が後の方になると曲に深みが出る印象ですが、弦楽四重奏のような難しさが無いので、私の場合、全集聴くならまずはピアノソナタとなります。前半は会場の音を確認しながら穏やかな演奏で、ウォーミングアップ気味だったでしょうか。休憩後は、一転、渾身の演奏となりました。ピアノ演奏の難しさのことはよくわかりませんが、この曲はかなりの難易度のようですね。そういったことも知らずに、至近距離で麻里さんが放つ生音を浴びていました。
こちらのピアノは、ヤマハグランドG3Aです。リサイタル終了後、主催者側の許可をいただき撮像しました。芯もありますが、どことなく円やかさを持った音でした。実はオーディオ投資より家内向けのピアノ投資を考え始めました(アップライトです)。先般、銀座のヤマハにも足を運んだばかりですが、ベルウッドさんからは表参道のカワイも教えていただきました。ピアノを選ぶプロセスも楽しめそうです。
ベルウッドさんが帰られた後、しばし居残ってサイン会に臨みました。併せてペンタトーンのハイブリッドSACDを購入しました。購入したのは「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集」です。この日、演奏された曲は入っていませんが、家内の好きな17番「テンペスト」が入った盤にしました。
というわけで、本格的な夏を前に、ピアノ三昧の梅雨となりました。真空管使いとしては、夏の本格化=オーディオ一休みの構図ですが、たまには部屋を冷やして、ゆったりとピアノを味合う、そんな夏休みもありかと思っています。