そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

万葉集#16.3804-16.3806

2013年04月04日 |  / 万葉集

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「新婚も単身赴任で仕事して帰り来たれば妻は病に(昔壮士ヲトコ有りけり。新たに婚礼ヨバヒして、幾時イクダもあらぬに、忽ちに駅使ハユマツカヒと為りて、遠き境に遣はさる。公事オホヤケゴト限り有り。会ふ期トキ日無し。ここに娘子、感慟悽愴カナシみて、疾病ヤマヒに沈臥コヤれりき。年累ヘて後、壮士還り来て、覆カヘリコト命マヲし了ヲへて、乃ち詣ユき相視るに、娘子の姿容カホ、疲羸甚異イタクミツレて、言語コトトヒ哽咽ムセびき。時に壮士、哀嘆流涙カナシみて、裁歌口号ウタヨミせる、其の歌一首)」

「かくのみにありけるものを猪名川の奥オキを深めて吾アが思モへりける(#16.3804)」
「このようであったと知らず猪名川の底深くまで愛していたに()」

「ぬば玉の黒髪濡れて沫雪アワユキの降るにや来ますここだ恋ふれば(#16.3805 娘子臥しながら夫セの君の歌を聞きて、枕より頭を挙げて声に和ふる歌一首 今按フニ、此ノ歌、其ノ夫使ハサレテ、既ニ累載ヲ経、還ル時ニ当テ、雪落ル冬ナリキ。斯ニ因テ娘子此ノ沫雪ノ句ヲ作メルカ)」
「黒髪を濡らし淡雪降るなかを来られましたかわれ慕いしに()」



「事しあらば小泊瀬山の石城イシキにも隠コモらば共にな思ひ我が背
(#16.3806 娘子が夫セに贈れる歌一首 右伝云イヒツテけらく、時ムカシ女子ヲミナ有りけり。父母に知らせずて壮士ヲトコに竊シヌひ接アひたりき。壮士その親の呵嘖コロビをかしこみて、稍ヤヤ猶予イザヨフの意ココロ有り。此に因りて娘子斯の歌を裁作ヨみて、其の夫に贈与オクれりといへり)」
「何かありゃ小泊瀬山なる石棺に隠るらば一緒案ずるな君()」
「昔から覚悟決めれば女とは強いもんだな改めて思う(独白)」

コメント
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