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自分自身で勝手に先生にしている俵万智さんが『短歌のレシピ』と言う新書を新潮から出された。冒頭で上手くなるには「たくさん読む」と「たくさん詠む」を続けることだと説いている。短歌擬きを標榜しているわたしはたくさん詠むけれど、散文を三十一文字に押し込めることに心血(?)を注いでおり短歌と呼べるものは少ないのでは。散文になってはいけないし説明してもいけないとは、誰もが言っていることなのでわかってはいるがやめられない。なにかを機会に本格的に歌を詠むという路線に変えていく必要がある。今回のこの本では、たくさん詠むということを、自己流にやっていると悪いクセがつく、「キケン!こんな落とし穴がありますよ」というヒヤリハット集の側面と、「便利!こんなレシピがありますよ」という料理本の側面があると説明されている。このレシピ集を私の方向転換の道具にならないかと考えた。歌会に参加するというのは時期尚早ということでいままで考えてもいなかったが、そろそろオプションとして考えてみようかとも思っている。
回りの友人も完全にリタイヤして各々の道を歩み始めた。わたしも内心穏やかではない。今のところ考慮中ということで短歌とペタンクをターゲットにしてはどうか。「四月とはビジネスマンのお正月歌詠みになるわれの希ノゾミは()」
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「鄙イヤしきと言う意味なるは響き悪し単なる地方そんなとこかな(鄙イヤしき人のよめる歌一首)」
「住吉の小集楽ヲヅメに出でて正目マサメにもおの妻すらを鏡と見つも(#16.3808)」
「住吉の集落出て本当に自分の妻の綺麗とわかる(鏡が清らかで大事なものだったようだ)」
「集落に出て知る妻のその美貌鄙も鄙なり比ぶは猪か(右伝云イヒツテけらく、昔鄙しき人あり 姓名未詳也 。時に郷里サトの男女ヲトコヲミナ、衆集ツドひて野の遊びせりき。是の会集ツドヒの中ウチに、鄙しき人夫婦メヲ有り。其の婦メ容姿カホ端正キラキラシきこと衆諸モロヒトに秀れたり。すなはち彼の鄙人ヲトコの意ココロ、妻メを愛ウツクしむの情ココロ弥イヤ増さりて、斯の歌をよみて美貌キラキラシキを讃嘆ホめたりき)」
「住吉の小集楽ヲヅメに出でたし吾もまた人妻なれどみたきその顔(独白)」