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村上春樹さんが先日新刊を出した。異例の予約まで取り、その予約が何十万部になるといういう怪物ぶりを発揮しているとのこと。発売の夜の12時には、長蛇の列を作らせ手に入れた人はその場で読みだす人もあった。村上春樹はやはり化け物のようだ。廃盤になったレコードを復刻させたり、名古屋の鉄チャンカフェに待ち行列を作らせたりするという波及効果がある。最近は出版不況で、百万部を越える本は少ないらしい。直近では、阿川佐和子さんの『聞く力』という本が百万部を越えたらしく、去年だったか、その前だったか、それが唯一の書籍だったという。『聞く力』はわたしの推薦本なので、私としては嬉しいが、その本しかないということは意外であった。そんな中、春樹の著作は世界的に売れるらしく、あっという間に百万部を越すらしい。今回の本のタイトルは『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』という。新聞の記事などで、わかっている情報を総合すると、彼は名古屋生まれの36才である。鉄道会社に勤める多崎は高校時代友達4人に突然に絶縁された。ありえないその経験に彼は深く傷つく。色彩を持たないというのは色に関する名前がついた友達を失ったことによるのだろうが、なぜ絶縁されたかを知るために、つくるは過去をたどり、絶縁された友達に逢いにいく。その巡礼で青年が鉄道模型のファンであるとか、今は廃盤になっているLPを聞く場面とかがあり、ハルキストはそれらのあとをたどるらしい。
さて、こんな感じの本だが、新刊は買わないで、文庫にもなるだろうから、それまでの間は本の内容を勝手に類推することを気ままにやってみようと思うがどうだろう。(休憩)
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「勝間田カツマタの池は吾ア知る蓮ハチス無ししか言ふ君が鬚なき如し(新田部親王に献れる歌一首 #16.3835)」
「勝間田カツマタの池に蓮ハス無し吾も知るそういう君に髭無いように()」
「勝間田の池美しく妻に言う妻戯れ歌を詠むといいたり(右或る人つたへけらく、新田部親王、堵ミサトに出遊イデマして、勝間田の池を見メして、御心の中に感メでたまひ、彼ソの池より還りまして、忍ひかねて、婦人ヲミナに語りたまはく、今日ゆきて、勝間田池を見しに、水みちたたへて、蓮花ハチス灼テりかがやけり。その怜オモシロさかぎりなし。ここに婦人、此の戯歌タハレウタを作みて、すなはち吟詠ウタひきといへり。)」
「奈良山の児手柏コノテカシハの両面フタオモにかにもかくにも侫人の徒トモ(侫人ナヂケビトを謗ソシれる歌一首 #16.3836 右の歌一首は、博士消奈公行文セナノキミユキフミの大夫マヘツキミがよめる)」
「奈良山の児手柏コノテカシハのいいかげん二股膏薬侫人の奴()」