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「この采女ウネベ陸奥にいた采女ウネベかな前とはいかな意味かわからん(前サキの采女ウネベが詠める歌一首)」
「安積山アサカヤマ影さへ見ゆる山の井の浅き心を吾アが思モはなくに
(#16.3807)」
「安積山アサカヤマ影を映せる湖に底浅くなく思いやるのに()」
「葛城の王とは後の橘諸兄と言える浮気者かな()」
「陸奥の国司に対する扱いがなおざりにして怒りの顔に(右の歌は伝云イヒツテけらく、葛城王、陸奥ミチノクの国に遣はさえし時、国司クニノミコトモチあへしらふこと緩怠オロソカなりければ、王オホキミの意ココロに悦びず、怒色顕面オモホデリまして、飲饌ミアヘを設マけしかども宴楽ウタゲをもしたまはざりき。)」
「不機嫌な諸兄が機嫌治すほど女のしぐさ剽軽だったか(ここに前サキの采女風流ミサヲ娘子有りて、左の手に觴サカヅキを捧げ、右の手に水を持ち、王の膝ミヒザに撃ちて、此の歌を詠みき。)」
「葛城の王の機嫌はなおりたり結局ひがな酒宴をしたり(ここに王の意ココロ解脱ナゴみて、終日ヒネモスに楽飲ウタゲアソびきといへり)」
