8/9
「正月ムツキ立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも(判官マツリゴトヒト久米朝臣廣繩が館の宴の歌一首 #18.4137 同じ月の五日、守大伴宿禰家持がよめる。)」
「正月ムツキきて春の始めにこのように笑っていられりゃずうっとそうなる()」
「荊波ヤブナミの里に宿借り春雨に籠りつつむと妹に告げつや(墾田ハリタの地トコロを検察ミサダむる事に縁りて、礪波の郡の主帳フミヒト多治比部北里タヂヒベノキタサトが家に宿れる時、忽ちに風雨カゼアメ起こり、え辞去カヘらずてよめる歌一首 #18.4138 二月の十八日、守大伴宿禰家持がよめる。)」
「荊波ヤブナミの里で宿借り春雨に足止め食うと妻に告げたか()」
8/9
「西東異形の雨が人を飲む昔は雨も優しかったが()」
「行き場なく弱い場所へと襲い来る意思ない雨も怒り持つ如()」
「降り始め止む頃合いを昔人歌に託していい伝うなり()」
「子は長し丑は一日寅は半卯は一時トキとかねて知るべし(子=夜半、丑=a.m.2、寅=a.m.4、卯=a.m.6)」
「七つ下がりの雨と四十すぎの道楽やまぬ()」
「朝雨は女の腕まくり(大したことはない)」