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「わが妻が都の母に贈るため頼まれ詠める歌と短歌を(家婦メが京ミヤコに在イマす尊母ハハノミコトに贈らむ為に、誂アツラへらえてよめる歌一首、また、短歌)」
「霍公鳥来鳴く五月サツキも雛にありため息混じりに思う空かな(霍公鳥来鳴く五月サツキに咲きにほふ花橘のかぐはしき親の御言ミコト朝宵に聞かぬ日まねく天ざかる夷にし居ればあしひきの山のたをりに立つ雲をよそのみ見つつ嘆くそら安けなくに思ふそら)」
「奈呉の海人の潜って取れる真珠シラタマを見るまで長生き松柏マツカヘのごと(苦しきものを奈呉の海人の潜カヅき取るちふ真珠シラタマの見がほし御面ただ向ひ見む時までは松柏マツカヘの栄えいまさね貴き吾アが君)」
「霍公鳥 来鳴く五月サツキに 咲きにほふ 花橘の かぐはしき 親の御言ミコト 朝宵に 聞かぬ日まねく 天ざかる 夷にし居れば あしひきの 山のたをりに 立つ雲を よそのみ見つつ 嘆くそら 安けなくに 思ふそら 苦しきものを 奈呉の海人の 潜カヅき取るちふ 真珠シラタマの 見がほし御面 ただ向ひ 見む時までは 松柏マツカヘの 栄えいまさね 貴き吾アが君(#19.4169 御面、みおもわト謂フ)」「()」
「白玉の見がほし君を見ず久に夷ヒナにし居れば生けるともなし(反歌一首 #19.4170)」
「白玉を見たいあなたを見ないまま夷ヒナにしいたら生きる気しない()」
8/20
図書館で西村恵信和尚さん書ける随筆見つけたりパラ見をしてはなかなかに面白そうだと拾い読みすれば受戒の言葉あり私の菩提寺生蓮寺5年ほど前受戒会を三日続けて行えり父も昔に受けており父も戒名持っていた寺にとっては一大事われの代ではもうないとわれもひとまず受けようと心を決めて参加する三日の間お経読み天に居ませる仏らと血の繋がりをつけるため真面目に励む三日間臨済宗のあちこちの坊主が来ては導けるさて先ほどの恵信さん唱名師の役果たしたりまずは仏の名を言いて鈴を合図に礼拝すこれを幾度も繰り返し仏にわれらを紹介すえらく単純作業だと恵信和尚の格ならばもっと高度な役回りしてもいいかと思えども冗談謂いつ厳修すさては件の随筆は懺悔をしては唱名のお勤めをしたといわれたりそもそも和尚は外国に留学もして大学の学長なども務めたるエリート坊主であるけれどなんで懺悔かわからない確かに和尚は酒が好き女が好きで尻撫でるそれが礼儀と云い放ち形式だけで動かずに実のあることを優先す実のある人の懺悔とはわれらのような凡人の実のない懺悔と異なれりなんで懺悔をしたのかは読み漏らせるもありがたきかな