8/15
「(鵜潜ウツカふ歌一首、また、短歌)」
「新しい年が変わって春くれば山には花咲き匂うがごとく(あら玉の年ゆきかはり春されば花咲きにほふ)」
「あしひきの山下豊かに滝が落ち辟田サキタの川瀬に鮎が走れる(あしひきの山下響トヨみ落ち激タギち流る辟田サキタの川の瀬に鮎子さ走り)」
「鵜養ウカヒつれ篝カガリ火かざしかわゆけば妻の形見の裾が濡れたり(島つ鳥鵜養ウカヒ伴ない篝カガリさしなづさひ行けば 吾妹子が形見がてらと紅の八入ヤシホに染めておこせたる衣の裾も徹りて濡れぬ()」
「あら玉の 年ゆきかはり 春されば 花咲きにほふ あしひきの 山下響トヨみ 落ち激タギち 流る辟田サキタの 川の瀬に 鮎子さ走り 島つ鳥 鵜養ウカヒ伴なへ 篝カガリさし なづさひ行けば 吾妹子が 形見がてらと 紅の 八入ヤシホに染めて おこせたる 衣の裾も 徹りて濡れぬ(#19.4156)」
「紅の衣にほはし辟田川絶ゆることなく吾等かへり見む(反歌 1/2 #19.4157)」
「紅の衣を濡らし辟田川絶ゆることなく繰り返し見る()」
「毎年トシノハに鮎し走らば辟田川鵜八つ潜カヅけて川瀬尋ねむ(反歌 22/2 #19.4158)」
「年毎に鮎が泳げば辟田川鵜を潜らせて川瀬尋ねよう()」
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「タイトルが少し長くて書ききれぬある物を見てクスッと笑う()」
「ある客は試着室にて三時間入ったきりで出てこやしない()」
「結局はその客徹夜で服合わせ付き合い店員泊るらし()」
「それでも客は出てこずに試着室ごと他の店に行く()」
「結局はお客の姿わからなくどうも人でないようなりし()」
「下り坂引っ張るひもが手を離れ坂道下る中から紙幣(外国製の紙幣がひらりと落ちた)」
「野原にて広げたピクニック用シートさえ花柄模様のワンピースにと()」