2016/03/20
【2.切字の使い方】
「紅梅や華やぐ過去もほぐれけり
(『ほぐれけり』独りよがりになりたるを投げ出すように変えるべきかな)」
「紅梅に華やぐ過去のありにけり()」
「木枯や山を下りて声となる
(『木枯が声になる』こというだけも分かりにくいを推敲すべし)」
「木枯の山を下り来る声となり()」
「震災の戦禍のごとし寒最中
(『震災』が『戦禍』と等しくならざりし寒最中もピシッとせず)」
「大寒や戦禍のごとき震災地()」
「形見分け贋作らしと亀鳴けり
(「投げ出すは『贋作らしき形見分け』似合える季語を頭につけて)」
「亀鳴くや贋作らしき形見分け()」
「菜の花や海辺は遠くなりにけり
(「『や』と『けり』と切れ字二つも使われりただ嘆きなど伝わってこず)」
「菜の花や海辺はいよよ遠くなり()」
「花野過ぎゆくほどにまた花野あり
(『過ぎる』とか『また』は緩んでくどくなる他の言葉で表現をせよ)」
「花野ゆくほどに花野の続きけり()」
「木曽三川今日卒業の日に渡る
(「感動のポイント呆けて不明瞭『渡る』に『けり』で思いを込めよ)」
「木曽三川今日卒業の日に渡る()」
「かはせみの一閃すなはち一魚を獲
(『すなわち』は論理が入り野暮なりし『一刀すなわち両断』はなし)」
「かはせみの一閃一魚を獲たるかな()」
「鈴懸の鈴星となる聖夜かな
(中七が断定しすぎでおかしけれ希望か比喩で表現直せ)」
「鈴懸の鈴星となれクリスマス()」
「鈴懸の実星のよう聖夜かな(私案)」
2016/03/20
枕草子でこんなことを考えた。図書館で、何冊か枕草子を借りてきた。『あなたを変える枕草子~清原妙』、『季語で読む枕草子~西村和子』、『日々の〈をかし〉を描く清少納言の世界~田辺聖子』であるが、谷崎源氏で紫式部の和歌を勉強して、紫式部の才能に圧倒され、昔好きだった枕草子が色褪せたような気がした。紫式部が日記で鼻持ちならない女だとこき下ろすものだから、そうかなと思ったりする。しかし清少納言は言い訳もしないし、どちらかと言えば負け組の中宮定子に仕えていて、定子が望んだので喜ばせるためだけに枕草子をかいた。言い訳や宮廷の政争、美しくないものなどは書かなかったらしい。
『季語で読む枕草子~西村和子』でも、西村氏は、清少納言は和歌が苦手だったと断定的な物言いをしている。本当にそうだったのか、そうでなかったのか、私にはわからないが、叙情たっぷりな短歌よりも漢詩や俳句的なものが似合いそうに思われる。枕草子には花鳥風月、四季の移ろい、宮廷祭祀、行事が〈をかし〉という視点で細かく描写されている。季語の宝庫でもあるし俳句的世界が横たわっているとも言われている。ならばということで枕草子の俳句変換をやってみようと考えた。この俳句変換をして、枕草子の世界と清少納言の理解のための手段にしよう。そこで、枕草子を読んで『俳句の種』のビックアップをしてメモするに当たりどんな項目があるか。Excelデータベースにするときの項目の設計であるが、アトランダムに書いてみたら……
+章段
+テーマ
+投げ出されたモノ達
+なにがどうだ〈句意〉
+その先のもの〈言い得た先〉
+まとめると〈俳句〉
+季語
+分類
+備考
のようになった。さて、この方法で成功するかしないかは後々のお楽しみにしよう。
2016/03/20
「花の名をいく度となく問われます先生老いてスミレ花咲く(鳥海明子)」
「宝塚『スミレノハナノサクコローッ』それから先の歌詞は知らねど
(花言葉:誠実、真実の愛)」
「真東と真西を結ぶ軌道とり昼夜等しく陽は出入りして(『春分の朝寝』)」
「彼岸には墓参りしてぼた餅を食べる習わしわが家にありし()」
「朝寝して白波の夢ひとり旅(金子兜太)」