そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

俳句文法心得帖 18

2016年03月27日 | 俳句

2016/03/27

「完了の助動詞『つ』『ぬ』の違いとは人為・自然の動詞に続く(動詞の連用形に接続)」
「下二段『棄つ』がルーツで活用は『て・て・つ・つる・つれ・てよ』と変化する()」
「ナ行変格『住ぬ』が元『な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね』と変化する()」

「蒲公英の座を焦がしてむ飾焚く(山口青邨/未然形)」
「鴉の子尻なき尻を振りてけり(飯島晴子/連用形)」
「火の奥に牡丹崩るるさまを見つ(加藤秋邨/終止形)」
「木耳に谺深くも来つるかな(山口草堂/連体形)」
「茗荷汁したたかに召し給ひてよ(会津八一/命令形)」

「金魚玉とり落としなば舗道の花(波多野爽波/未然形)」
「永き日のにはとり柵を越えにけり(芝不器男/連用形)」
「十六夜の水にこゑして人過ぎぬ(馬場移公子/終止形)」
「鵯のこぼし去りぬる実の赤き(蕪村/連体形)」
「老いぬればあたため酒も猪口一つ(虚子/已然形)」

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推敲10ポイント 10 ~鷹羽狩行

2016年03月27日 | 俳句

2016/03/27

【10.より高い完成をめざす】

「若鮎の光となりて上りけり()」
「若鮎の勢いもなく『けり』という感動もなし一工夫せよ()」
「若鮎の光の束となりのぼる()」


「大寒や生ける証に病むことも()」
「生きているだから病になりもする下五が尻切れトンボとなれり()」
「大寒や生ける証に人は病み()」


「張つめて朝顔の紺咲きにけり()」
「張りつめる主体は紺か朝顔か紺であるなら前にもてこよ()」
「紺を張つめて朝顔咲きにけり()」


「晩学の吾を励まし亀の鳴く()」
「実際に亀は鳴かずもその気配春の予祝のようなものかな()」
「晩学の吾を励まし鳴く亀か()」


「日向ぼこ忘れ上手になりにけり()」
「日向ぼこする人は自分より目上の人か親であろうか()」
「日向ぼこ忘れ上手になり給ふ()」


「果てしなき空かぶさってゐる枯野()」
「果てしなくそこまで広くはないはずだ雲動かすが正解なる()」
「どこまでも空かぶさってくる枯野()」


「除夜の闇深めて星を近うせり()」
「深めるは下に向かえるニュアンスが違う言葉を探すがよけれ()」
「除夜の闇いよいよ星を近うせり()」


「花よりも白き指して菊人形()」
「『指して』とあるが『している』わけでなし『して』を取りたいはてどうするか()」
「花よりも指オヨビの白き菊人形()」


「灯籠のためらひしあと流れ出す()」
「中七と下五が少し事柄に堕しているとこ『ある』を取りたい()」
「灯籠のためらひゐしが流れ出す()」


 

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花と七十二候(0327)

2016年03月27日 | 日めくり帖

2016/03/27

「甘いやかな香りただよう紫のヒヤシンス置く窓辺あかるし(鳥海明子)」
「棒のさき筒状なして花をつけ芳香を出すヒアシンスなり
 (花言葉:控えめな愛)」

「漢字では『風信子』なる字をあてて花色も多く楽しい花だ()」
「田に水を引き入れるとこ水口といいて祈れる年の豊作(『水口祭』)」
「花咲けば種籾を蒔き苗にする苗代田には水口作る()」



 

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俳句文法心得帖 17

2016年03月27日 | 俳句

2016/03/27

【助動詞『き』『けり』】

「助動詞は付属語なれど活用し主に動詞の意味助けおり()」
「覚えるに意味・活用と接続をセットにするが鉄則なりと()」
「まず始め過去の助動詞き・けりを()」
「『き』『けり』の大雑把なる説明は直間接の違いと言える
(き :直接体験の過去
,けり:間接体験の過去・詠嘆)」「き・けりの活用形に用法のないところあり覚えるべしと
(『 き 』:せ・X・き・し・しか・X
,『けり』:けら・X・けり・ける・けれ・X)」
「接続は『ありき』『ありけり』連用の動詞について活用をする(ただし、カ変・サ変は少し変われり)」
「流氷の沖に古りたる沖ありき(齋藤玄/終止形)」
「濡れて来し少女がにほふ巴里祭(能村登四郎/連体形)」
「桑の実や馬車の通ひ路行きしかば(芝不器男/已然形)」
「にぎやかな妻子の初湯覗きけり(小島健/終止形)」
「麦こがしなつかしなめてむせびける(篠田禎二郎/連体形)」

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推敲10ポイント 9 ~鷹羽狩行

2016年03月27日 | 俳句

2016/03/27

【9.発想の見直し】

「宇宙船落ちて初夢覚めにけり()」
「どんな夢見たかわからず不明瞭船が落ちたかひとがおち()」
「初夢の宇宙船より落ちて覚め()」


「三つめは香をたのしみて蓬餅()」
「よもぎ餅三つ食べたか知れないが二つにするが俳句の技だ()」
「二つめは香りたのしみ蓬餅()」


「色褪せし箱より雛目覚めけり()」
「お雛様目覚めさせるは思い入れ強いを単に出すにとどめよ()」
「色褪せし箱のなかより雛を出す()」


「冬帽子置いて外出の落ち着かず()」
「中七の『置いて外出』不適当『忘れいちにち』するがよきかな()」
「冬帽子忘れいちにち落ち着かず()」


「身のうちに捨つるものなし枯野ゆく()」
「枯野ゆく心理は悩み抱えるが一般的で句意は逆なり()」
「身のうちに捨つるものあり枯野ゆく()」


「神鶏の威を借りてをり羽抜鶏()」
「むしられて羽ないけれど威厳あり句意は逆なり正しく直せ()」
「神鶏の威をそこなはず羽抜鶏()」


「バスを待つ人も花野の花として()」
「『花として』は断定的で強すぎる『なっている』くらいにとどめおくべし()」

「バスを待つ人も花野の花となり()」

「道草の子がまた通る花野みち()」
「同じ子がまた通るよう聞こえもす別の子が行く花野みち()」
「道草の子がまたひとり花野みち()」

「黒潮の沖に日の脚卒業す()」
「『日の脚』が句の格調をそこなえる他の季語にて格調得よ()」
「黒潮の沖に日の束卒業す()」

 

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