そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

俳句文法心得帖 22

2016年03月29日 | 俳句

2016/03/29

【打消しの助動詞『ず』】
「助動詞の『ず』には動詞の未然形接続をして動詞打消す()」
「打消しの助動詞『ず』には活用が二通りあり『ず系』『ざり系』(『ず系』:○・ず・ず・ぬ・ね・○
,『ざり系』:ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ)」
「『ず系』には元は『ぬ系』と『ず系』あり『ぬ系』は衰え『ず系』が残る
(『ぬ系』:〈な〉・〈に〉・○・ぬ・ね・○
,『ず系』:○・ず・ず・○・○・○)」
「『ぬ系』には上代、未然・連用が使われたるものち衰退す
(しのゝめや雲見えなくに蓼の雨 / 蕪村)」

「『ざり系』は補助的にして詠嘆の意を示せるに『ず+あり』が変化
(『ず+けり』より『ざり+けり』が収まりがよい)」

【ずの例句】
「紙子着てゐるとは誰も知らざらむ(加藤秋邨/未然形)」
「てんと虫一兵われの死なざりし(安住敦/連用形)」
「吊るされし新巻の歯の噛みあはず(若井新一/終止形)」

「寒凪やなかなか消えぬ汽車の尻(船山實/連体形)」
「告げざるる愛雪嶺はまた雪かさね(上田五千石/連体形)」
「甚平や一誌持たねば仰がれず(草間時彦/已然形)」
「菩提子をひろふ念珠に足らざれど(片山由美子/已然形)」


 

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俳句文法心得帖 21

2016年03月29日 | 俳句

2016/03/29

【使役・尊敬の助動詞『す』『さす』『しむ』】
「『す』『さす』『しむ』これらはすべて下二段型活用をする助動詞だ()」
「『す』『さす』『しむ』接続するは未然形動詞の型は以下の通りと
(『す』:四段・ラ行変格・ナ行変格動詞の未然形
,『さす』:それ以外
,『しむ』:すべて
)」
【すの例句】
「天瓜粉まへは打たせず逃げまはる(長谷川双魚/未然形)」
「身のうちに山を澄ませて枯野ゆく(福田甲子雄/連用形)」
「うすうすと光らせ給ひお見拭(田中王城/連用形)」
「殻象といふ虫をりて妻泣かす(山口波津女/終止形)」
「雪眼鏡みづいろに嶺益々沈まする(大野林火/連体形)」
【さすの例句】
「深き息かけて凍蝶凍てさせず(三好潤子/未然形)」
「野を焼くに火を付けさせて貰ひけり(松瀬青々/連用形)」
「寝ねさせよ白むまで咳く咳地獄(及川貞/命令形)」
【しむの例句】
「夕映の甘藍蝶を去らしめず(木下夕爾/未然形)」
「父老いしめ母老いしめて田水沸く(高橋悦男/連用形)」
「玉虫を拳ゆるめて光らしむ(渋谷道/終止形)」
「寒木にひとをつれきて凭ヨらしむる(石田波郷/連体形)」
「音楽を降らしめよ夥しき蝶に(藤田湘子/命令形)」



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俳句文法心得帖 20

2016年03月29日 | 俳句

2016/03/29

【受身の助動詞『る』『らる』】
「『る』と『らる』は四つの意味を含みおり受身・自発・可能・尊敬
(受身:サレル
,自発:サレル、シテシマウ
,可能:デキル
,尊敬:ナサル、サレル
)」
「『る』と『らる』は下二段型活用で上に未然の動詞が来たり
(『る』
/活用:れ・れ・る・るる・るれ・れよ
/接続:四段、ラ変、ナ変の未然形
,『らる』
/活用:られ・られ・らる・らるる・らるれ・られよ
/接続:それ以外の未然形
)」
「『る』と『らる』の動詞接続『る』の場合語呂合わせにて『四・ラ・ナ・未』シラナミと読め
(『四段・ラ行変格・ナ行変格・未然形』シラナミ以外は『らる』で活用)」

【『る』の例句】
「近山の桜吹雪に眠られず(森田智子/未然形)」
「花びらの掃かるる音は知られけり(齊藤玄/連用形)」
「藁塚に一つの強き棒挿さる(平畑静塔/終止形)」
「でで虫が桑で吹かるる秋の風(細見綾子/連体形)」
「忘咲ゆびささるれば在りしかな(阿波野青畝/已然形)」
「波郷忌のせかせか参り許されよ(八木林之助/命令形)」
【『らる』の例句】
「逢ひし日のこの古暦捨てられず(稲垣きくの/未然形)」
「春寒や吹き寄せられて遊女墓(増田守/連用形)」
「熔接の地にこぼす火は忘れらる(林田紀音夫/終止形)」
「風花を言葉やさしく告げらるる(村越化石/連体形)」



 

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花と七十二候(0329)

2016年03月29日 | 日めくり帖

2016/03/29

「雪解けの山の斜面を埋めて咲くカタクリの花そよぎ止まざり(鳥海明子)」
「片栗は紅紫ベニムラサキの花弁つくそよぎたつよにふらりと伸びる
 (花言葉:初恋)」

「桜咲くこの時期出まわる桜餅の品書き見ればつい手が出たり(『桜餅の品書き』)」
「氷菓なるガリガリ君に『桜餅』餅・餡ふくみ桜の味す()」
「桜餅の作り方にて西東少し違えり味は知らずも
 (関東風:小麦粉の餅
 ,関西風:餅米で作った道明寺粉の餅)」
「塩漬けの桜の葉つぱ味うつりふくよかな香の餅たまらない()」

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