4/28
「石麻呂イハマロに吾アレ物申す夏痩によしといふものそ鰻ムナギ取り食メせ(痩人ヤセヒトを嗤咲ける歌二首 1/2 #16.3853 反シテ云ク、めせ)」
「石麻呂にわたしは言える夏痩せによいというもの鰻を食えと()」
「痩す痩すも生けらば在らむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな(歌二首 2/2 #16.3854)」
「痩せてても生きてりゃいいさ一方で鰻とるとき川に流るな()」
「家持が痩せた石麻呂からかって鰻もいいが川で滑るなと(右、吉田連老といふひと有り。字をば石麻呂と曰へり。所謂仁教の子なり。其の老、為人身体カタチ甚イタく痩せたり。多く喫飲ノミクラへども、形飢饉ウエヒトのごとし。此に因りて大伴宿禰家持、聊か斯の歌を作みて戯咲アザケリす。)」
4/27
「待ち受けた理由ワケでもないが金色といわれる休みぬるっと始まる()」
「隠コモれるもさほど益あることしなく緑も風も楽しまぬ初夏()」
「馬場さんの『鬼の研究』紐解いてはじめの部分丁寧に読む()」
「晴天に誘われ投げるペタンクの衝突音は天に響けり(ティール練習でたまたま当たるといい音がする)」
「この頃は朝のひととき知的なる作業をしたりテレビも点けず(五時から出勤まで)」
4/27
「生き死にの二つの海を厭はしみ潮干の山を偲ひつるかも(世間ヨノナカの常無きを厭ふ歌三首 1/3 #16.3849)」
「生き死にの二つの海が厭になる潮干れた山をつい思いたる()」
「世の中の醜くい仮庵に住みついて天国へ行く手段わからず(歌三首 2/3 #16.3850)」
「()」
「鯨魚イサナ取り海や死にする山や死にする死ねこそ海は潮干ヒて山は枯れすれ(歌三首 3/3 #16.3852 右の歌三首は、河原寺の仏堂ホトケドノの裡の倭琴ヤマトコトの面オモに在り)」
「鯨取る海は死ぬかな山も死ぬ海は潮干れ山は枯れるよ()」
「心をし無何有ムガウの郷サトに置きてあらば藐姑射ハコヤの山を見まく近けむ(藐姑射ハコヤの山の歌一首3851右の歌一首は、作主ヨミヒト未詳シラズ。)」
「もし心無か有の境地に置いたなら藐姑射ハコヤの山を見たく近づく()」
4/26
「法師らが鬚の剃り杭馬繋ぎいたくな引きそ法師半ナカら欠カむ(戯れに僧ホウシを嗤ける歌一首 #16.3846)」
「法師らが剃り残す髭馬繋ぎいっぱい引くな法師泣くから()」
「壇越ダムヲチや然もな言ひそ里長サトヲサらが課役エチキ徴ハタらば汝ナレも半ら欠む(法師が報ふる歌一首#16.3847 夢イメの裡ウチによめる歌一首)」
「壇越ダムヲチやそんなに言うな村長ムラヲサが税を集めりゃ汝イマシも泣かん()」
「新墾田アラキタの猪鹿田シシタの稲を倉にこめてあなひねひねし吾アが恋ふらくは(#16.3848 右の歌一首は、忌部首黒麿イミベノオビトクロマロが、夢の裡に此の恋の歌を作みて友に贈り、覚めて誦習ウタはしむるに前モトの如しといふ。)」
「開墾の猪鹿田シシタの稲を倉に入れああひなびたよ吾アが恋のよう()」
4/25
「小児ワクゴども草はな刈りそ八穂蓼ヤホタデを穂積の朝臣が腋草を刈れ(或ヒト云ク、平群朝臣が穂積朝臣を嗤咲アザける歌一首 #16.3842)」
「子供らよ草は刈るなよ八穂蓼ヤホタデの穂積の朝臣の腋毛を刈れよ()」
「いづくにそ真朱掘る丘薦畳コモタタミ平群の朝臣が鼻の上を掘れ(穂積朝臣が和ふる歌一首 #16.3843 土師宿禰水通ハニシノスクネミミチが、巨勢朝臣豊人が黒色を嗤咲ける歌一首)」
「どこだろう真朱掘る丘の薦畳コモタタミ平群の朝臣の鼻の上かな()」
「ぬば玉の斐太ヒダの大黒オホクロ見るごとに巨勢の小黒ヲクロし思ほゆるかも(#16.3844)」
「ぬば玉の飛騨の大黒見るたびに巨勢の小黒を思いたるかな()」
「駒造る土師ハシの志婢麻呂シビマロ白くあればうべ欲しからむその
黒色を(巨勢朝臣豊人が答ふる歌一首 #16.3845)」
「駒造る土師の志婢麻呂シビマロ白いので本当に欲しいその黒色を()」
「目くそとか鼻くそどもがやりあえる毛深い赤鼻やれ色黒と(右の歌は、伝云けらく、大舎人土師宿禰水通といふひと有り。字アザナをば志婢麻呂と曰へり。時に大舎人巨勢朝臣豊人、字アザナをば正月麻呂ムツキマロと曰へり、巨勢斐太朝臣名字ハ忘レタリ。島村大夫ノ男ナリ。両人フタリみな貌カホ黒かりき。ここに土師宿禰水通、斯の歌を作みて嗤咲けりぬ。かくて巨勢朝臣豊人これを聞きて、即ち和への歌を作みて酬ムクい咲アザけりきといへり。)」