イタリア語で「1:0」を意味する「ウノゼロ」で連勝中の札幌は,首位を走るチームが持つ自信と余裕を感じさせる試合運びで,連勝を6に伸ばした。退場者を出して一人少ない展開になった後,だめ押しとなるジュリーニョのロングシュートが決まった瞬間,こんな状況って,ひょっとするとエメルソンを擁してJ2リーグをぶっちぎった2000年以来かもしれないと感じた。
その時との決定的な相違は,そのシーズンの得点王となっ . . . 本文を読む
試合が始まってしばらくは「これこそが本来J1で戦うべきチーム」なのだろうと,半ば呆気にとられながら,ひたすらセレッソのパス廻しを見せつけられる展開だった。選手間の距離が近く,コンパクトな陣形を保ちながらスピーディーにピッチ上を動き回られる中,札幌はまるでカテゴリーがひとつ上のチームと無理矢理対戦させられたユースチームのように,常に一歩遅れてボールを追いかけるという状態だった。
しかしサッカーにおけ . . . 本文を読む
札幌にとっては,まさにサッカーに負けて勝負に勝った試合だった。
遠路はるばるきびだんごの里から来て,寒風吹きすさぶ中を地下鉄までとぼとぼと歩いて帰ったであろう岡山サポーターの皆さんには,心からの感謝とお詫びを申し上げたい。サッカーの質では遥かに凌駕していた岡山が手にするべきだった勝ち点を掴み損ねた悔しさは,察するに余りある。
ただあのサッカーをシーズンの最終盤まで続けていければ,岡山が今年のJ2 . . . 本文を読む
降格組の清水を破って白星を先行させた札幌が,ホームに京都を迎えた一戦。昨年,西京極で観戦したアウェー戦は,日中40度を越える酷暑の中で行われた過酷な試合だったが,案の定守備が相手の縦への圧力に屈した完敗と言える内容だった。しかしメンバーが変わり,気温が下がり,ピッチがホームに替わった今日の試合は,完全に立場が逆転した。ポジションに拘らずにピッチを縦横に駆け巡ったコンサドーレの選手たちは,京都のユニ . . . 本文を読む
前節,下位に沈んでいた水戸に苦杯を喫し,昇格プレーオフへの参入資格を喪失してしまったことで,完全な消化試合となった最終節。しかし冬ごもりに入る直前の札幌ドームには,寒さをおして2万人を超えるサポーターが詰めかけた。
そんなサポーターに札幌は勝利をプレゼントすることは出来た。この日の敗戦で最下位となり,来年はJ3に降格することが決まった栃木相手とは言え,小野の目の醒めるようなパスから堀米が左足で決め . . . 本文を読む
リーグ戦も今日の試合を入れて残り3試合。前節での信じられないような逆転勝ちの余韻を保ったまま全勝できれば,長崎と愛媛が連敗することが条件とは言え,辛うじて参入戦への参加資格が得られる6位への滑り込みの可能性を残している札幌は,同じく昇格の可能性を残した徳島との一戦に臨んだ。
スターティングメンバーで目を引いたのが右サイドバックに入った3年目の永坂。本来であれば,FWのマーク,カバーリング,キック . . . 本文を読む
これまでに本州に旅行する度に,何度かJリーグの試合を観てきた。横浜国際,神戸,万博等々。試合を観戦することは勿論,競技場周辺の屋台やホームを応援するサポーターの雰囲気を肌で感じて,チームごとの違いを楽しむことが出来るというのは,Jリーグが四半世紀を賭けて全国各地に根付いたことの何よりの証左だろう。なでしこのキャプテンだった宮間あやが,W杯以後様々な場面で「女子サッカーを文化に」と口にしてきたのは, . . . 本文を読む
宮澤の先制点は素晴らしいものだった。右サイドからの折り返しを受けて,落ち着いてマークを剥がしてからゴール左隅に向けて放たれたミドル・シュートの軌跡は,(宮澤が打ったシュートとしては)これまでに見たこともないくらい鮮やかなものだった。
この1点で勝ちきれれば「絵に描いたようなホームゲーム」というところだったが,順位は10位とは言え勝ち点差はこの試合が始まる前までたったの「4」しかない,いわばPO圏内 . . . 本文を読む
どっちに転んでもおかしくない試合だった。
ボールは札幌が保持し,CKの数も10対2と圧倒しているようには見えたが,押されている展開からボールを奪い,手数をかけずに素速いパスを2本,3本と繋いであっと言う間に札幌のゴール前に迫る水戸の攻撃の方が遥かに圧力は高かった。
それでも唯一の得点を挙げたのは福森のキックの精度と,徐々にコンディションを戻しつつあるように見える都倉の決定力のおかげ。綱渡りのよう . . . 本文を読む
たとえテクニックがなくとも,大向こうを唸らせるようなアイデアが出て来なくとも,がむしゃらにボールを前に運ぶんだという気力や,局面でのボールの奪い合いには絶対に負けない,という気迫が感じられるような場面を生み出してくれたなら,ここまで帰りの足が重くなることはなかったはずだ。骨折り損のくたびれ儲けとは,今日の札幌ドームに来た観客のためにある諺だったのかもしれない。
前節の試合が行われた水曜日から中3 . . . 本文を読む