Music Mania

No Music No Life

佐村河内守と交響曲第1番

2014年02月15日 | 音楽
最近、音楽家の佐村河内守氏の楽曲はゴーストライターが手がけていたことが発覚し話題になっている。
僕は彼の音楽を聴いたことがなかったので、ユーチューブで探して聴いてみた。

「交響曲第1番」より第3楽章1
「交響曲第1番」より第3楽章2
「交響曲第1番」より第3楽章3

イメージ映像として原爆ドームが使われていることから、広島の原爆についての曲なのだろう。
高まる緊張感と雷鳴のような激しさ、その後の静寂、なかなか素敵だと思う。
ちょっと気になったこと。
交響曲は基本的に長いのでユーチューブ動画が3分割されているのだが、1の再生回数が30万回を超えているのに対し、2は9万回、3にいたっては1万4千回しか再生されていない。
おそらく「話題の佐村河内守ってどんな音楽をやってるのだろう?」と興味をもった人がとりあえず①を再生し、たぶんそれすら最後まで聴くことなく「ああ、こんな感じか」と納得したのだろう。
たしかに全部聴くのはかなり長いので仕方ないが、ここをお読みの方はとりあえず2だけでも聴いてもらいたい。
もっとも激しくドラマチックで、イエスやELPあたりが好きなら気に入ると思う。



今回のゴーストライター騒動で、マスコミはここぞとばかり叩きまくっている。
作品よりも、そこ至る過程や付加価値を重視するせいで、名曲が一夜にして駄曲、捨て曲になった。
曲そのものではなく、「耳が聴こえないのに絶対音感だけで作曲するなんてスゴイ」という点ばかりを持ち上げてきたからだ。

もしこれがトニー・アイオミだったらどうだろう?
彼はギターの弦を押さえるほうの指の先端が2本失われている。
それが突如、「実は指がないっていうのはウソでした、ゴメンナサイ」といった場合、ブラック・サバスの栄光はなくなってしまうのだろうか?
そんなことはない。
彼が生み出した数々の名リフ、名演は「指の障害を克服した」という付加価値に頼らないものだからだ。

佐村河内守氏のゴーストライターだと言われる新垣隆氏は、この件の責任をとるため、勤めていた大学を退職する意向を示した。
しかし学生たちの強い反対により、退職は白紙なったらしい。
また、連日マスコミが佐村河内守バッシングを繰り返したため、かえってCDの売り上げが伸びているという。
世間はマスコミの思惑通りに進まないこともあるのだった。
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