村上春樹の新作「騎士団長殺し」を読んだ。
良くも悪くも村上ワールド全開の作品だった。
なので、「これこれ、やっぱハルキはこうでなきゃ!」という人がいる一方、「またこのパターン?もうウンザリなんだけど」という人もいると思う。
僕としては、村上春樹の不思議系小説のなかでは理解出来たほうで、なかなか良かった。
珍しく登場人物に感情移入出来たし、キザっぽさ、インテリっぽさもそれほど鼻に付くことはなかった。

この物語で重要なキーワードとなるのが「イデア」というものだ。
僕もよく意味がわからなかったので調べてはみたものの、余計に混乱しそうなので、ここは「観念」ということにする。
例えば、人が差別により殺害される、殺害したのはその人ではなく、その人の中にある「こいつは敵だから、劣等民族だから、虫ケラ扱いでよい」というイデア(観念)、というように。
以下ネタバレあり。
大まかにいって、3つの軸が複雑に絡みながら進行する。
まずは、画家の雨田が若い頃に体験した数々の不幸。
その不幸の根本的な原因であるイデアをモチーフにした絵を描く。
悪のイデアは抹殺しなければいけない。
次に主人公「わたし」はある日突然妻から別れを告げられる。
やはり「わたし」にも悪のイデアがあり、それを抹殺し生まれ変わることにより、妻を引き止める
3つ目は完璧人間の「免色」。
結婚を好まない免色は、以前付き合っていた元カノが忘れられない。
元カノは別の男と結婚し、娘を生んだあと事故で亡くなる。
免色は残された娘に元カノの姿を投影して、毎晩覗き見ている。
今回の作品は、村上春樹作品のなかではわかりやすい方だと思う。
小説全体の空気感が心地よく、ちょっぴり不思議な村上ワールドに引き込まれる。
登場人物のなかでは、やはり免色さんが面白い。
毎日規則正しい生活、というより定規で測ったみたいに正確な暮らしをしていて、大量の本を読み、筋トレに励み、ホコリひとつない邸宅、シワひとつないシャツ、ショールームから運んできたみたいに磨き上げられたクルマ。
自分で完璧に料理も作り、洗濯もし、掃除もする。
そして毎晩、中学生になったばかりの少女を双眼鏡で覗き見る。
もう完全にヘンタイだね。
村上春樹を読んだことのない人にもオススメ。
良くも悪くも村上ワールド全開の作品だった。
なので、「これこれ、やっぱハルキはこうでなきゃ!」という人がいる一方、「またこのパターン?もうウンザリなんだけど」という人もいると思う。
僕としては、村上春樹の不思議系小説のなかでは理解出来たほうで、なかなか良かった。
珍しく登場人物に感情移入出来たし、キザっぽさ、インテリっぽさもそれほど鼻に付くことはなかった。

この物語で重要なキーワードとなるのが「イデア」というものだ。
僕もよく意味がわからなかったので調べてはみたものの、余計に混乱しそうなので、ここは「観念」ということにする。
例えば、人が差別により殺害される、殺害したのはその人ではなく、その人の中にある「こいつは敵だから、劣等民族だから、虫ケラ扱いでよい」というイデア(観念)、というように。
以下ネタバレあり。
大まかにいって、3つの軸が複雑に絡みながら進行する。
まずは、画家の雨田が若い頃に体験した数々の不幸。
その不幸の根本的な原因であるイデアをモチーフにした絵を描く。
悪のイデアは抹殺しなければいけない。
次に主人公「わたし」はある日突然妻から別れを告げられる。
やはり「わたし」にも悪のイデアがあり、それを抹殺し生まれ変わることにより、妻を引き止める
3つ目は完璧人間の「免色」。
結婚を好まない免色は、以前付き合っていた元カノが忘れられない。
元カノは別の男と結婚し、娘を生んだあと事故で亡くなる。
免色は残された娘に元カノの姿を投影して、毎晩覗き見ている。
今回の作品は、村上春樹作品のなかではわかりやすい方だと思う。
小説全体の空気感が心地よく、ちょっぴり不思議な村上ワールドに引き込まれる。
登場人物のなかでは、やはり免色さんが面白い。
毎日規則正しい生活、というより定規で測ったみたいに正確な暮らしをしていて、大量の本を読み、筋トレに励み、ホコリひとつない邸宅、シワひとつないシャツ、ショールームから運んできたみたいに磨き上げられたクルマ。
自分で完璧に料理も作り、洗濯もし、掃除もする。
そして毎晩、中学生になったばかりの少女を双眼鏡で覗き見る。
もう完全にヘンタイだね。
村上春樹を読んだことのない人にもオススメ。