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No Music No Life

駄作名盤その2

2020年03月22日 | 音楽
イエスの駄作名盤というと、僕は「ドラマ」をあげたい。
イエスの顔ともいうべきボーカル、ジョン・アンダーソンが不在で、カリスマキーボーディストのリック・ウェイクマンもいない。
かわりに入ってるのは、パッと出のヒットコンビであるバグルスのトレバー・ホーンとジェフリー・ダウンズである。
ブリティッシュプログレを代表するバンドのメインとなるメンバーにしては、あまりにも軽すぎる人選だ。
おかげでこのアルバムは酷評されたらしい。
とくにこのアルバムのツアーは散々なもので、ステージにモノが飛んでくる始末、結局解散を余儀なくされる。
このアルバムが再評価されるのは、80年代になりエイジアが世界的な大ヒット記録してからだ。
エイジアからプログレの世界に入ったという人は案外多い。
僕もその口だけど、この世代はジェフリー・ダウンズのキーボードに抵抗がない。
エイジア以前、第ゼロ期エイジアともいえる「ドラマ」は優れたロックアルバムとしてすぐに受け入れることが出来たのだ。
イエスの伝統と後のエイジアに通じるセンスが上手くミックスされていて、とてもいい作品だと思う。
これは、メンバー自身もそう感じていて、再びジェフリーがイエスに加入したとき、「ドラマ」からの楽曲がセトリ入りし、ついにはドラマ再現ツアーまで行われている。

ブラック・サバスの駄作名盤というと、これはみのミュージックも言ってるけど『テクニカル・エクスタシー」だろう。
初期4枚は不動の名盤確定で問題ないし、5枚目、6枚目もなかなかの好アルバムとしてファンも多い。
8枚目「ネバー・セイ・ダイ」は一般的には駄作とされる。
そして、その間に位置する「テクニカル・エクスタシー」は、「ネバー〜」に繋がる危うさと、それまでの良質なアルバム作りの狭間にあり、すごく微妙に駄作の臭いがするけれどいい曲が詰まってるアルバムとなっている。
この時期、バンド内はオジーが薬物やアルコールでボロボロになっていて、活動が続けられるかどうかもあやしかったという。
そういう不安定さが、アルバムの随所に見られる。
ただ、今の目でこのアルバムを聴いてみると、楽曲の良さが際立っていると思う。
ビル・ワードが歌う「イッツ・オーライ」なんて、サバスらしさは皆無だけど名曲だと思う。
オカルトチックな「シーズ・ゴーン」やリユニオン以降もライブで演奏された「きたない女」あたりはサバスらしさやオジーの味が出ている。
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