11月1日放送のディスカバービートルズは、アルバム「マジカル・ミステリー・ツアー」からA面だった。
僕は知らなかったのだけど、当初イギリスでは2枚組EPとして発売されたという。
実は僕はEP盤というレコードは聴いたことがない。
子供の頃、家にはLPレコードとシングルレコードはあった。
しかし、EPレコードはなかったのである。
大きさはシングルと同じで、回転数もシングルと同じ45回転だけど、曲が片面2曲くらい入ってたらしい。
ということで、マジカルミステリーツアーの2枚組EPには、アルバム前半の6曲が入ってたという。
これがアメリカでは、普通のLP盤で、B面には同時期のアルバム未収録曲が収められている。
それが後のLP版マジカルとなり、現在もCDアルバムとして流通している内容だ。
マジカルミステリーツアーのテレビ映画版は見たことがない。
僕はミュージシャンとして以外のビートルズってあまり関心がないので、ビートルズ映画もあまり見てないんだけど、その中でもマジカルミステリーツアーは駄作だと言われてる。
この映画には脚本がなく、行き当たりばったりで作られたらしい。
当時、ロック音楽の世界では、インプロビゼーションを取り入れることが実験的に行われていて、クリームなどが成果を出していた。
おそらく、それを映画の世界でもやってみようとして、脚本なし、何が起こるか誰もわからない、という映画を企画したんだと思う。
結果的には何も起こらず、マジカルでもミステリーでもない、ただの退屈な映像になっただけと言われる。
ただし、映画に使われたビートルズの音楽は期待を裏切らず素晴らしいもので、当時からとても評価が高い。
やはりビートルズは音楽だけをやった方がいいのだ。
今回番組で紹介されたA面の6曲は、どれも素晴らしいものである。
メンバー全員がゾーンに入っていて、サイケなビートルズの完成形となっている。
お手軽ソングみたいな「フライング」も味があってとてもいいし、ジョージの「ブルー・ジェイ・ウェイ」も独自の世界観がある。
そして、最もゾーンに深く入ってるのはポールだろう。
とくに「ユア・マザー・シュッド・ノウ」はまさに隠れた名曲だ。
ジョンの「アイ・アム・ザ・ウォルラス」は、ポールとは全然違うやり方で、しっかり名曲を残しているのは面白い。