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ディスカバービートルズ その24

2020年11月28日 | ビートルズ


11月22日放送のディスカバービートルズは、前回からの続きで「ザ・ビートルズ」からB面である。
華やかでインパクトの強いA面と違い、実に地味な内容となっている。
レコードの片面単位で見た場合、ビートルズのアルバムでもっとも地味なのがこのホワイトアルバムB面だ。
かといって、内容が悪いわけではなく、隠れた名曲が多い。

その中の1曲「Why Don't We Do It In The Road?」に注目してみよう。

ものすごくシンプルな曲で、コード進行は普通に12小節のブルース進行でヒネリはない。
歌詞にいたっては、題名を繰り返す以外は「No one will be watching us」だけという、シンプルすぎるものとなっている。
「道路の真ん中でやろうじゃないか、誰も見てはいやしない、道路の真ん中でやろうぜ」と歌う。
1番も2番も3番も同じ歌詞で間奏はない。
この歌詞は、ポールが道路の真ん中で猿が後尾してるのを見て思いついたという。
人間だって道路の真ん中でやってもいいじゃないか、ともとれるが、ポールとしてはもっと人間は自由になっていいんじゃないかというメッセージらしい。
このシンプルな曲を最大限にカッコよくするため、いろいろ工夫されている。
とくに素晴らしいのはポールのソウルフルで表情豊かなボーカルである。
この歌の表現力だけで退屈にならないよう3番までもたせている。
ベースラインは、1番ではシンプルにルート音を8分で弾いてるだけだが、2番になるとコードの切り替わり時につなぎ音が入り、3番ではポールらしい動きのあるラインになっている。
この曲をジョンはとても気に入ったそうで、ぜひ俺に歌わせてくれといってたという。
それなのに、ポールはリンゴと二人でこの曲をレコーディングしてしまい、ジョンは怒ってたらしい。
その後のインタビューでも、俺が歌ってたらもっと素晴らしい曲になってたはずだと言うと同時に、ポールの最高傑作の一つだと絶賛している。
もしこの曲をジョンが歌ってたら、ポール版とは全く違ったものになっただろう。
僕の想像では、ヤーブルースとコールドターキーが合わさったみたいな、狂気を感じさせるような雰囲気かな、と思う。

Why Don't We Do It In The Road? (2018 Mix)
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