Music Mania

No Music No Life

「練習しなさすぎバンドマン問題について」について

2016年02月13日 | 音楽
最近SNSなどで拡散されているブログ記事がある。
僕の友人関係はロック好きの人がほとんどなので、それぞれ思うこともあっただろう。

「クラシック音楽家からみたバンドマンの練習しなさすぎ問題について」

詳しくはリンク先をご覧になってもらうとして、簡単に内容を紹介しよう。

クラシック奏者にとって、バンドマンはあまりにも楽器の演奏スキルが低い。
幼少の頃から楽器に取り組み、それこそ何十年単位の時間と、何百万円というお金を投資して、毎日毎日練習を積み重ね、ようやく人前に出れるほどの技術を身につけられるというのが、クラシック系楽器奏者。
それを耐え忍んでずっと続けてこれた一部の人間にのみ、ステージに上がることが許される。
音楽のプロになろうと考えているバンドマンが、それに見合うだけの技術力を持っているか、それだけの訓練を毎日しているか?
同じ音楽のプロである、クラシック系楽器の演奏者からすれば、バンドマンが音楽に注いでいる時間や情熱は全然少なすぎる。

はい、皆さん、ムカつきますよね?
なんだこの野郎、おまえロックを全然知らないんだろう?みたいな。
で、この記事のコメント欄は、炎上とまではいかないけど、けっこうな数の批判がこぼれんばかりに溢れている。
コメント欄だけでなく、拡散された各種SNSでも、僕の見る限りほとんど批判的な意見だ。
何を隠そう、僕も友人の拡散した同リンクに対してコメントしてる。
「たしかにクラシック音楽家から見れば、アマチュアロックバンドの練習量は『たったそれだけ?』と言われても仕方ないでしょうね。
でも、100点満点完璧じゃない、ちょっとしたヘタウマな部分にこそロックがあるような気もします。
といっても、僕の場合はそれ以前の段階ですが(爆)」と。

まず、当該ブログで書いているロックバンドというのは、これからプロを目指そうとするバンドのことだ。
なので、「ビートルズを否定するのか」とか「ジミー・ペイジの偉大さがわからんのか」みたいな批判は違うと思う。
この筆者は、おそらくビートルズもツェッペリンもよく知っていて、その凄さもわかってると思う。
そして、彼らは演奏力を補って余りある天才的才能の持ち主であることも。

じゃあ、このブログの筆者の言うことは正しいのか、というとそれもちょっと違う。

クラシック音楽とロックバンドは、まず土俵が違う。
基本的に再現音楽であるクラシックは、なんといっても技術力がなければなんともならないと思う。
それこそ幼い頃から特訓を重ねて、長い年月をかけてようやく身につくものだろう。
しかし、ロック、フォークなどのポピュラー音楽は創造音楽なので、楽器の練習ばかり何時間も何年も続けていてもダメだと思う。
技術については、自分たちの表現したい音楽が出来る分だけの演奏力があればいいと思う。
ビートルズを演奏するのに、ドリームシアターのような技術力は必要ないだろう。
それよりも、自分の感性を磨くことの方が重要ではないだろうか。
いろいろな音楽を聴き、映画、演劇、文学からもインスピレーションを受け、恋愛、夢、人間関係、あるいは人生そのものから題材を探し、試行錯誤を繰り返した方がいい気がする。

この「クラシック音楽家からみた〜」のコメント欄を見てると、みんなロックが好きなんだなって思う。
僕はプロを目指してないので、この議論に出てくるバンドマンには当てはまらないけど、夢を追う人は是非頑張ってもらいたい。
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電車

2016年02月07日 | 日常
先日、電車に乗ってたときのことだ。
日曜日の昼下がり、何の前触れもなくその男はやってきた。

四日市から乗ってきたアンガールズの田中似の男、やや慌ただしく対面シートの僕の向かい側にすわった。
田中似の男は背負っていたリュックをおろし、おもむろにカメラを取り出したかと思うと窓からの風景を動画撮影し始めた。
そのままの姿勢で彫刻のように微動だにせず、ひたすら車窓の景色を撮り続ける。

駅をいくつか通り過ぎた頃、男は撮影を終了し、手帳に何やらメモを書き出した。
その後も男は、すれ違う電車を鋭い目つきで追ってみたり、駅に停車している電車を撮影したり、突然思い出したようにメモ書きしたり、
あるいは撮った動画をチェックして、ときどきメモと見比べたりして、終始忙しそうだった。
明らかにその男は、移動手段として電車に乗っているのではなく、電車に乗ることそのものが目的だと思われる。

僕は電車に揺られながら文庫本を読んでいたんだけど、その男がずっとセカセカと忙しそうにしてるので、気が散って仕方がない。
でも見てるとなんだか楽しくなってきた。
彼は彼で一生懸命であり、趣味の世界に没頭しているのだ。

もしかすると男は撮った動画をYouTubeで公開するかもしれない。
そして、そのYouTubeをSNSなどで紹介し、「これはいいですね」とか「この車両、僕も大好きなんですよ」といった同志のコメントをもらうのかもしれない。

いわゆる鉄ヲタとか、テッチャンとか言われる人だと思うけど、それはかなりディープな世界らしい。
僕は鉄道ファンじゃないけど、気持ちはなんとなくわかる。
一部のマニアが駅のルールを守らなかったり、マナーが悪いといわれるけど、たぶんそういう人はほんの一部なんだろう。

田中似の男はしばらく分厚い時刻表とメモ帳を見比べたあと、スックと立ちあがり扉に向かった。
電車は桑名駅に止まり、男は早足で出て行った。
僕は文庫本を閉じ、しばらく車窓を眺めたい気分になった。


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セッション「甲斐バンドVSレベッカ究極の対決」

2016年02月06日 | ギター
1月終わりの日曜日、名古屋は南蛮家というところでセッションに参加してきた。
久しぶりのセッションは「甲斐バンドVSレベッカ究極の対決」というイベントで、甲斐バンドとレベッカそれぞれ9曲づつ演奏する
という、まさにキュウキョクの対決なのだ。
といっても、バトルするとかそんなんじゃないんだけどね。

なぜ甲斐バンドとレベッカなのか?
普通甲斐バンドだったら、相手はツイストとかゴダイゴかな、という気がするし、レベッカならBOOWYかパーソンズ、
リンドバーグあたりじゃないのかな、という気はする。
たぶん、主催者の好みなんだろう。
でも、実はこの組み合わせは正解だったと思う。
微妙にファン層がかぶるようでかぶらないので、両方のファンが集まり、結果的に参加者がすごく多かったのだ。

演奏曲は以下の通り(赤文字は参加曲)

Raspberry Dream
MOON
Love is Cash
翼あるもの
漂流者(アウトロー)
きんぽうげ
Cheap Hippes
Lonely Butterfly
Wearham Boat Club
氷のくちびる
ポップコーンをほおばって
裏切りの街角
Monotone Boy
Virginity
観覧車82
安奈
Friends
HERO(ヒーローになるときそれは今)

僕はレベッカ2曲と甲斐バンド1曲に参加。
レベッカの2曲はあえてバンドでやってない曲をチョイス。
でも「Love is Cash」はずっと前にやったことはある。
「ポップコーンをほおばって」も何度か演奏したことがある。
なので、完全に新規で覚えたのは「Monotone Boy」だけ。

皆さん、本当に楽しそうだった。
もちろん、僕も楽しかった。
雰囲気もよくてわりとリラックスして演奏出来たと思う。
いろいろミスったりもしたけど、まあいいでしょう。
やっぱりセッションっていいね。




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