Music Mania

No Music No Life

ナオミとカナコ

2017年04月15日 | 読書
奥田英朗「ナオミとカナコ」を読んだ。
実は昨年、先にテレビドラマでこれの実写版を見てあった。
なので、最初からストーリーも結末もわかってたんだけど、奥田英朗ファンなので原作を読まねばならないのだ。



DV夫に苦しむ主婦とその親友による夫殺しの話。
奥田作品でこういった人殺しをテーマに扱うものは珍しい。
たいていは地方の普通の人による、日常でありがちなことをテーマにするのを得意とする人だけど。

ただし、山村美紗サスペンスみたいな薄っぺらい推理物にはなっておらず、いろいろ凝っていて面白い。
奥田英朗にしては、ちょっと無理のある設定もあるけど、でも一般の普通の人がいくら念入りに完全犯罪の計画を練っても、あちこちにスキが出てしまうところはリアリティーがあるように思う。

前半はナオミ編で、カナコの夫を殺害するまでの話。
後半はカナコ編で、計画がポロポロと崩れていく様が描かれる。
ほとんどの読者は殺人犯であるナオミとカナコを応援するだろう。
そして2人を追い詰める被害者の妹さんが憎く感じてしまう。
これは「沈黙の街で」や「オリンピックの身代金」でも感じた奥田マジックで、本来は悪である加害者に感情移入するようになっているのだ。

後半はハラハラドキドキの連続で、一気読み必至の作品だ。
オススメです。
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「南京事件」を調査せよ

2017年04月09日 | 読書
昨日紹介した「騎士団長殺し」だけど、保守陣営からバッシングされている。
なぜなら、日中戦争の南京事件についてちょっとだけ書いてるから。

この謎多き南京事件だけど、昨年の夏に調査報道の第一人者である清水潔記者が調査結果を出版している。
それが今日ご紹介する「『南京事件』を調査せよ」だ。



清水潔記者といえば、桶川ストーカー殺人事件や北関東連続幼女誘拐殺人事件の真相にせまり、警察や検察のずさんさを追求し、真実を解明してきた人物だ。
徹底した現場調査、裏取り、証拠集めにより揺るぎない真実を追う様は、読み物として痛快である。
そんな清水潔記者が挑む、最難度の事件といえる。

現在、日本政府としては、非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定出来ないとしている。
ただし、具体的な人数については正しい数を認定することは困難だと考えている。

この本では、正確に何人の人が殺されたとの断定はしていない。
ただし、徹底した取材の結果、1万5千人から2万人くらいの虐殺は行われた思われる。
戦闘での死者ではなく、捕虜をはじめ、一般人や女、子供、老人も含まれてたという。

虐殺がなかったなんてのはありえなく、そして中国が主張する30万人という数も信憑性がないと思われる。

そして、虐殺が行われたのは南京だけでなく、あちこちで規模の大小はあれ、行われていたようだ。

旧日本軍は終戦のとき、あらゆる資料を焼却したという。
連合軍側に見つかればマズイ資料か大量にあったのだろう。
今現在、わかる範囲というのは限られている。
それでも、ここまで徹底的に調査していく姿勢は凄まじい。
右や左に関わらず、日本人として読んでおきたい本だと思う。
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騎士団長殺し

2017年04月08日 | 読書
村上春樹の新作「騎士団長殺し」を読んだ。
良くも悪くも村上ワールド全開の作品だった。
なので、「これこれ、やっぱハルキはこうでなきゃ!」という人がいる一方、「またこのパターン?もうウンザリなんだけど」という人もいると思う。
僕としては、村上春樹の不思議系小説のなかでは理解出来たほうで、なかなか良かった。
珍しく登場人物に感情移入出来たし、キザっぽさ、インテリっぽさもそれほど鼻に付くことはなかった。



この物語で重要なキーワードとなるのが「イデア」というものだ。
僕もよく意味がわからなかったので調べてはみたものの、余計に混乱しそうなので、ここは「観念」ということにする。
例えば、人が差別により殺害される、殺害したのはその人ではなく、その人の中にある「こいつは敵だから、劣等民族だから、虫ケラ扱いでよい」というイデア(観念)、というように。

以下ネタバレあり。

大まかにいって、3つの軸が複雑に絡みながら進行する。

まずは、画家の雨田が若い頃に体験した数々の不幸。
その不幸の根本的な原因であるイデアをモチーフにした絵を描く。
悪のイデアは抹殺しなければいけない。

次に主人公「わたし」はある日突然妻から別れを告げられる。
やはり「わたし」にも悪のイデアがあり、それを抹殺し生まれ変わることにより、妻を引き止める

3つ目は完璧人間の「免色」。
結婚を好まない免色は、以前付き合っていた元カノが忘れられない。
元カノは別の男と結婚し、娘を生んだあと事故で亡くなる。
免色は残された娘に元カノの姿を投影して、毎晩覗き見ている。

今回の作品は、村上春樹作品のなかではわかりやすい方だと思う。
小説全体の空気感が心地よく、ちょっぴり不思議な村上ワールドに引き込まれる。
登場人物のなかでは、やはり免色さんが面白い。
毎日規則正しい生活、というより定規で測ったみたいに正確な暮らしをしていて、大量の本を読み、筋トレに励み、ホコリひとつない邸宅、シワひとつないシャツ、ショールームから運んできたみたいに磨き上げられたクルマ。
自分で完璧に料理も作り、洗濯もし、掃除もする。
そして毎晩、中学生になったばかりの少女を双眼鏡で覗き見る。
もう完全にヘンタイだね。

村上春樹を読んだことのない人にもオススメ。
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SPRING LIVE 2017 鈴鹿EGG

2017年04月02日 | STEFANIE
STEFANIEライブ告知。



4月15日、三重県鈴鹿市でライブを行います。

開催日:2017年4月15日(土)
場所  :鈴鹿EGG http://suzukaegg.web.fc2.com/
     Facebookはこちら
     https://www.facebook.com/suzuka.rivehouse.egg/
開場  :18:00
開演  :18:30
出演  :bB8671(Mr.Children Cover)
     STEFANIE(REBECCA Cover)
THE NOIZ(LAGHIN’NOSE Cover)
     NOISY JAM(JUDY AND MARY Cover)
料金  :無料(ドリンク、食べ物持ち込みOK)

STEFANIEの出演は19時すぎくらいで、約40分くらいのステージになります。
チケット不要ですので、気楽に遊びに来てくださいね。

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