奥田英朗「ナオミとカナコ」を読んだ。
実は昨年、先にテレビドラマでこれの実写版を見てあった。
なので、最初からストーリーも結末もわかってたんだけど、奥田英朗ファンなので原作を読まねばならないのだ。
DV夫に苦しむ主婦とその親友による夫殺しの話。
奥田作品でこういった人殺しをテーマに扱うものは珍しい。
たいていは地方の普通の人による、日常でありがちなことをテーマにするのを得意とする人だけど。
ただし、山村美紗サスペンスみたいな薄っぺらい推理物にはなっておらず、いろいろ凝っていて面白い。
奥田英朗にしては、ちょっと無理のある設定もあるけど、でも一般の普通の人がいくら念入りに完全犯罪の計画を練っても、あちこちにスキが出てしまうところはリアリティーがあるように思う。
前半はナオミ編で、カナコの夫を殺害するまでの話。
後半はカナコ編で、計画がポロポロと崩れていく様が描かれる。
ほとんどの読者は殺人犯であるナオミとカナコを応援するだろう。
そして2人を追い詰める被害者の妹さんが憎く感じてしまう。
これは「沈黙の街で」や「オリンピックの身代金」でも感じた奥田マジックで、本来は悪である加害者に感情移入するようになっているのだ。
後半はハラハラドキドキの連続で、一気読み必至の作品だ。
オススメです。
実は昨年、先にテレビドラマでこれの実写版を見てあった。
なので、最初からストーリーも結末もわかってたんだけど、奥田英朗ファンなので原作を読まねばならないのだ。
DV夫に苦しむ主婦とその親友による夫殺しの話。
奥田作品でこういった人殺しをテーマに扱うものは珍しい。
たいていは地方の普通の人による、日常でありがちなことをテーマにするのを得意とする人だけど。
ただし、山村美紗サスペンスみたいな薄っぺらい推理物にはなっておらず、いろいろ凝っていて面白い。
奥田英朗にしては、ちょっと無理のある設定もあるけど、でも一般の普通の人がいくら念入りに完全犯罪の計画を練っても、あちこちにスキが出てしまうところはリアリティーがあるように思う。
前半はナオミ編で、カナコの夫を殺害するまでの話。
後半はカナコ編で、計画がポロポロと崩れていく様が描かれる。
ほとんどの読者は殺人犯であるナオミとカナコを応援するだろう。
そして2人を追い詰める被害者の妹さんが憎く感じてしまう。
これは「沈黙の街で」や「オリンピックの身代金」でも感じた奥田マジックで、本来は悪である加害者に感情移入するようになっているのだ。
後半はハラハラドキドキの連続で、一気読み必至の作品だ。
オススメです。