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報道

2012-02-26 | 社会
2月20日、最高裁判所が、いわゆる光市母子殺害事件について、犯行時18歳の少年であった被告人に対して死刑判決を言い渡した。死刑が確定したことによって、これまで実名報道を控えてきた大手マスコミの大半が実名と写真を掲載し報道した。

実名報道したのはNHKと朝日・読売・産経・日経等の各新聞社で、その理由を、「主婦と幼い子供が殺害される凶悪で重大な犯罪で社会の関心が高いこと」「判決で元少年の死刑が確定することになり、社会復帰して更生する可能性が事実上なくなったと考えられること」(NHK) 「国家によって生命を奪われる刑の対象者は明らかにされているべきだとの判断から」(朝日) 「死刑が確定すれば、更生(社会復帰)の機会はなくなる」「国家が人の命を奪う死刑の対象が誰なのかは重大な社会的関心事」(読売)と述べている。

そのような中で毎日新聞だけは、「今後、再審や恩赦が認められる可能性が全くないとは言い切れない」「匿名で報道するという原則を変更すべきではない」とした。

日本弁護士連合会は会長声明で、「少年時の犯行について氏名、年齢等本人と推知することができるような記事又は写真の報道を禁止した少年法61条に明らかに反する」「再審や恩赦制度があることから、少年が社会に復帰する可能性は残っている」「少年の個人としての尊厳及び幸福追求権は、少年に死刑が確定した後も失われるものではない」とし、「憲法21条が保障する表現の自由の重要性は改めていうまでもないが、私人である少年の実名が、報道に不可欠な要素とはいえない。事件の背景・要因を報道することこそ、同種事件の再発を防止するために不可欠なことであり、むしろ実名を報道することで、模倣による少年非行を誘発する危険性もないわけではない」と、報道機関の実名報道に遺憾を表明し、今後同様の実名報道をしないよう求めた。(全文はここから

この問題に限らず、世の中には一つの問題に対して全く違う見解や判断がある。消費税増税、沖縄普天間基地、TPP、原発等々…。
われわれの一人一人の判断はそれぞれであっていいし、そのことについて他からとやかく言うものでないことは当然です。
ただ、新聞やテレビなど、大きな影響力を持つマスコミが、時の政権や特定の権力擁護のために旗を振った歴史だけは忘れてはならないと思う。