松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

交流競技大会を終えて-集体表演から感じたこと-

2005-02-15 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
集体(団体)表演において
一番重視されるのは統一感らしい。
一体感ともいえるのかな。
個々が集まって統一感を出すには
共通した動き方が必要となるから、
約束事というかルールというようなものを
取り決めることから始まる。

厳密にいえば個体差があるわけだから、
できる限りそれぞれの固有性をなくす方向へと
辿り着くことになる。
有から無への変化。そうしていくことで、
ひとつの動きに集約されていくのかもしれない。
それを皆が共有したとき太極が現れるのだろうか。

素晴らしい表演を前にしたとき、
その動きを通して表現される太極のパワーに感応して
感動しているのかもと思ったりしている。
それは何も技量的にすぐれた人達の表演に限らず、
子供達の表演であったり、
ご高齢の方達の表演であったりもするのだ。
子供達は無邪気、
高齢の方達は修練の成果とでもいうのだろうか。

我を捨て無に帰するときに生まれるもの。
個人で練習していても全体練習をしていても、
それは変わらないことだと、頭では思う。
ただ、頭ではわかっていても
こころを説得できない。
だから体を使って働きかける。

こうして交流競技会の季節が訪れるたびに、
思い悩んで考えて、
練習を繰り返すことで
少しずつ覚えていくことがあるらしい。
この一カ月余りの集中練習の間に
自分に起こったいろいろな変動(起伏)も
おもしろかった。
まだまだこころに引きずられてしまい、
お手上げのことの方が多い。
少しずつ時間をかけてコントロールを
覚えていきたいと思う。
これは一生かけても達成できるかどうか、
長い道のりだろう。
それでも、はじめの一歩は踏み出したことになるのかな。