あぁ、高校球児の目標甲子園
ゆきたんくはスポーツが苦手である。
いや、苦手であったといったほうがよいか。
そう、運動音痴であった。
だけど親父がビール片手にテレビで見る野球が好きだった。
夏休みは田舎へ出かけた。
従兄弟と肩をならべて見る番組と言えば、夏の甲子園だ。
野球少年が数年後の未来へ思いを馳せる時だ。
その甲子園には行ったことがない。
昨年12月の関西への旅で、給油しないとやばい状態になり高速を降りた。
ガソリンスタンドをナビに打ち込む。
コースが出る。途中にヘアピンカーブのようなところがあった。グルッと180度回って信号で停車したところに大きな施設があった。
ネオンの文字が光っている。
「阪神甲子園球場・・・」
そう、ゆきたんくが小学校の頃憧れていた甲子園である。
蔦こそ絡まってはいないが、あの甲子園である。
なんとも言えない嬉しさに包まれていたゆきたんくであった。