思い出すのは、1983年6月2日に行われたIWGP第1回決勝戦である。
猪木対ホーガンの試合だ。
もちろん猪木が勝利をして、ベルトを持って世界中を周るというのを楽しみにしていた。
それはホーガンのアックスボンバー一発で夢となってしまった。
猪木失神KOにつながった強烈な一発。
猪木が死んでしまうのではと本当に思った。
この7年前に行われたアリ戦でのコンディションは見る影もなかったのは事実である。
しかしあの強い男が死んでしまうはずがない。
何かの間違いだろうと思っていた。
ところが、リング状のホーガンの顔が青ざめているのを確認した時に、何か大変なことが起こったことに気づいた。
その後、リング禍でお気の毒なレスラーは何人かいたが、この時ほど本気で心配したことはなかった。
6月2日というのはゆきたんくにとって特別な日なのである。