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唐突だが、物事は簡単ではない方がいい場合があると思っている。
ラウンド・アバウトというのをご存知だろうか。日本では、まず見ることはない。欧米諸国で採用されている方式と言って良いだろう。
実はゆきたんくのサイト幸たんくの旅の項で「これが地獄の入り口云々」が書きっぱなしになっていたことに今日気づいたのだ。その地獄について今日は書きたい。
イギリスに行く。ジュネーブ条約の関係で、国際免許を持っていれば車の運転ができることを知ったゆきたんくは、近隣の免許センターで国際免許を取得した。どんなにむずかしいことをやるのかなぁと思っていたら、書類審査と3000円弱(2003年当時)で手に入ったのである。イギリスは左車線の右ハンドル。この2つのことでもう大丈夫な気でいたゆきたんくである。
借りた車はプジョー、フランスの車である。ウィンカーは左、ウインドウォッシャーは右、おまけに久しぶりマニュアル車だ。
自信は、すぐに崩れた。いざ道路に出るとどの車も速いこと速いこと。方向指示を出すつもりが、石鹸液を出してしまったのである。窓はきれいなった。はぁ・・・。
そしてついに初体験のラウンド・アバウトである。ゆきたんくが、この名称を知ったのは、その夜のことであった。詳しいことは、リンクに飛んでいただけるとお分かりになると思う。
あれこれ苦戦しながら、ロンドン・ヒースローからポーチェスターに着いた。
成田からのフライト12時間、ヒースローからの直線距離約100kmのドライブが3時間、フライトする前の時間を合わせると24時間以上の間寝ていない。
ポーチェスターの町。この時なんと20時30分
テンカウントでノックアウトのつっくん
初心者に戻ったような気分でハンドルを握った3時間であった。それとスピードメータがマイル表示である。イギリスの高速道路をモーターウェイという。なんと無料である。そこを時速100kmで走った。他の車も同じくらいのスピードで走っている。なんか速いと感じたゆきたんくである。のりたんとつっくんも速いと言っている。そして気づいた事実は、時速100マイルで走っていたのである。つまり時速160kmくらい出ていたことになる。慣れないづくしで頭がパニックであった。よく事故を起こさなかったものである。
友人の家に一泊し、次の日はイングランド南西部を目指す。また、あのラウンドアバウトを走らなくてはいけない。シュミレーションをした。ラウンドアバウトは信号のない交差点だ。サークル部分の右側から来る車が優先である。「左折は左に寄ってから」問題なし、直進は左に寄り、左折道路をやり過ごして直線方向の道へ行く。右折は進行方向の右車線に寄り、左・直をやり過ごしてラウンドアバウト入り口から見て右方向へ進む。同様にして右をやり過ごせば、ターンをしたことになる。
と言うことは、くるくる回ることで行き先が一瞬分らなくなった時はいつまでも回っていればいいという考えに達した。次の日は朝から快調である。昨日あれほどパニックを起こしていた頭がすっきりとしているのだ。最も睡眠不足もあったかもしれない。
道路地図を見るのも楽になってきた。目指すはストーンヘンジ、ウッドヘンジ、ソールズベリ大聖堂である。
大聖堂の尖塔が写真中央より左下に見える
かくしてラウンドアバウトを克服したゆきたんくは、この後3日間を楽しくドライブをして過ごした。4日目にロンドン入りをし、車を返したが走行距離は2000キロメートル(1250マイル)になった。良く走ったものである。
ところでロンドンでは車は使わなかった。なぜかと言うと、この年から渋滞税なる税金が発生したからである。そしてロンドンは渋滞が多かったのだ。