現在作っている拙サイトゆきたんくのコーナーの一つがここ、「伝えたんく」だ。
かつては、「言いたんく」、「板んく(掲示板)」、「その他んく」があったのだが、ブログの時代になって
その3つを統合したのである。
そして言いたんくの中に12年前に書いたものを取り出してきた。
タイトルは「喪失感」
当時の文のまま載せる。
誰もが、一回は経験したことのある感覚の一つに喪失感があるだろう。
なくてはならないものを失くしてしまった時。
今までは別にに気にしていなかったけれど、無くなって初めて感じる寂しさ…
身近な者との別れは誰もが経験せざるを得ないものだ。ある程度覚悟しながら生きている。
2001年9月11日は世界を震撼させた米同時多発テロが起こった日である。
誰かが「映画を見ているようだ。」と言わしめたワールドトレーディングセンタービルへの旅客機の突入の瞬間を目の当たりにした時には「何?」という感じが先にたった。
あまりにも現実離れしていたように感じたからだ。
このWTC2への突入時には「Oh my god!」という声がたくさん聞かれた。
「Oh my god!」の声は泣き声、叫び声であった。
日本人である自分にも肌を通して伝わってくる感情が居たたまれなかった。
WTC内の人の安否、旅客機の乗員の安否はもとより起こるはずのないことが目の前で起こっている現実に対するアンチテーゼのように…。
そして追い討ちをかけるように、米経済のシンボルは跡形もなく崩れ去った。
素人目にはあんなに簡単に崩れるとは思っていなかったのであっけにとられてしまった。
グラウンド・ゼロ。(爆心地)という呼び名の通り、その存在が無に帰してしまったWTCビル。
いずれはそのビルの屋上からの風景を見たいと思い、その時の感激を思い描いていたがそれも夢になってしまった。あのシンプルだが美しい双子ビルの天辺はもうない。
ある旅客機機長は長いフライトの終末に二本の直方体が見えてくると嬉しくなると言った。普段意識はしていないが、何がしか心のよりどころになっているものは必ずある。
この事件によりかつて、マンハッタンに双子ビルがあったということが永遠に心に刻み込まれた。
どうにもならない喪失感と一緒に…。
あれから12年。
月日の経つのは早いものだが、忘れられないできごととしてずっと心に残るだろう。