夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

真夏日の想いで・・♪    《初出2006.7.14.》

2008-05-02 21:49:20 | 音 楽
東京の郊外は、快晴となり、暑さが増してきた。
先程、庭に下り立ち、木陰で煙草を喫っていたら、熱さが身体に感じ、
居間の冷気の中で、冷やした煎茶、アイス・コーヒーを飲んだりしている・・。

昼過ぎには、32度前後まで上昇する、と天気予報は報じていた。

暑さの苦手な私は、居間の冷気の中で、このパソコンを触ったり、
読書、昼寝に限ると思ったりしている。

先程、煙草を喫っていた時、庭の手入れで草抜きをしていた時が想いだされた。

確か平成元年の頃だった。
会社の激務の週を終え、快晴で35度近いの日曜日だった。

麦わら帽子を被(かぶ)らず庭に飛び出て、伸びた草を抜きはじめた・・。

♪八月の風 両手でだきしめたら
 イマジネーション 飛び立つのサヴァンナへ

とプリンセス・プリンセスの『世界でいちばん熱い夏』や

♪ダイヤモンドだね AH AH
 いくつかの場面
 AH AH 
 うまく言えないけれど
 あの時感じた AH AH

と『Diamonds』を唄いながら、
45歳前後の中年の私は、汗水を流しながら、炎天下の中、草抜きをした。

夕方になると声も枯れて、体力も使い果たした。

その晩、軽い日射病で苦しんだりした。

翌朝の月曜日は、週の初めであるので、
何時もより早めに自宅を出た。


あの頃は若かった、と想い出したりしている。



☆このサイトに昨年の4月に投稿したのを大幅に修正した☆

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芙蓉(フヨウ)の花が咲いて・・♪    《初出2006.7.14.》

2008-05-02 21:42:23 | 定年後の思い
東京の郊外は、薄日の射す穏(おだ)やかな朝を迎えている。

主庭には、芙蓉の花が咲いている。
宗旦木槿に似て、底紅であり、花びらは白いと淡いピンクの二種類がある。

5月頃になると、芽が出て、入梅の頃に1メートルぐらいまで成長する。
そして、淡い緑の莟(つぼみ)を数多くつける。

一昨日から花が咲き、この時節を教えてくれる。
早朝から花が開いて、夕暮れ時にしぼむ。
これからの一ヶ月近く、真夏の中、庭を彩ってくれる。

秋になると、黄葉した後、茎も枯れて、冬を迎える。
宿根草であるので、5月頃に芽が出る。
手間の掛からない花であるが、気品があり風情があると思っている。

この花は、樹木の即売店で梔子(クチナシ)の花と26年前頃に購入した。
梔子の花は深植えしてしまって枯れてしまい、
夏の花としてはアメリカ芙蓉と称されるこの花が主役となしている。

芙蓉の中には、酔芙蓉があるが、
朝は白い花が咲き、昼過ぎから夕方にかけてピンク色に移り変わる。
この品種の方が主(あるじ)の私に相応しいと思っているが、
白い花と淡いピンクのアメリカ芙蓉で我慢する他はないと思っている。


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薄明かりの中の雨・・♪ 《初出2006.7.13.》

2008-05-02 21:40:06 | 定年後の思い
東京の郊外は、昼になると夏らしい晴れ間となった。

家内は昨日の朝より実家に行っているので、自在な食事をしたりしている。

居間のクーラーの冷気の中で
綿の豆腐の冷やしたのを昼食代わりにビールを呑みながら頂いた。
豆腐は割り箸で適当に切りながら、
この豆腐の上に生姜と長ネギのみじん切りをのせて、醤油をたらして頂く・・。

夏の陽射しを受けている主庭の樹木を眺めながら、
ビールを呑みながら、現役時代の頃を想い出したりした。

この後、居間に簡易ベットに横たわり、
『文藝春秋』を読んでいたら、寝付いてしまった。

四時過ぎに目覚めると、空は暗く、雨が降っていた。

六時過ぎに玄関庭に下り立つと、空は明るくなったが、雨は本降りとなった。

樹木は薄明るさの中で、枝葉は雨に濡れ、おかしな夕暮れのひとときとなった。

台所で冷やした煎茶を茶碗に淹れている時、
玄関庭の方から、蝉の声が聴こえてきた・・。

退職後の身である私は、少しだらけた夏の日を過ごしている。

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トマトの想いで・・♪    《初出2006.7.13.》

2008-05-02 21:21:42 | 幼年・少年時代の想いで
ここ一ヶ月、スーバー・マーケットの果物売り場、八百屋でトマトを見たりしている。

はじめの頃は、熊本県産が多かったが、日増しに千葉県産などがあり、
この2週間に於いては東京の郊外産が見かけるようになっている。

先程、冷蔵庫で冷やしたトマトを食べていたら、小学生の頃を想いだした・・。


昭和26年の春に私は小学校に入学したが、
この当時は実家は祖父と父が中心となって農家をしていた。

初夏の頃になると、茄子(ナス)、胡瓜(キュウリ)、トマト等を収穫し、
夏になると西瓜(スイカ)、瓜(ウリ)等を青果市場に出荷していた。

茄子、胡瓜、トマト等は早朝から畑で選定し、収穫した後、
7時過ぎに父は青果市場にリヤカーに乗せて行っていた。

家では形の悪いもの、大き過ぎたもの、熟れ過ぎた品を食べたりしたが、
胡瓜とトマトは井戸水につけて置いて、
午後の3時過ぎに空腹になった私はトマトを噛(かじ)ったりしていた・・。

朝の登校する8時過ぎに、遠い親戚の叔父さんの畑の細道を歩いていたが、
トマト畑の支柱にたわわになっているトマトを眺めながら、
ひとつ採ったりした・・。

消毒の白さと朝露を服で拭いながら、噛り付いたりした・・。
適当に熟れたトマトは収穫済みだったので、
明日頃に熟れるトマトを選んだりしていたが、青味が少し残っていた。


後年、私の結婚披露宴の時、この叔父さんに来て頂いた時、
何気なしに私は小父さんにこのトマトを話題にした。

『叔父さんの畑で・・
小学校の頃、よくトマトを盗んで頂きました・・』
と私は言った。

『あの頃の子供・・皆そうだったょ・・』
と笑いながら小父さんは言った。


私が先日買い求めたトマトは、ひとつ百円であったが、
家内用は熟れたつややかな色合いの品を選び、
何故かしら私が食べる品は、
少し青味がかった熟れる寸前の色合いを選んでいる。

私の住む処の周辺は、
東京オリンピックの前頃に田畑は無くなり、住宅街となっている。

あの頃は・・と私は想い出している・・。


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芙蓉(フヨウ)の花に迎えられて・・♪    《初出2006.7.13.》

2008-05-02 21:18:08 | 定年後の思い
東京の郊外は、曇り空で静寂な朝を迎えている。

6時半過ぎに起きて、戸を開けると、アメリカ芙蓉の淡いピンクの大きな花が二輪ばかり咲いている。
昨日から咲いているが、朝に花が開き、夕暮れになると閉じる、
私の好きな夏の花のひとつである。

日中は29度前後の曇り空であるが、湿度は薄らいでいるので、
過ごしやすい日を迎えている。


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初夏の花・・♪    《初出2006.7.12.》

2008-05-02 21:16:02 | 定年後の思い
この1週間、昼下がりに読書をしながら、1時間ばかり昼寝をしている。

4時過ぎに主庭に下り立つと、暑さが地表に漂っている。

この4日前から、我が家も冷房を入れているので、
半夏生(ハンゲショウ)の葉がクーラーのファンの風で揺れている。

アメリカ芙蓉(フヨウ)の淡いピンクの花が、朝から咲き始めている。
都心の公園は、蓮(ハス)の花が咲いた、とニュースで報じていた。

東京の郊外も昨夜から熱帯夜となり、初夏から夏へとうつろう時節となった。

暑さの苦手な私は、居間の冷気の中で主庭の樹木、草花を眺めたり、
本を読んだりして過ごしている。

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傘かしげ・・♪ 《初出2006.7.12.》

2008-05-02 19:58:36 | 現役サラリーマン時代の想いで
10年前頃の梅雨の季節だった。

私は会社を退社して、
自宅の最寄駅の『成城学園前』のタクシー乗り場に並んでいた。
夜の11時過ぎで、雨が降っていた・・。

私の前に20人並んでいて、1番後方だった。
しばらくすると、私の後方に5、6人の人影を感じた。
私は左手にアタシュ・ケースを提げて、
スーツのズホンが濡れないように、傘を深く差していた。

後方から、
『小父さんかしら・・』
と声がした。

私は振り返ると、若い女性のツーピース姿を見た。
『XXちゃんか・・しばらく・・』
と私は言った。

遠い親戚の娘さんだった。

私はこの娘を私の立っている場所の前に譲り、
『ずいぶん・・遅いんだね・・』
と私は言った。

そして雨のしずくが水色のツーピースに掛からない程度に間隔を開けた・・。

『叔父さん・・知らなかった・・
私、今年から銀行にお勤め・・』
とこの娘は言った。

『短大に行ったのは聞いていたけど・・
そう・・社会人の一年生か・・大変でしょう・・』
と私は言った。

『思ったより楽しいけれど・・勤務時間が長くて・・
今日もこんな時間になって・・』
と言った。

『小父さんの所もね・・金融関係と違うけれど・・
何かと忙しいょ・・』
と私は言った。

雨がしきりに降っていた。

まもなく並びの列の先頭となり、
タクシーにこの娘が乗り込む寸前、
『小父さん・・お先に・・ありがとう・・』
と言った。

私は走り去るタクシーの尾灯を見送った。



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旅の想いで・・♪    《初出2006.7.11.》

2008-05-02 19:45:57 | 旅のあれこれ
家内と国内旅行にあちらこちらと行っているが、家内は旅の思い出の品として、
その地のお土産屋さんで、出来る限り小さな形の品を購入している。
小さなお地蔵さん、土鈴、こけし、登山靴等のその地の特有な品を買い求め、
少しずつ増えて、今や50は有に超えている。

居間にある大きなサイドボートに入れているが、
ときおり家内は見詰めて微笑んでいたりしている。

ある時、
『この品・・どこで買ったか分かるかしら・・』
と私に言ったりしている。

家内は、数センチの蛸(タコ)の形をした品を指している。
『何処だったかなぁ・・』
と私は想いだそうとしている。

『忘れたょ・・』
と私は言った。

『江ノ島・・忘れた・・あすこのお土産屋さん・・
これといって特徴が無くて・・』
と家内は言った。

私はその地の特有の品であったら、九割方想い出せるが、
こうした特徴のない品は困る。

我が家では、その地に宿泊した時の浴用タオルを頂いてくるが、
手拭きのタオルの予備として、或いはパソコン、机を拭(ふ)く時に利用している。

私はパソコンを置いてある机を拭いたりする時、
XX観光ホテル等と書かれているタオルを見ると、
その地を観光した旅行を想い出したりする。

旅の具体的な記録のひとつとして、写真があるが、
一葉の写真から、『あの時は・・』
とその時の旅先の心境が蘇(よみがえ)って来ることがある。

私が鮮烈に想い出されるのは、
日常の生活で買い物の途中とか、草抜きをしている時など、
不意に旅先の出来事が蘇ってくることが多い。
何かしら、その地を訪れ、心が高揚し深く心に残った旅の場合である。

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その時の想い・・♪ 《初出2006.7.11》

2008-05-02 19:42:22 | 定年後の思い
東京の郊外は、曇り空の朝であるが、
日中は晴れ間となり、30度前後の暑い日となる。

私はあるサイトの日記欄に原則として、
旅行などで宿泊先にパソコン設備がない場合を除き、毎日綴って投稿している。

その日に数通は投稿しているが、ときおり綴る楽しみより、
他の趣味に時間を費(つい)やすことがある。
通常の日は読書をすることであるが、
昨夜はぼんやりとテレビを観たりした。

9時よりNHKの『ニュースウオッチ9』、
その後に『NHKスペシャル~「危機と闘う② 軍事転用の戦慄・ロボット」~』を観たりした。

綴ることが何より好きなことであるが、
掲示板に書き込んで下さるお方達にも、
その方の日記等を拝読して数時間読んでしまうこともある。

今まで1番長く拝読したのは、あるお方に数日費やし、
返信をためらったりしたことがある。

私はそのお方の書き込んで下さったお気持ちを考えながら綴るので、
交換日記のように気軽に綴ることはできないでいる。

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我家は、ふたりで毎月、家計簿を・・♪

2008-05-02 17:18:00 | 定年後の思い
私達夫婦は子供に恵まれなかった家庭であり、
古びた一軒屋に住んで2人だけの家庭である。

私は民間会社を定年退職後、年金生活で過ごしている。

毎月、月初めの頃は、お互いに家計簿を締めている。


どの家庭と同様に、光熱費、衣服費、教養娯楽費、交際費・・等である。

家内のメモったのを読み上げ、私は電卓を叩き、
その後は私がパソコンに向かい、表計算のソフトを活用して、
5表ばかり我家独自の管理表を作成し、
お互いに確認し合ったりしている・・。


私は大学中退し、映画・文学青年の真似事をした時代は、収支が不安定であった。
その後、ある大手企業に中途入社できた時から、
遅ればせながら何とか世間のサラリーマンの生活に追いつかなければ、
と私は決意し、独自の家計管理表を作成したのである。

普段は程々に自在な生活をし、月1回確認した後、
これぐらいだったら自在に居酒屋に行かれる、
と思いながら、独身時代は作成していた。

家内と結婚した後も、月次内に程々余裕を持った生活をしたく、
お互いに月初めに前月の実績を確認し合っている。


私達の基本は、年金を頂き日常生活を過ごし、
共通の趣味である国内旅行、思いがけない出費などに関し、
程々の貯金を取り崩して生活している。

そして、12月頃になると、来年度の月別の概算表を作る際、
家内の要望などを織り込んで作成し、予算としている。
従って、年金生活の身であるから、
来年は赤字が120万円前後かしら、と互いに確認し合っている。

私達は退職後の生活を具体的に話し合ったのは、
定年退職の5年前であり、お互いにどのような生活をしたいのか、
生活信条の基本を話し合った結果、このような今の生活をしている。

こうして私達は経済的に贅沢な生活は出来ないが、
ありふれたサラリーマンを卒業した年金生活の夫婦と同様に過ごしている。


尚、私は齢を重ねた63歳の身であり、
公共交通機関の利便性のある都心の郊外に住んでいるので、
自動車は保有しないのである。

日常は徒歩、バス、電車を利用し、ときおりタクシーなどを利用しているが、
少しボケた私は健康に良いし、家計にも良い上、更に環境にも良い、
と私は微苦笑したりしている。





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初夏の買い物・・♪    《初出2006.7.10.》

2008-05-02 13:54:51 | 定年後の思い
11時過ぎに郵便局、スーパーの2店を廻ってきた。
季節を問わない牛肉、豚肉、パン等を購入した後、
トマト、とうもろこし、西瓜(スイカ)等の季節品を観ていると、楽しい。

6月の下旬から7月の初旬、胡瓜(キュウリ)、茄子(ナス)等も数日毎に梅雨の時節の中、
生育され成長した形、色艶が見られる。

私は何気なしこうした野菜、果物のうつろいを大切にしている。

買い物の楽しみのひとつとして、こうした品を眺め、
選定し、家で味わうのが贅沢なことと思っている。

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ある数学者の思考の発露・・♪    《初出2006.7.9.》

2008-05-02 13:52:18 | 読書、小説・随筆
昨日の深夜、藤原正彦・氏の『数学者の休憩時間』を読み終り、
今朝の早朝に同氏の『父の威厳 数学者の意地』を読み始めている。

先程まで昼寝の前に数ページ読んで、眠りについた。
1時間ばかりして目覚めて、少しぼんやりとした状態で考えた。

著者は父の新田次郎・氏、母の藤原てい・女史の両氏の作家の遺伝子を引き継ぎ、
学生時代に数学という学問に熱中し、
類稀(たぐいまれ)な努力の成果として学者の道を歩まれた、
と思ったりしていた。

人生を思索され、数学の未知の分野に苦慮され、文学を考える、
と著者の本を読むたびに深めていた。

私は深夜から考えていが、やはり著者は、まぎれもなく数学者の思考から、
純粋に発露していると思いはじめている・・。

『数学者の休憩時間』の中で、【父の旅 私の旅】に於いて、
父の最期の作品となった取材旅行のポルトガルを父の新田次郎・氏の取材先に準拠した旅をし、
鎮魂曲のように綴られた紀行文である。

この最後の大西洋の夕陽を著者は、丹念に時を過ぎる光景を正確に表現している。


サン・ヴィセンテ岬の水平線に太陽が近づくと、空はいっせいに色づいた。
岸壁に立つ私と夕陽を一直線に結んで、海面上に光の道ができる。
それが波のうねりで橙色(だいだいいろ)に輝きながら小刻みに揺れる。
大西洋を隔てて、夕陽と私が対峙する。
赤い断崖は一層鮮やかに輝き、寒さに震えながら立っている私の足元の岩肌も、
白いワイシャツも赤く染まった。

陽がついに水平線に達すると、水面は忽然とその輝きを失い、空が生き物のように色づきを増した、
空の赤は、赤から赤紫そして紫へと連続スペクトルのように変化し、
やがて暗い海につながる。
雲が薄紅色の天空に点々とうかぶ。

私は、
「これがサグレスの夕陽だ。モラエスが見、そして父が見た夕陽だ」
心でつぶやきながら陶然としていた。

夕陽は更に沈むと、海は黒く、天空は深い蒼に変った。
水平線に沿った帯状の部分だけが、悼尾(とうび)の勇とばかりに、
鮮やかな橙色に輝く。
この橙色の帯が、次第に幅を狭め、明度を落とし、ついに海と合体するまでどの位かかっただろうか。

さしも広い台地には、人っ子一人見えなかった。
吹き上げる潮風の冷たさが身にしみた。
襟元わ左手で抑え、腰をかがめ、背を丸くしながらも、私はどうしてもここを離れることが出来なかった。
いつの間にともされたか、サン・ヴィセンテ岬の灯台の灯が、遠くで点滅していた。



以上、引用させて頂きました。
尚、原文より改行をあえて多くしました。


私はこの情景、心情を思いながら、3度ばかり読み返した。
時のうつろいの光景を正確に綴り、
まぎれなく純粋な数学者の発露からの的確な表現である。
こうした光景のうつろいの表現として、文学者の発想には乏しく、
著者の父への深い想いが鎮魂曲の調べを奏でるたような名文となしている。

このようなことを夕暮れの霧雨を見詰めて、考えている。


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霧雨の中、夏の朝を迎えて・・♪

2008-05-02 13:47:44 | 定年後の思い
東京の郊外は、霧雨の降る朝を迎えている。

樹木の枝葉は、しっとりと濡れて静寂な情景を増している。

紫露草(ムラサキツユクサ)の淡い紫色の花が咲いて、
半夏生(ハンゲショウ)の葉のひとつは化粧のように白さをたたえて折、
唐糸草(カライトソウ)の淡いピンクの花が芳香を漂わせている。

紫木蓮(シモクレン)は二つばかり濃い紫色の花を咲かせて折、
紫式部(ムラサキシキブ)の枝に淡いピンクが花が数多く咲かせて、
霧雨の中でわずかばかりの明るさをもたらしている。

静かなひととき、霧雨は空から舞い降りてくる。


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自治体、財政破綻になると・・!?   《初出2006.7.8.》

2008-05-02 13:40:49 | 時事【政治・経済】等
先頃、北海道の夕張市で財政破綻というニュースがあった。

私は都道府県、市町村の自治体が、国に『財政再建団体』の申請の結果、
どのような過程になるのかは知らなかった。

読売新聞の夕刊で【週間 KODOMO新聞】のニュース・ウイークリー定例記事がある。
話題となっている事項を子供が理解できるように記載されているので、
私の拙(つたな)い知識で一般記事で理解出来にくい場合、
ときたま読んだりしている。

本日は、【夕張市 財政破綻】であった。

この記事で、財政再建団体になると、具体的な過去の事例を提示して、無知な私なりに理解できた・・。

この記事の一部を無断転記させて頂きます。



財政再建団体になると、
監督役の国に、お金の使い方を厳しくチェックして貰い、
無駄を徹底的に省(はぶ)く《倹約》で借金を返していく・・。

1992年に財政再建団体にに指定された福岡県の赤池町(現・福智町)は、
10年掛りで32億円の赤字を無くしました。
最低限必要な住民サービス以外にお金を使うことが認められず、
町営住宅の家賃や水道料金も値上げされて、
町民の負担が増えました。

町も、職員の数を減らして給与を減らしました。
職員は、道路にあいた穴の補修や、町民会館の掃除も自分達でやりました。
敬老会ではプロの劇団に来て貰うとお金が掛かりますので、
町長や議員等が劇を披露しました。
役場ではしばらくクーラーもつけられなかったそうです。

『子供や孫に借金のツケを回したくない』という思いで、
町の人がひとつになって取り組んだ結果、
当初の計画より2年早く目標を達成しました。



以上、新聞の記事を転記させて頂きました。


自治体の多くは、消防、学校、病院等の地域の人々の生活必要なサービスが
実施されている。
今回の夕張市の場合、市民の実質負担がこれから具体的に明確になる。

私は東京都の調布市に住むひとりであるが、
日頃から自治体に対して、不可解なことがある。

私は民間会社でサラリーマンを35年間して、定年退職をした身であるが、
調布市、そして東京都に対してである。

市庁、都庁の建物が何故あのような豪華にするのか。
市会議員会議室、都庁の都会議員会議室、
何故あのような過剰な部屋にしなければならないか、
理解出来ない。

そして文化会館と称する豪華な建物・・
たとえプレハブの3階建ちであっても、中身のソフトが充実したものであれば、
と思ったりしている。

年に数回、東京都、調布市のホーム・ページで、
財政収支概要を私は都民、市民のひとりとして見ている。

今回の夕張市の場合、収入のボタンの掛け違い、
と責任逃れは許されないと思っている。
少なくとも、ここ20年前後、市長、市会議員に携わった方達は、
豪華な市庁の前で、市民に土下座するべきと思っている。

市民は市会議員、市長を信頼して選出し、
その託(たくさ)された市の政策の立案から運営までの信頼を裏切った結果、
最低限の責務と思ったりしている。
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井上陽水さんは、シャイな人・・♪   《初出2006.7.8.》

2008-05-02 13:31:18 | 音 楽
東京の郊外は、曇り空の朝を迎えている。
昨日と同様に、日中は27度前後なので、梅雨の時節としては過ごしやすい。

昨日は朝の9時半から3時まで主庭の手入れに専念した。
湿度が高く、健全な汗を流し、枝伐(き)りをしたり、草抜きをする。

この後、風呂に入り、一通を綴り投稿した後、
居間に簡易ベットで藤原正彦・氏の『数学者の休憩時間』を数ページ読んでいるうちに、眠りに落ちた。

夕食後、NHKの『ニュースウオッチ9』に於いて、
井上陽水のインタビューを観ていた。
57歳になった今、
人前で歌う楽しみ喜びを感じてきた、
と彼は言ってきた。

私は『傘がない』を昭和47年頃に聴いて以来、
注視してきたお方であったので、シャイな人と改めて思った・・。

私はこのお方の音楽に関しては、このサイトでたびたび綴ってきたが、
更に好感をしたりしたのである。


このような1日であったが、私の気持ちにそった日でもある。


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