第4章 セラピーユ、そして読書
5月20日(火)
小雨が降りしきる早朝を迎えたが、
3時過ぎのロビーは静寂で、私は煙草を喫ったりして、
地方紙の『北日本新聞』の朝刊を読みはじめた・・。
そして、『日経』の朝刊も読み終えると、
中西輝政・著の『日本の「岐路」』(文藝春秋)を開いたりした。
旅先で自由きままに過ごしているし、
もともと少し甘い自身に更に心身弛緩してしまうので、
多少の緊張感を持たせるのに最適な本かしら、
と思いながら読んだりしているのである。
6時過ぎに部屋に戻ると、
『昼過ぎまで・・雨らしいので・・今日は私達は館内でゆっくり過ごしますので・・
セラピーユに一緒に行きませんか・・』
と家内から私は誘われた。
この観光ホテルに於いては、セラピーユと称された岩盤浴が、
ひとつの施設の特徴と聞いていたのである。
観光ホテルの案内書に寄れば、
【トルマリン鉱石を利用した
新しいリラクゼーション「セラピーユ」】
と明示されて、
下記のように解説されている。
【マイナスイオンを発生させるトルマリン鉱石、
免疫力の向上や細胞活性の効果のあるラジウム鉱石、
発汗作用や老化防止効果のある遠赤外線など、
自然界がもたらす癒しのパワーを利用した
お湯のないリラクゼーション「セラピーユ」をご体験ください】
私は初めて体験するものであるが、
家内達が10時30分より予約したと聴き、
私も同行することとした。
予約を済ませ、指定されたワンピースのような浴衣を受け取り、
大浴場で身体を清め、温めた後、
下着も付けないようにと指定された浴衣を着て、
セラピーユの館内の待合室で待機していた。
家内の母は、華やかに色合いした指定の浴衣となり、
『おかあさんさぁ・・このような格好になったのは・・
人間ドック以来だょ・・』
と私は家内の母に軽口を云ったりしている。
岩盤浴の中は、畳一帖ぐらいに鉱石がゆったりと仕切られたのが、
20前後の升目丈になって折、
私はその中のひとつに毛布を敷いて、枕を置き、横たわった。
まもなしして、薄暗くなり、
音楽が流れ、天上の満天の星空のような景観となったのである。
30分過ぎた頃、館内は明るくなり、
私はゆっくりと起き上がった・・。
前方のご婦人が起き上がった時、ワンピースのような浴衣から白いパンティが見えて、
私は少しドキりとした。
出入り口の冷水を一杯飲んでいた時、
先程のご婦人が見えて、私と同様に冷水を飲んでいた。
60を少し過ぎたと思われるが、若々しい清楚な顔立ちの小柄なご婦人であったが、
私の方が何かしら照れてしまった。
この後、家内達に声をかけて、
私は大浴場で泡風呂に入ったりして、
先程の見知らぬご婦人を思い出したりしていた。
部屋に戻り、窓辺が雨が降りしきる緑に染まった雑木林を眺めたりし、
家内達と他愛ない話をしたりしていた。
この後、私は布団に横たわり、本を読みながら、
昼寝をした。
目覚めたのは、一時過ぎで、
陽差しが燦燦と里山一帯を照らしていた。
夕食の後、遠方に住宅街の灯が銀河のように観え、
その後方は市のビルの灯が観え、
♪街の灯(あか)りが とてもきれいね
ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
【『ブルーライト・ヨコハマ』 作詞・橋本 淳 】
と私は口ずさんだりしていた。
第5章 民俗民芸村を散策すれば
5月21日(水)
私はいつものように独りで、ホテルを8時半過ぎに出で、
里山の市道を少し登り、展望地に着いた。
市内の街並み、遠くに立山連峰が観えるところであるが、
本日もかすんでいるだけであった。
地元のご夫婦と立ち話をして、冬晴れるの時節であったならば、
一望でき、カメラ愛好家はもとより、
テレビの報道の方たちも撮影で見られる場所と、
教えてくれた。
今の時節は、夕暮れのひととき、週に1度ぐらいは、
山並みが綺麗に観える時もあり、それなり美景である、
と言葉を重ね、教示された。
この後、私は遊歩道を下り、
『民俗民芸村』で各所を観て廻り予定であったが、
拝観時の9時前であり、それぞれ竹の立ち箒(ほうき)で、
掃きながら清められていた。
私は外れにある長慶寺に隣接した五百羅漢に行き、
右側に長慶寺、そして墓地、
左側は里山を切り開かれた斜面にそれぞれの表情、しぐさの五百羅漢が観えた・・。
杉木立と竹林の中で、木漏れ陽を受けたそれぞれの表情をたたえた石像を眺めると、
現世の生臭さを忘れさせて下さるひとときある。
私はうっとりと眺めていると、斜面の小道を歩かれている老女に逢い、
思わず黙礼をした。
そのお方は、私に近づいてきたので、
『お元気そうで・・何よりです・・』
と私は右手に杖をたずした老女に言った。
このお方は付近に住まわれる方であり、毎日周辺を散策され、
私の亡き母と同じの大正9年生まれと知ると、
私は心身ご健在でおだやかな表情をたたえた老女を絶賛した。
この後、歩道の素朴にベンチで煙草を喫っていると、
私より少し齢上の女性から声を掛けられて、
昨今の世間話をした。
五百羅漢を眺めながら、昨今の社会の節度のない状況を話したり、
そのお方が日本海の海沿いの小川温泉で過ごされ、
幼少時の頃の食べ物、乗り物などの話を互いに話し合ったりした。
私は偶然にお2人の年配の女性と話し合えたが、
こうしたことはその地の風土、文化、日々の暮らしを知る上、
言葉を交わし、重ねていると、
まぎれもなく最良の教えを受けると私は確信し続けている・・。
この後は、茶室の円山庵に寄り、
抹茶と和菓子を頂きながら、応対して下さった30代の女性に、
具体的に露地の形態と樹木を誉めたりすると、
お互いに心がほぐれ、少し笑いあったりした・・。
、
そして帰り際には、
さりげなく活けられていた鉄線、菖蒲の花を誉めたりした。
そして、この後は『陶芸館』、『考古資料館』、『民芸館』、『民芸合掌館』、
『売薬資料館』を拝観し、
数多く教示させられたりし、遊歩道の登り道を20分ばかり歩き、
滞在している観光ホテルに帰還した。
第6章 館内にゆったりと
5月22日(木)
今回の滞在で、私は殆ど夜の8時には寝付き、
早朝の3時にはロビーで、ペットボトルの煎茶を飲みながら、
煙草を喫ったりしている。
そして、『北日本新聞』、『日経』などの朝刊を読んだりし、
中西輝政・著の『日本の「岐路」』(文藝春秋)を昨日読み終わり、
持参してきた川本三郎・著の『向田邦子と昭和の東京』(新潮新書)を読みはじめている・・。
ときには、館内に置かれている雑誌を見たりしている。
隔月誌『こころの色』(民活開発)は初めて見る雑誌であったが、
特集として《歴史と文化に出会う、温泉旅》に惹かれ、
読んだりした・・。
この中で、亡き作家の開高 健が残された旅の極意として語った言葉として、
『少年の心で、大人の財布で歩きなさい』
の名言が引用されて、私なりに深く読んだりした。
或いは、連載の『わたしの健康法』で、
今回は私の好きな浜 美枝・女史が掲載されて、
改めて女史の発言に魅せられている。
ある時は、この観光ホテルのパンフレットを見たりし、
『風流絵巻』と題され、四季折々の状景、館内の優美な案内を見たりしている。
この中で詩歌になぞられて、
立山に 向かいし肩に 桜落ち
踏み入れば 真綿の心 寄り添いし
世をはなれ 心の糸を ゆるりゆるり
暖かき 絹糸の水に 肌染めぬ
我が身いま 花渡りゆく 蝶の舞
等の読みながら、その時節に思いを馳せたり、
私なりに微苦笑しながら、読んだりしている。
朝夕の食事時以外は、すべて自在な時を過ごし、
風呂に入ったり、地酒、ビールを呑んだり、
読書に疲れれば、昼寝をしたりしている。
5月20日(火)
小雨が降りしきる早朝を迎えたが、
3時過ぎのロビーは静寂で、私は煙草を喫ったりして、
地方紙の『北日本新聞』の朝刊を読みはじめた・・。
そして、『日経』の朝刊も読み終えると、
中西輝政・著の『日本の「岐路」』(文藝春秋)を開いたりした。
旅先で自由きままに過ごしているし、
もともと少し甘い自身に更に心身弛緩してしまうので、
多少の緊張感を持たせるのに最適な本かしら、
と思いながら読んだりしているのである。
6時過ぎに部屋に戻ると、
『昼過ぎまで・・雨らしいので・・今日は私達は館内でゆっくり過ごしますので・・
セラピーユに一緒に行きませんか・・』
と家内から私は誘われた。
この観光ホテルに於いては、セラピーユと称された岩盤浴が、
ひとつの施設の特徴と聞いていたのである。
観光ホテルの案内書に寄れば、
【トルマリン鉱石を利用した
新しいリラクゼーション「セラピーユ」】
と明示されて、
下記のように解説されている。
【マイナスイオンを発生させるトルマリン鉱石、
免疫力の向上や細胞活性の効果のあるラジウム鉱石、
発汗作用や老化防止効果のある遠赤外線など、
自然界がもたらす癒しのパワーを利用した
お湯のないリラクゼーション「セラピーユ」をご体験ください】
私は初めて体験するものであるが、
家内達が10時30分より予約したと聴き、
私も同行することとした。
予約を済ませ、指定されたワンピースのような浴衣を受け取り、
大浴場で身体を清め、温めた後、
下着も付けないようにと指定された浴衣を着て、
セラピーユの館内の待合室で待機していた。
家内の母は、華やかに色合いした指定の浴衣となり、
『おかあさんさぁ・・このような格好になったのは・・
人間ドック以来だょ・・』
と私は家内の母に軽口を云ったりしている。
岩盤浴の中は、畳一帖ぐらいに鉱石がゆったりと仕切られたのが、
20前後の升目丈になって折、
私はその中のひとつに毛布を敷いて、枕を置き、横たわった。
まもなしして、薄暗くなり、
音楽が流れ、天上の満天の星空のような景観となったのである。
30分過ぎた頃、館内は明るくなり、
私はゆっくりと起き上がった・・。
前方のご婦人が起き上がった時、ワンピースのような浴衣から白いパンティが見えて、
私は少しドキりとした。
出入り口の冷水を一杯飲んでいた時、
先程のご婦人が見えて、私と同様に冷水を飲んでいた。
60を少し過ぎたと思われるが、若々しい清楚な顔立ちの小柄なご婦人であったが、
私の方が何かしら照れてしまった。
この後、家内達に声をかけて、
私は大浴場で泡風呂に入ったりして、
先程の見知らぬご婦人を思い出したりしていた。
部屋に戻り、窓辺が雨が降りしきる緑に染まった雑木林を眺めたりし、
家内達と他愛ない話をしたりしていた。
この後、私は布団に横たわり、本を読みながら、
昼寝をした。
目覚めたのは、一時過ぎで、
陽差しが燦燦と里山一帯を照らしていた。
夕食の後、遠方に住宅街の灯が銀河のように観え、
その後方は市のビルの灯が観え、
♪街の灯(あか)りが とてもきれいね
ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
【『ブルーライト・ヨコハマ』 作詞・橋本 淳 】
と私は口ずさんだりしていた。
第5章 民俗民芸村を散策すれば
5月21日(水)
私はいつものように独りで、ホテルを8時半過ぎに出で、
里山の市道を少し登り、展望地に着いた。
市内の街並み、遠くに立山連峰が観えるところであるが、
本日もかすんでいるだけであった。
地元のご夫婦と立ち話をして、冬晴れるの時節であったならば、
一望でき、カメラ愛好家はもとより、
テレビの報道の方たちも撮影で見られる場所と、
教えてくれた。
今の時節は、夕暮れのひととき、週に1度ぐらいは、
山並みが綺麗に観える時もあり、それなり美景である、
と言葉を重ね、教示された。
この後、私は遊歩道を下り、
『民俗民芸村』で各所を観て廻り予定であったが、
拝観時の9時前であり、それぞれ竹の立ち箒(ほうき)で、
掃きながら清められていた。
私は外れにある長慶寺に隣接した五百羅漢に行き、
右側に長慶寺、そして墓地、
左側は里山を切り開かれた斜面にそれぞれの表情、しぐさの五百羅漢が観えた・・。
杉木立と竹林の中で、木漏れ陽を受けたそれぞれの表情をたたえた石像を眺めると、
現世の生臭さを忘れさせて下さるひとときある。
私はうっとりと眺めていると、斜面の小道を歩かれている老女に逢い、
思わず黙礼をした。
そのお方は、私に近づいてきたので、
『お元気そうで・・何よりです・・』
と私は右手に杖をたずした老女に言った。
このお方は付近に住まわれる方であり、毎日周辺を散策され、
私の亡き母と同じの大正9年生まれと知ると、
私は心身ご健在でおだやかな表情をたたえた老女を絶賛した。
この後、歩道の素朴にベンチで煙草を喫っていると、
私より少し齢上の女性から声を掛けられて、
昨今の世間話をした。
五百羅漢を眺めながら、昨今の社会の節度のない状況を話したり、
そのお方が日本海の海沿いの小川温泉で過ごされ、
幼少時の頃の食べ物、乗り物などの話を互いに話し合ったりした。
私は偶然にお2人の年配の女性と話し合えたが、
こうしたことはその地の風土、文化、日々の暮らしを知る上、
言葉を交わし、重ねていると、
まぎれもなく最良の教えを受けると私は確信し続けている・・。
この後は、茶室の円山庵に寄り、
抹茶と和菓子を頂きながら、応対して下さった30代の女性に、
具体的に露地の形態と樹木を誉めたりすると、
お互いに心がほぐれ、少し笑いあったりした・・。
、
そして帰り際には、
さりげなく活けられていた鉄線、菖蒲の花を誉めたりした。
そして、この後は『陶芸館』、『考古資料館』、『民芸館』、『民芸合掌館』、
『売薬資料館』を拝観し、
数多く教示させられたりし、遊歩道の登り道を20分ばかり歩き、
滞在している観光ホテルに帰還した。
第6章 館内にゆったりと
5月22日(木)
今回の滞在で、私は殆ど夜の8時には寝付き、
早朝の3時にはロビーで、ペットボトルの煎茶を飲みながら、
煙草を喫ったりしている。
そして、『北日本新聞』、『日経』などの朝刊を読んだりし、
中西輝政・著の『日本の「岐路」』(文藝春秋)を昨日読み終わり、
持参してきた川本三郎・著の『向田邦子と昭和の東京』(新潮新書)を読みはじめている・・。
ときには、館内に置かれている雑誌を見たりしている。
隔月誌『こころの色』(民活開発)は初めて見る雑誌であったが、
特集として《歴史と文化に出会う、温泉旅》に惹かれ、
読んだりした・・。
この中で、亡き作家の開高 健が残された旅の極意として語った言葉として、
『少年の心で、大人の財布で歩きなさい』
の名言が引用されて、私なりに深く読んだりした。
或いは、連載の『わたしの健康法』で、
今回は私の好きな浜 美枝・女史が掲載されて、
改めて女史の発言に魅せられている。
ある時は、この観光ホテルのパンフレットを見たりし、
『風流絵巻』と題され、四季折々の状景、館内の優美な案内を見たりしている。
この中で詩歌になぞられて、
立山に 向かいし肩に 桜落ち
踏み入れば 真綿の心 寄り添いし
世をはなれ 心の糸を ゆるりゆるり
暖かき 絹糸の水に 肌染めぬ
我が身いま 花渡りゆく 蝶の舞
等の読みながら、その時節に思いを馳せたり、
私なりに微苦笑しながら、読んだりしている。
朝夕の食事時以外は、すべて自在な時を過ごし、
風呂に入ったり、地酒、ビールを呑んだり、
読書に疲れれば、昼寝をしたりしている。
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