先程、愛読しているネットの『プレジデントオンライン』を見ている中で、
【 認知症より怖い「ロコモ」の寝たきり生活 】と見出しを見たりした。
私は東京の調布市に住む年金生活のまもなく74歳の身であるが、
「ロコモ」って・・どのようなことですか、
もとより寝たきり生活になってしまったら、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
と真摯に記事を読んでしまった。
やがて動顛しながら、記事を読み、多々教示させられた・・。
この記事は、ノンフィクション作家のかじやますみこさんが、
『人生100年、自分の足で歩く 寝たきりにならない方法教えます』(プレジデント社)を上梓し、
第1章「寝たきりにならないための新常識」の一部を再編集し、
『プレジデントオンライン』に2018年9月7日に配信され、無断ながら転載させて頂く。
《・・今年、日本人の平均寿命は、過去最高を更新した。
要介護とならずに、天寿をまっとうするには、どうすればいいのか。
要介護になる原因の第1位は、筋肉、骨、関節、軟骨など運動器の疾患だ。
予備群を含めると日本人の3人に1人が、運動器の疾患(通称ロコモ)の恐れがあるという。
どんな対策をとるべきなのか。
ノンフィクション作家のかじやますみこ氏が、NTT東日本関東病院・整形外科部長の大江隆史氏に聞いた――。
■「人生100年時代」ロコモ対策は待ったなし
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
それにしても、なぜ最近になって運動器の疾患が、それほど注目されるようになったのでしょう。
「腰痛は日本人の国民病」などといわれますし、昔から、街場の整形外科医院は、お年寄りでいっぱいです。
ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)という新しい言葉をつくらねばならないほど、
以前とは違う課題があるのですか。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
背景にあるのは、やはりヒトの長寿化、社会の高齢化です。
人間がそれほど長く生きることがなかった時代には、
骨粗鬆症による骨折など運動器の疾患が起こる前に、誰もが寿命が尽きてしまいましたからね。
だから学問的な研究もされてこなかったし、
どれくらいの人が、加齢による運動器疾患にかかっているかなんて、調べる人もいなかったのです。
しかし、いざ調べてみると、驚くべき実態が明らかになってきました。
2017年に発表された吉村典子先生(東京大学22世紀医療センター ロコモ予防学講座特任教授)を
中心とする大規模な疫学研究では、ロコモ度テストで、
ロコモと判定できる人は、全国で4590万人にのぼると推計されたのです。
骨粗鬆症の人は、1280万人(男性300万人、女性980万人)。
70歳以上に限ると、95%以上の人が、骨粗鬆症か変形性膝関節症か変形性腰椎症のどれか1つ以上に
かかっていると考えられるそうです。
「人生100年時代」といわれますが、運動器のケアをせずに
100歳まで元気に暮らすことは、ほぼ不可能でしょう。
その意味で、ロコモは、非常に今日的な問題なのです。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
4590万人ということは、日本人の「3人に1人がロコモ」といえますね。
それもすごいですが、2017年の統計で「100歳以上の高齢者が、すでに7万人近くもいる」との報道にも驚きました。
10年前の約2倍、20年前の約8倍に増えていて、2050年には53万人を超えるとか。
ロコモ対策は、まさに待ったなし! です。
■運動器の疾患は次々と連鎖する
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
わたしは1960年生まれですが、同世代の日本人のほぼ半数が、90歳まで生きるといわれています。
そんな時代ですから、長寿に備えて、人生の半分くらいのところ、
45歳か50歳あたりで、自分の運動器の状態をチェックすることが望ましい。
骨密度など測定できるものは、測っておいたほうがいいと思います。
高齢者の健康にとって最大のリスクは、
メタボリックシンドローム、認知症、そして運動器の疾患、つまりロコモの3つと考えられます。
それくらいロコモは重要だということ。
ところが、この問題の深刻さが、あまり認識されていない。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
確かにそうですね。
「メタボ、認知症、ロコモが、三大リスク」という意識は、あまりありませんでした。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
そこでロコモティブシンドロームという概念を提唱したのですが、
実は、一般向けの啓発のほかに、もうひとつ目的があるのです。
近年、脊椎専門、関節専門と整形外科が細かく分かれ、
「背骨は、わかるが、関節は、わからない」といった医者が増えています。
スペシャリストになることは悪いことではありませんが、
高齢者の運動器の疾患は、腰が悪くなれば、膝も、肩も悪くなる、といった具合に連鎖する。
しかも、「1+1」が「2」ではなく「3」になるように複合して悪化するので、
運動器を全体として、診ることが大切なのです。
■注射をすれば治る普通の腱鞘炎だったのに・・・。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
これからの時代は、自分の専門分野を極める一方で、
運動器全般についても、標準的なことくらいは知っておく必要がある。
そういう視点を持たなければ、ちゃんとした治療はできない。
医療関係者にそう注意を促す意味でも、ロコモという概念を打ち出したのです。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
近い将来、「ロコモ科」、「ロコモ外来」みたいな診療科ができて、
統合的に診てもらえれば、患者としては安心です。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
何度も言いますが、高齢者の場合、複数の運動器疾患が重なっていることが多いですからね。
実際にこんなことがありました。
わたしの専門は手外科ですが、あるとき別の専門病院で、
膝の手術を受けた高齢のご婦人が、退院したその足で、わたしの外来に来られたのです。
「変形性膝関節症が悪化して、膝に人工関節を入れたが、
今度は手が痛くなって、杖が握れない」とおっしゃる。
主治医の先生に相談したものの、
「手のことはよくわからないから、ここで診てもらってください」と、
わたしの病院を紹介されたというのです。
診察すると、注射をすれば、治る普通の腱鞘炎でした。
手術後、身体を支えるために、杖を強く握るなどして、手を酷使したからでしょう。
普通の腱鞘炎といっても、ひどくなると指が曲がらなくなります。
痛くて杖が使えないというのであれば、患者さんはとても困るわけですが、
人工関節の専門医である主治医の先生には、その診断や治療ができなかったのです。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
わたしも交通事故で手術をしたあと、手で身体を支えていたので、
その患者さんの気持ちがよくわかります。
廃用症候群(寝たきりなどで、身体能力が衰えること)で、
骨折していないほうの脚も、筋力が落ちていたから、両腕の力に頼らざるをえない。
リハビリで歩く訓練を始めると、肩も痛くなり、以前は何ともなかった膝や足首も痛み出して・・・。
「高齢になって身体が動かなくなるというのは、こんな感じかな」と思いましたね。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
あなたの場合、片方の脚が骨折しただけで、まだよかった。
もし高齢で反対側の脚が、変形性膝関節症だったら、リハビリも進みませんよ。
「せっかく股関節の手術をしたのに、膝が痛くて歩けない」ということになってしまいます。
高度な専門医であっても、やはり運動器全般を診られないといけないのです。
■手術をした患者が、また救急患者に
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
わたしの骨折部位と同じ股関節の周辺、大腿骨近位部を骨折する高齢者が、最近増えているそうですね。
あんなに太い骨が、ちょっと転ぶだけで、折れてしまうなんて・・・。
わたしのように自動車にぶつかられたのならわかりますが、なんだか信じられません。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
骨粗鬆症で骨がもろくなっているので、簡単に折れてしまうんですよ。
大腿骨近位部骨折で手術を受ける人は、今や年間15万人もいるのです。
手術後は、筋力が落ちるので、歩行が不安定になって、また転んでしまうこともある。
今度は反対の脚を骨折して再手術、ということもあるのです。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
たいへんな手術をして治したのに、また骨折してしまうなんて、ほんとうにお気の毒です。
つらさを知っているだけに、考えただけで気が遠くなります。
転ぶのが怖くて外出を控えると、運動不足になって筋力が落ちるので、まさに悪循環ですね。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
以前、わたしが勤めていた救急病院には、同じ患者さんが、実際に何度も救急車で運ばれてきました。
「あれっ、この人、前にも手術したじゃないか? 」という例が目立つようになったのは、
21世紀に入った頃でしょうか。
それまで整形外科の救急患者には、自動車事故や工場で働いていてケガをする若い男性が多く、
手術をして治せばそれっきり。
同じ患者さんを繰り返し診ることは、なかったのです。
それが病棟に高齢者が増え、しかも治療したはずの人が、また救急車で運ばれてくるようになり・・・。
整形外科が扱う患者さんの変化から、世の中が変わったことに気づいたのです。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
なるほど、以前は、手術が必要になるような患者さんは、若い男性ばかりだったのですね。
なのに、いつのまにか高齢者が増えてきた。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
そこで、あるとき「現場では、こういうことになっています」と
中村耕三先生(当時日本整形外科学会理事長)にお話ししたんですよ。
高齢の患者がものすごく増えて、しかも運動器の疾患という特定の病気を繰り返している。
この問題に名前をつけて、広く社会に注意を促したほうがよいのではないでしょうか、と。
それが2007年の夏。
ちょうど日本が超高齢社会に突入した時期で、中村先生も思うところが、おありになったのでしょう。
始まりは、一救急医のつぶやきみたいなものでしたが、中村先生が全体のデザインを考えられ、
数カ月後に、ロコモティブシンドロームという概念が発表されたのです。
◎かじやますみこ(ノンフィクション作家)
きっかけをつくられたのは、大江先生だったのですか。
◎大江隆史(NTT東日本関東病院・整形外科部長)
整形外科が新しい時代に入った。それをわたしが肌で感じたということでしょう。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
私は、《・・要介護になる原因の第1位は、筋肉、骨、関節、軟骨など運動器の疾患で、
予備群を含めると日本人の3人に1人が、運動器の疾患(通称ロコモ)の恐れがあるという。・・》
恥ずかしながら初めて学んだ。
そして《・・骨粗鬆症の人は、1280万人(男性300万人、女性980万人)。
70歳以上に限ると、95%以上の人が、骨粗鬆症か変形性膝関節症か変形性腰椎症のどれか1つ以上に
かかっていると考えられるそうです。・・》
と学びながら、動顛させられた。
私は何よりも動顛させられたのは、
《・・骨粗鬆症で骨がもろくなっているので、簡単に折れてしまうんですよ。
大腿骨近位部骨折で手術を受ける人は、今や年間15万人もいるのです。
手術後は、筋力が落ちるので、歩行が不安定になって、また転んでしまうこともある。
今度は反対の脚を骨折して再手術、ということもあるのです。
転ぶのが怖くて外出を控えると、運動不足になって筋力が落ちるので、まさに悪循環・・》だった。
私の家内の母は、私より14歳ご年配であり、80歳過ぎた頃から膝(ひざ)を悪化して、整形外科に通院して、
こうした中で、担当医師から杖(つえ)を使うように勧められて、
これ以来、家内の母は杖(つえ)を頼りに、買い物などをして過ごしてきた。
こうした後、整形外科、内科、眼科に通院している中、膝(ひざ)と腰に激痛が感じ、
一昨年の5月より少し遠い大学病院で検査、そして入院したりして、
骨粗しょう症と筋力低下、と診断されたりした。
この後、退院後の検査をした後、リハビリで近くの病院に行ったりして『要介護2』となってきた。
そして家内は付き添う為に、家内の母宅で駐在することが多くなってきた。
まもなく家内の妹が強力な援軍となり、家内と家内の妹が交互に、
家内の母宅に殆ど宿泊して、家内の母の食事、洗濯、掃除、或いは通院の付き添いなどしている。
そして昨年の5月より、家内の母はデイ・サービスに通った成果で、市の福祉課が再審査を得て、
『要介護2』から『要支援2』と回復して認定されたりした。
この後も、家内の母は娘ふたりに、食事、洗濯、掃除、或いは通院の付き添いなど頼りに、
過ごしている。
このように、家内は家内の妹と逐次連絡しあって、家内は独り住まいの家内の母宅に行っている時は、
私は我が家で独りぼっちの『おひとりさま』の生活を過ごし、早や14年近くとなっている・・。
このように私たち夫婦は、年金生活の中、何かと家内の母の状態に左右されることもあり、
私と家内は、ときおり微苦笑させられる時もあったりしてきた。
しかしながら何よりも、家内の母にとっては、70代の終わる頃までは、体力の衰えを実感しながらも、
仲良しの女友達と小旅行を重ねたり、御自身で日常の買い物をしてきたので、
何よりも落胆させられながら、もどかしく制約された中で過ごされている。
人は永らえば、殆どの御方は筋肉、骨、関節、軟骨などが衰えて、日常生活にも制約がされるが、
私もまもなく74歳になる身であり、いつの日にか、と心痛な思いで溜息を重ねたりしている。
やがて何かと単細胞の私は、体力の衰えを実感しているが、
何よりも健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
歩くことが何より健康体の源(みなもと)と思い、そして適度な熟睡する睡眠、或いは程ほどの食事が、
セカンドライフ健康体と信愛し、ときおり人生は気合だ、と呟(つぶ)やいたりしている。