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■認知症になると何も分からなくなる?
60代になると、誰しも一度は頭によぎるのが、
「認知症になったら、どうしよう」という不安でしょう。
2021年に太陽生命保険が、20~70代を対象に実施した
「認知症の予防に関する意識調査」のアンケートでは、
最も自分がなりたくない病気の第1位(42・6%)に選ばれたのが「認知症」でした。
第2位の「がん」(28・7%)に大きく差をつけていますが、
なぜこんなにも認知症が嫌われるのでしょうか。
そう私が質問すると、
「認知症になると、何も分からなくなってしまい、自分がなくなってしまうから」、
「徘徊(はいかい)したり、記憶力が衰えたりと、通常では考えられないような行動を取るから」、
「介護などで、家族に迷惑をかけてしまうから」 などの理由を挙げる人が多いです。
しかし、認知症に対するこれらのイメージには、誤解が多いのです。
認知症は、実はみなさんが思っているほど、怖い病気ではありません。
にもかかわらず、メディアが報道する情報によって、
不安ばかりが募り、過度に恐れられ過ぎているのが実情です。
残念なことですが、いかに医学が進んでも、脳の老化は、避けることができません。
私自身、数多くの高齢者の脳の解剖結果を見てきましたが、
85歳以上の高齢者で、アルツハイマー型の変性がない人は、いませんでした。
人生100年時代と言われる中、長生きするのであれば、
必ずいつかは、認知症になります。
■急に明日、認知症の症状が現れるわけではない
ただ、認知症になったからといって、不幸だと思う必要はありません。
むしろ、むやみに認知症を恐れ過ぎて、
ストレスをため込んでしまうことのほうが、認知症を招く要因になります。
どうせ怖がるのであれば、認知症についてきちんと知ってから、
怖がることが、認知症予防の最大の対策と言えるでしょう。
また、多くの人が誤解しているのですが、
認知症は10~20年の歳月をかけて、非常にゆっくりと進行する病気です。
急に明日から、自分のことが分からなくなったり、何もできなくなることもありません。
逆に言えば、「以前からできていた能力」については、
変わらずに継続できるので、農業や漁業、芸術などの分野では、
認知症になっても活躍している人も多いです。
アメリカのレーガン大統領は、在任中に認知症が始まっていたと考えられますが、
政務に滞りはなかったようです。
■「なった後どうするか」を考えておくことが大切
だから、認知症だと診断されても、
いきなり日常生活に壊滅的な支障が生まれることはありませんので、
慌てる必要はありません。
これを読んだだけでも、多くの方が思っている
「認知症になったら、人生が終わり」というイメージが、大きく変わるのではないでしょうか。
昨今では、脳トレをはじめ、認知症に「ならないための対策」は、
広く世に知られています。
しかし、それで防ぐことは、できません。
たしかに対策は、大事かもしれませんが、
大切なのは「なった後、どうするか」を考えておくことです。
たとえば、初期の認知症では、物忘れの傾向がみられることがあります。
ただ「昨日の夕飯が思い出せない」、
「スーパーに来たのに、何を買おうとしていたのかが、思い出せない」
などの物忘れであれば、そこまで生活に支障をきたすことはありません。
■認知症を遅らせる効果的な対策は「睡眠」
夕飯の内容を忘れても、日常生活で困ることは、ほとんどありませんし、
どうしても思い出したいなら、
パートナーに「昨日、何食べたっけ?」と確認すればいい。
何なら、毎食、スマホで写真を撮っておけば、後から振り返ることもできます。
スーパーで買う物を忘れてしまうのなら、
事前にメモを作って、持っておけば、済むことです。
もし、メモだと忘れてしまうのなら、手の平に買い物リストを書いてもいい。
スマホのメモ機能も使えます。
すべての病気に共通することですが、
過度な不安を抱き、生活に神経をとがらせると、
人生はますます窮屈なものになってしまいます。
「認知症は、正しい知識さえあれば、さほど怖いものではない」
ときちんと認識していれば、大丈夫。
不安に足をすくわれない日々を送ってください。
認知症は、あくまで老化の一環なので、いまだ科学的な対処法は見つかっていません。
ただ、認知症をできる限り遅らせるのに効果的な方法は、いくつかあるとされています。
その中で、最も重要な対策法の一つが「睡眠」です。
■最適なのは7~8時間、眠り過ぎてもいけない
認知症の中でも代表的な「アルツハイマー型認知症」は、
脳内に「アミロイドβタンパク質」と呼ばれるアミノ酸からなる老廃物が
たまることが原因で発症すると考えられています。
この老廃物がたまり、脳の神経細胞が死滅することで、認知症が進んでいくのです。
睡眠には、認知症の要因となるアミロイドβタンパク質を除去する働きと、
日々の記憶を定着させる働きがあります。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の調査によれば、
睡眠時間が6時間以下のグループが、アミロイドβタンパク質の沈着が最も多く、
睡眠時間が7時間以上のグループが、最も沈着が少なかったとの結果が出ています。
ただ、「睡眠が長ければ、良いのか」というとそういうわけでもないようで、
睡眠時間が9時間を超える場合は、認知機能に異常をきたすという研究もあるので、
一日に7~8時間の睡眠が、認知症予防には望ましい睡眠時間と言えるかもしれません。
高齢者になればなるほどに、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が悪くなったりするため、
なかなか7~8時間も連続して眠れないという方も多いでしょう。
その場合は、無理に一度に眠る必要はなく、細切れでもいいので、
できるだけ睡眠を取るように心掛ければ、脳に良い影響をもたらすはずです。・・》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
恐れていた認知症に、新たな認識を重ねながら、勇気を頂いた記事である。
こうしたことの理由は、
《・・
正しい知識があれば、決して怖い病気ではない
これに伴い、平素の対策には、
《・・認知症を遅らせる効果的な対策は「睡眠」 ・・》、
或いは物忘れなどの場合は、メモ書きなどで対処すれば良い、
と教示され、微笑んでしまった・・。
私は我が家の平素の買い物は、家内より依頼された品を求めて、
スーパーなどに独りで行っている買物メール老ボーイとなっている。
そして20品目以上の場合は、店内で一時停止して、
メモ書きを題して、ボールペンで、これ買った・・とチエックしている。
何かと楽観的な私は、もしかしたら
いつの日にか、あの世に旅立てるかしら・・と夢想したりしている。