中華料理「厦門厨房」(アモイチュウボウ)
廈門は中国の福建省南東部、九龍江の河口付近にあり、台湾海峡を隔て
台湾と向かい合っている。
店の場所は蒲田駅西口。飲食店がごちゃごちゃと立ち並ぶ通りの一角。
以前から店の存在は知っていたけれど、食べ放題・飲み放題を掲げる一般の中華料理店と
思い気にも留めていなかった。入店すると時間帯が早いためか先客はなし。
入口近くの席では、店の若いお母さん(奥さん)が小さな子供に食事をさせている最中だったが、
当方に気がつくと好きな席にとうぞ、と声をかけてくれた。
遠慮なく奥へと進み、4人掛けボックスシートを選ぶ。
ぐるなびによると総席数は38席。ごく普通の気安い中華料理店だ。
卓上には、醤油、辣油、酢、胡椒、爪楊枝、紙ナプキン、灰皿、メニューなど。
着座後、タオル地のおしぼり(直置き)をもらえ、取り皿、ロゴ入り箸袋に入った箸がセットされた。
ドリンクはサントリーモルツ天然水100%(中瓶)@500からスタートし、
中国陳年紹興酒@1,900へ進行。お通しには揚げ塩ピーナッツ。
料理はグランドメニューの中にひっそりと紹介されている“郷土”料理に照準を合わせ、
アラカルト注文をした。
海蛎煎蛋(アモイ風カキ玉)@900
小粒の牡蠣、ネギの入ったカキ玉(牡蠣オムレツ)。
台湾夜市の代表格「蚵仔煎」と似ていますが、こちらは浮き粉が入っていないし、
表面に甘めのタレも塗られていません。シンプルにそのままでいただきます。
小粒の牡蠣は磯の風味が強く味が濃厚で、たまごのふわっとした食感にネギが香り
味のバランスも上々。ひねたところのない素直な美味しさに好感度も上がります。
福建蒸地瓜丸(アモイさつま芋団子)@600
「これ、1個サービス!熱いのうちにのほうが美味しいよ」
通常3個のところを1個オマケをしてくれた。
さつま芋団子は蒸しかスープもできると聞いたが、今回は蒸しにチャレンジ!
黄色っぽいむちむち皮はさつま芋、サトイモ、ジャガイモ、カボチャで作ったのだそう。
味はついているというので、何もつけず蒸したてにかじりつくと、肉餡にはタケノコが入り、
生海苔の風味が豊かに香った。
さつま芋団子というので甘さをイメージしたが、良い意味で期待を裏切り美味しさ新発見。
(寝太郎) 面白い!これ。はふはふ。美味しいよー!
拍黄瓜(キュウリ漬け)@315
箸休め的に注文した一品。ニンニクが効いていますが、ほぼ直球勝負の素材味。
海蛎餅@300
「今日はちょうど揚げパンあります。ちょっと丸いの。中には、肉、カキ、海苔、もやし、
キャベツとか入ってるの。それ1個食べてみて。」
私たちが郷土料理に興味を示しているのを察知したのだろう。
奥さんがいろいろ提案をしてくれた。
(寝太郎) わっ!それ、食べてみたいです。
聞くと、海蛎餅は通常メニューにはなく、郷土料理を食べたいというお客様が人数を集め
来店した際に作る(宴会)料理の一つだそう。偶々だったが、ありつくことができた。
皮は油を吸い込んでしまっているけれど、具材はみっしり。
1個を半分にカットしてもらい味わったが、牡蠣と生海苔の磯の風味に豊富な野菜が
食感を添える素朴な味わいだ。
(ノブロー) メニューにない現地の味を体感できるで。
興味のある人はメンバーを集って、店に相談するとええだ。
「あと牡蠣のスープもあるの。魚スープと豚肉のバラのスープ。片栗粉でつけた。
白身魚をてんぷら粉であげたのもあるの。」
地元の料理の話になると、心安い奥さんは夢中になって説明をしてくれる。これも郷土愛なのだ。
滷水猪耳(豚の耳)@400
つまみにもう1品頼みたい。
おすすめを聞くと、滷水猪耳(豚の耳)、滷水猪舌(豚のタン)、涼拌鶏珍(砂肝の冷菜)は
地元の味付けで調理しているという。奥さんの一押しは砂肝だったが、豚耳も捨てがたい。
初回はインスピレーションに忠実にチョイスした。
コラーゲンをたっぷり含んだ煮凝り状の豚耳は、こりこりとした歯触りで旨味も豊か。
また、タレの味ともマッチし美味い。値段以上の満足度の高さだ。これは他の2つも気になるなあ。
福建花生餃(ピーナッツ入り甘揚げ餃子)(左)@400、
福建八宝菓(もち米の五目揚げ)(右)@400
厨房での段取りが狂ってしまったよう。温かいデザートが早々に登場。
シナモンやココナッツパウダーを効かせており
手作り感があって、飾らない純朴な味がほっと心を和ませてくれます。
福建炒米粉@1,200
メニューには福建の郷土料理であり、長崎ちゃんぽんのルーツともいわれる「福建燜麵」
(アモイ風汁焼きそば)も用意されているが、この日はビーフンがあるとのこと。
攻略はこちらからだ。極細の麺(ビーフン)が特徴的で、具材は牡蠣、エビ、イカ、肉、セロリ、
キクラゲ、ニラ、キャベツ、ニンジンなど。
海鮮の旨みや野菜の甘みが入り、おつまみ力を有するビーフンは気取りのない
普段着っぽい美味しさが魅力。
(レンタロー) ビーフン、驚きの細さだな。もぐもぐ、うめえ。
蒲田で出会える福建省、廈門の地元料理。
奥さんの話によると、ドリンクも地元のものを3種類(甘い)用意。
現在、一般的な料理に圧迫され、通常メニューに品数は少ないですが、
ご興味のある方はぜひどうぞ。
追加は甕出し紹興酒一合@500、水@200で
お会計は、1人当たり4,000円(千円未満四捨五入)
なお、紹興酒は十年陳年紹興酒@2,900がおすすめで、熱燗、ロック、冷の
リクエストに応じれるということです。
厦門厨房 (アモイチュウボウ)
東京都大田区西蒲田7-27-6 裕大ビル1F
TEL 03-5713-1517
営業時間/11:30~15:00 17:00~翌4:00
定休日 無休 -店舗情報「食べログ」より-
※中国料理満足度数は、3.7~5.0