峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

人間も面白い

2009年02月13日 | 暮らし
言語と脳、心と脳についての話の続きだが、先日の「爆笑問題のニッポンの教養」の中で、太田さんは、言葉にすることは心を区切ることであり、言葉と言葉の間を取りこぼすことである。思いを言葉で表そうとしても近似値にしかならない。やればやるほど近くなるけれど、むしろ離れていく。言葉に比べ、心のなんと自由なことか、と語っていた。
ランガーの「大きな海と小さな孤島」の話に通ずる。

こうしてブログなどを記していると、いやでもそれを強く感じざるを得ない。その通りである。
しかし、人間は、心の自由を、ただ謳歌【おうか】しているだけのところにはとどまることができない。加藤秀俊さんのいうように、言葉というわずかな出口を使い、心の中で感じていることをなんとか、より忠実に表出しようと懸命にもがく。なぜなら、人間は、他者とのつながりを求める存在だからだ。
毎日の、身の回りにおこる出来事について感じる内側の世界を、余さず表現しようと思えば思うほど、感覚の大海は際限なく広がり、それを表出することの困難に、ただなすすべもなく、波間に身をゆだねるほかないのにだ。

ああ、つくづく人間も面白い生き物だと思う。
コメント
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