峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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政治家の理念

2009年05月29日 | 暮らし
14兆円にものぼる補正予算がきょう成立したようだ。

歴史的な不況下、政府が当初予算で30兆円超、補正で10兆円超の国債、つまり借金をしてでも積極的な財政出動を行うのは理解できるが、問題は、その中身だ。例えば117億円も使い国立のマンガ館のようなものを作る必要はないはずだ。

麻生さんは、日本のマンガやアニメが国際的に高い評価を受けているのを幸いに、自身のマンガ好きをひけらかしておられるようだが、一部、顰蹙【ひんしゅく】を買っている向きがあることを、どうやら気付いていらっしゃらないのだろう。
それはさておき、マンガを箱物に結びつけるような思考は安直過ぎるというより、いかにも政策に対する理念のなさの表れだといえよう。

一昨日の党首討論の中で、鳩山代表は「人の幸せを自分の幸せと思えるような世の中にしたい」と持論の「友愛」の政治理念を語った。それに対し、麻生首相は「理念や抽象論ではなく、現実問題にどう対応していくかだ」と反論した。
鳩山さんがどのような社会を実現させたいのか、その言葉から何となくイメージできる。一方、麻生さんの言葉をずいぶん聞いてきたが、彼のそれはさっぱり伝わってこない。

政治家は理念をこそ語るべきだと考える。それが、時の政権を握る者であったり、政党を代表するような者であればなおさらのことだ。
また、抽象的な表現でなければ、あまねく国民にリーダーの意図するところは伝わらない。残念ながら、麻生首相からは具体的な話しか聞くことができず、その政策から何を目指しているのかも見えてこない。定額給付金の話がそうだし、低炭素社会の実現を目指すと言いながら、高速道路の料金を一律千円に値下げしたりというようなことがそうだ。
しばしば、麻生首相は「わたいは、会社を経営していたから分かるが」と言われるが、いかにも具体的で現実的なアプローチだ。

ただ、麻生首相を見ていて、1つだけ感心することがある。それは意外にも感情的にならないところだ。
記者会見や予算委員会でのやり取りを見ていると、かなりきついことを言われているがキレない。先日、くるみさんが、感情的になる先生が多い。なぜ、感情的になるのだろうと言っていたが、中学生もそのことをよく話している。
授業の前に、先生がきょうは機嫌がいいか悪いか生徒間で話し、先生のご機嫌をうかがいながら授業に臨んでいるという。ホント、感情的になる大人が多い。

政治家も例外ではない。最近では福田前首相に森元首相、古くは佐藤首相が感情的な人だった。そういえば、麻生さんのおじいちゃんである吉田茂さんは「バカヤロー」と言って解散に追い込まれたようだから感情的な人だったのだろう。
それに引き換え、麻生首相は失言や漢字の読み間違いや何を言っているのか分からないところがあるが、なかなか解散に追い込まれないなぁ。
コメント (2)
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