峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

プロゴルファー・石川遼

2009年07月01日 | スポーツ
6月25日から兵庫県西宮市のよみうりカントリークラブで開かれていた男子ゴルフの「ミズノオープンよみうりクラシック」は、日曜日に最終ラウンド①が行われ、3日目に単独首位に立った石川遼選手がたくさんのギャラリー②と視聴者を魅了するプレーで、劇的に今季の初優勝を飾った。

最終日、2位に3打差をつけスタートした遼くんは、アウト③でその差をさらに広げイン④に入っての11番ホールまでで2位に5打差をつける展開で、よほどのことがない限り悠々の逃げ切りかと思われた。

石川選手の生命線はドライバーショット⑤にある。普通の選手が安全に刻むところを、彼はリスクを承知で果敢にドライバーで攻める。当初、それを非難する向きもあった(一か八かのような攻め方と見られていた)が、最近はそんな声もとんと聞かなくなった。それほど、彼のプレーは見る者の心をひきつけ、結果も出している。

この大会でのドライバーショットも2日目まで完璧で、3日目もフェアウェイ⑥を大きくはずすことはなかったと大会レポートにある。
そして最終日、アウトはショートホール⑦でボギー⑧をたたいたもののミドルホール⑨で1つと、2つのロングホール⑩では確実にバーディ⑪を取っていた。ここまでドライバーショットの好調さがうかがえるスコアだ。

ところが、インに入ってすぐの10番でボギーをたたいている。
10番ホールは左ドッグレッグ⑫の474ヤード〔1ヤードは1m弱〕パー4のミドルホール、ティーショットでフェアウェイ左サイドにあるバンカー⑬を越えれば、残りは6番・7番アイアン⑭でプロなら十分にバーディが狙える。しかし、左に行き過ぎるとOB⑮が気になるし、かといって右に行くと、左にドッグレッグしている分、長い距離が残ってしまう。

インに入り、残り9ホールとなったところで脳裏に「優勝」の文字がちらつき始めたとしても無理はない。
余計なことを考え始めたとたん、スイングのリズムが微妙に狂い出す。スイングのリズムが狂うと、インパクト⑯のタイミングがずれる。プロとて同じだ。
テレビ放映は最終組⑰の13番からだったので詳細は分からないが、石川選手はこのホールをボギーとした。思えば、ここからドラマが始まっていたのだ。

11番のミドルはパーセーブ⑱。そして、問題の12番ホールとなる。
(つづく)

※脚注
①ラウンド:コースをプレーして18ホールを回ること。
②ギャラリー:観衆
③アウト:クラブハウスから外へという意味で18ホールの前半9ホールを指す。
④イン:クラブハウスの方角への意味で後半の9ホールを指す。
⑤ドライバーショット:最も距離の出るクラブをドライバーといい、ドライバーで打つショットをドライバーショットという。
距離が出る分、またヘッド〔クラブのシャフトの先のボールを打つ部分〕の構造から、ボールをコントロールするのが難しい。
⑥フェアウェイ:ティーグラウンド〔各ホールの1打目を打ち出す場所〕からグリーンまでの間の芝を短く刈った部分。
⑦ショートホール:パー〔ホールごとの基準打数のこと。ちなみに、パー3なら1打でグリーンに乗せ、2打でカップイン、パー4なら2打でグリーンに乗せ、2パット〕3のホールのこと。
⑧ボギー:ホールの基準打数・パーよりも1打多いスコアのこと。
⑨ミドルホール:パー4のホールのこと。
⑩ロングホール:パー5のホールのこと。
⑪バーディ:そのホールの基準打数より1打少なくあがること。
⑫ドッグレッグ:フェアウェイが大きく曲がっているホールのこと。左に曲がっているのを左ドッグレッグという。犬の後ろ足の形からきているようだ。
⑬バンカー:フェアウェイややグリーン周りにある砂地の窪【くぼ】みのこと。
⑭アイアン:ヘッドの部分が鉄で出来ているクラブのこと。アイアンの5番・6番・7番をミドルアイアンといい、クラブフェイスにつけられている傾斜角度によって、ボールの飛び出す角度が異なり、距離も異なってくる。
⑮OB:out of boundsの略称でプレーできない箇所。打ったボールがプレーできる区域の外に出たら、つまり、OBになった場合、罰として1打加算され、打ち直しとなる。ティーショットでOBを出すと打ち直しが3打目となる。
⑯インパクト:クラブヘッドがボールに当たる瞬間のこと。
⑰最終組:プロの場合、3人が一組になってプレーする。
⑱パーセーブ:パーを守ること。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする