満開の桜に雨が降っています。もう1日ぐらい待っていてほしかったのに。雨は無常ですね。でも、人生もそういうものであるときもあります。それでも止まない雨はないから、晴れた日に新芽が一斉に吹きだします。そんなことを想って、行きよりも倍遠く感じられる道をとぼとぼ歩いて帰宅しました。門灯をつけていったので、明かりが見えるとうれしかったです。そして、傘をただもうとすると桜の花びらが3枚ほど乗っていました。ああ、神社の桜かもしれない。蛇の目の傘ならもっと粋だったのに。
昨日、あるサッカークラブから50周年の記念誌が届きました。カラーのきれいな写真集です。特に80歳以上の方は20年以上在籍していますから、うれしかったと思います。最近は印刷物として発刊しないチームも増えてきました。でも、改めて、何かを振り返るには、やはり色あせても紙ベースのものがいいなぁと思うのです。
私の写真はあまりよく整理されていません。父の若い時の写真は結構多く、山男を楽しんでいる写真や大正ロマンの女性たちと一緒のモダンボーイの写真もありました。母の写真は、学生時代からが多く、美人で聡明な感じの母が写っていました。そこに凛々しい軍服姿の男性の写真が何枚かありました。何かの折に母から戦死されたと聞きました。我が家の写真(子供のころ)も、今見ると、ああ、私は母の手作りの服で、弟はいい生地の背広姿で、さすが洋服屋さんだったのだなぁと思うのです。その環境は、金銭ということではなく恵まれていたように思われます。そんな風にアルバムを見られるのは、案外年を取ってからなのでしょうね。結婚しているときの写真はあまり残っていませんが、弟たち家族や親友の家族と出かけた時の写真は、二人がよくお揃いのジャンバーなどを着ていました。私の趣味ではなく元夫が必ず同じものを買っておいでよと言ったのでした・・・。
その1枚1枚に残された写真は、時を経て懐かしいものになります。ばらばらだった家族を結びつけるものもなります。アルバムはそういう時が来るまで、大事にしておくのがいいですね。私は早く処分しすぎました。
いまは形のないアルバムを大事にだいじに心に残しています。