スペインの巨匠(だそうだ)ペドロ・アルモドバルの「私が、生きる肌」を観た。スペインの映画だが、特にスペインを意識させる話ではなく、夏向きのちょっと怖くて妖しい話。
形成外科医の邸宅を舞台に話は進む。屋敷内には手術室があって、そこで医師のロベルが個人的に皮膚の再生治療を施すために「ベラ」を幽閉している。治療は成功して、交通事故でやけどを負ったことを苦にして自殺してしまった妻の面影を秘めた完璧な美女を作り上げるのだが、その裏にはとんでもない秘密が隠されていた。
話は途中から自殺した娘の復讐譚の様相を帯び、思わぬ展開をしていって思わず「うーん、そうだったんだ」と。しかしその意外性のわりには最後はあっけなく終ってしまって、「えっ、それで終わり?」という結末に思えた。